2012年エリーザベト王妃コンクール優勝のアンドレイ・バラノフが率いる、オイストラフ弦楽四重奏団の公演はいよいよ今週末。
第一ヴァイオリンのアンドレイ・バラノフの圧倒的なリーダーシップのもとに創られる音楽が、多くの聴衆を惹きつけています。

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オイストラフ弦楽四重奏団
彼らの名前は正式には、ダヴィド・オイストラフ弦楽四重奏団(David Oistrakh STRING QUARTET)といいます。
ご存じの方も多いかも知れませんが、20世紀を代表するロシアの偉大なヴァイオリニスト ダヴィド・オイストラフの名を冠しています。

メンバーそれぞれがソリストであり、弦楽四重奏団
バラノフは、ソロとしての活動と弦楽四重奏の活動が半々か、少しソロが多いぐらいのバランスがちょうど良いと考えているそうです。
他のメンバーも、ソリストでありながら、同時に真の弦楽四重奏団としての活動をしているそう。david_oistrakh_string_quartet-12.jpg

特別な作曲家 ショスタコーヴィチ
ロシアの弦楽四重奏団にとってはもちろん、バラノフにとっても、ショスタコーヴィチは特別な作曲家だといいます。
ここで、彼らの演奏するショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲第3番第3楽章を聴いてみましょう。

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*オイストラフ弦楽四重奏団の公式ホームページより

クァルテット結成時のエピソードや、今回演奏する曲についてなど、アンドレイ・バラノフに伺ったインタビューもぜひご覧ください。

オイストラフ弦楽四重奏団
日時:2018年10月14日(日)14:00開演
出演:オイストラフ弦楽四重奏団
[アンドレイ・バラノフ(第1ヴァイオリン) ロディオン・ペトロフ(第2ヴァイオリン) フェドル・ベルーギン(ヴィオラ) アレクセイ・ジーリン(チェロ)]
演奏プログラム:
ハイドン:弦楽四重奏曲 第38番 変ホ長調 Op.33-2 Hob.III:38 「冗談」
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第4番 ニ長調 Op.83
加藤昌則:There is ...., There was ...~Drawing notes of the memory for String Quartet(新作)
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第6番 ヘ短調 Op.80

■公演詳細は こちら

■インタビューは こちら

コンサートマスター矢部達哉のもとに集ったメンバーで、指揮者を置かず、室内楽の延長のような、自発的で研ぎ澄まされたアンサンブルを特徴とする『トリトン晴れた海のオーケストラ(晴れオケ)』。

ベートーヴェン生誕250年にあたる2020年に向け、今年10月6日を皮切りに3年に渡ってベートーヴェン交響曲全曲演奏会(全5回)を開催します。

コンサートマスター矢部達哉さんのインタビュー、最終回です。
(聞き手:片桐 卓也)

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‐片桐

矢部さんの経験の中で、ベートーヴェンの音楽と深く触れ合った瞬間は?

‐矢部

ベートーヴェンを深く感じるきっかけになったのは、後期の弦楽四重奏曲です。
全然良くわからないし、良い曲だとも思ってなかったのだけど、クァルテットの他の3人が、弦楽四重奏団やっている以上、これは避けられないよって言って。
そこで作品127を演奏したのが最初で、作品131(第14番)を次に演奏しました。

そのゆったりした楽章を弾いている時に、なんか、ベートーヴェンの生の声に触れたという感じがしたのですよね。
それは僕だけではなくて、他の3人も。

生の声に触れたというのは錯覚かもしれないけれど、
ベートーヴェンは生の声を楽譜に移すことが出来たのだなと。
もう死ぬ間際になった、ベッドの上で書いていたのかもしれないのだけれど、でも、本当に自分をかっこ良く見せようとか、「俺、すごいんだぜ」というのを見せる必要が無くなった人が、音楽と自分だけになっている。

その世界を初めて知るきっかけになった作品でした。

音楽の核だけを残すことが出来て、なるほど、ベートーヴェンは最終的にはこういうものを目指していたのだということを感じることが出来た。

それから後期の弦楽四重奏曲を全部やることになって、これは信じられない作曲家だと思うようになったのですが、そこを知ってから、彼のシンフォニーの時代を知ると、ベートーヴェンが何を求めていたのかというのが、なんとなく見えるようになって来た。

見えるといっても、可視化できるものではないのだけれど、ベートーヴェンというのは人間だったということ。
人間の弱さや強さ、無邪気な感覚、童心、怒り、そうしたものがすべて音楽に含まれている。
モーツァルトの場合は、そういう心の奥底の正直な部分は隠されていることが多いのです。
よく聴くと、ポロッとひとしずくの涙が出ていることはあるけれど、「悲しいんだ!」って、号泣することはない。
でも、ベートーヴェンの場合は叫びっていうのが聴こえて、それはシューベルトにも聴こえるし、後の作曲家にも聴こえるし、マーラーでそういうことが絶頂に達した訳ですよね。

そういう人間の感情を、音に託した人、それまでは、教会とか神様に密接に結びついていた音楽を、人間の手に取り戻した人というか、なんか人間の持つ感情の根源的な部分を音に出来た人。初めて。
人間の持っている無邪気さというか、子供な部分は、大人になるとどんどんリミッターがかかりますよね。こういうことを言っちゃいけないとか。
ベートーヴェンはお金でも1円2円のことでとてもうるさく言ったとか、女中さんをどなりつけたとか、そういう正直なエピソードにも現れている人間性の無邪気さが、ベートーヴェンのひとつの魅力ですね。

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‐片桐

すべてにおいて正直な人。だからこそベートーヴェンの音楽は初期の作品から新しい感覚を持っていたのでしょうか?

‐矢部

新しいという意味では、もうひとつの意味があって、モダンということに関しては、マーラーやブルックナー以上に、いまでもベートーヴェンのほうがモダンだと思うことが多いですね。
「エロイカ」とかやっていてもそうだし、ベートーヴェンの「第七番」もそう。
最近演奏したベートーヴェンで素晴らしかったのは、東京都交響楽団でアラン・ギルバートとやった回でしたけれど、終わった後に、彼が本当に興奮していて、「新しいよね、ほんとに新しいよね」って言うのです。
今まで、数えきれないぐらいやったけれど、やっぱり今日、新しかったって言う。
なかなかそういう曲はないですよ。

ベートーヴェンは「エロイカ」だって何回も弾いていて、これ以上の楽曲があるのか、という気がいつもします。
「第九」だって、毎年演奏していますが、ルーティンに陥ることはなくて、もう信じられない曲ですよね。奥行きがありますよ。第1楽章だって、まだこの曲の20%ぐらいしか分かっていない。この曲の結論を見せて欲しいと思うのですけど、誰も見せてくれたことがないと思います。本当に。

‐片桐

その点が、ベートーヴェンが繰り返し演奏される秘密なんでしょうね。
演奏するほうがそうなのだから、聴き手だって、もっと奥がありそうと思いますものね。
初めての人が聞いても、一発目でノックアウトされるものがあると思う。

‐矢部

ベートーヴェンの作品は、普遍性、普遍的であることの代名詞だと思っています。
大野和士さんが東京都交響楽団の音楽監督に就任した、その披露演奏会の時に「運命」をメインにしたのですよね。
その時に改めて素晴らしい音楽だと思ったし、これ以上の音楽はないと思った。
これまで「運命」で僕はどれだけノックアウトされたのだろうと思って。
小学校などで「運命」の第一楽章をよく演奏するのですけど、なんて音楽だと思うし、こちらも100%で弾くし、子供たちも分かると思う。
もちろんもっと分かりやすい曲、「カルメン前奏曲」とか「モルダウ」などもやりますけれど、「運命」の方がはるかに心を掴むという感じがしますね。

‐片桐

ベートーヴェンの交響曲というのは、あまりに有名すぎるからなのか、意外とオーケストラの定期演奏会でも演奏される機会が少ないですから、この3年間のツィクルスはその全曲を体験する貴重な機会になりますね。

‐矢部

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ベートーヴェンの音楽が今でも新しいということ。
生でコンサートに来て頂けると、大ホールでの演奏と違って、第一生命ホールでは演奏者との距離も近いので、演奏家の息づかいとか、一人一人が音楽に命を吹き込んでいる姿を見て頂けると思います。
その姿が、より音楽への感動を深めると思います。
「晴れオケ」は本当に素晴らしいオーケストラだと思うので、自分たちもベートーヴェンを提供するという感じではなく、みなさんと一緒にベートーヴェンを体験したい、その世界を駆け抜けたいと思います。

‐ありがとうございました。

【News!】
昨年11月11日(土)に行われた
トリトン晴れた海のオーケストラ 第3回演奏会の一部を
PrimeSeat でアンコール配信中!(→PrimeSeat はこちら

<トリトン晴れた海のオーケストラ 第4回演奏会 ベートーヴェン・チクルスⅠ>

■日時:2018年10月6日(土) 14:00開演
■出演: トリトン晴れた海のオーケストラ
【コンサートマスター】矢部達哉
【ヴァイオリン】双紙正哉 会田莉凡 小川響子 景澤恵子 塩田脩 直江智沙子 福崎雄也* 松浦奈々 三原久遠 渡邉ゆづき 
【ヴィオラ】篠﨑友美 瀧本麻衣子 福田道子 村田恵子
【チェロ】山本裕康 清水詩織 森山涼介
【コントラバス】吉田秀 佐野央子
【フルート】小池郁江 斎藤光晴
【オーボエ】広田智之 池田昭子
【クラリネット】三界秀実 糸井裕美子
【ファゴット】岡本正之 岩佐雅美
【ホルン】西條貴人 和田博史 濵地 宗
【トランペット】高橋敦 中山隆崇
【ティンパニ】岡田 全弘
■ベートーヴェン:
交響曲第1番 ハ長調Op.21
交響曲第3番 変ホ長調Op.55「英雄」
■S席¥6,000 A席¥5,500 B席¥3,500 ヤング¥1,500(小学生以上、25歳以下)
2公演セット券 S¥11,000( *12/1 第5回演奏会 ベートーヴェン・チクルスII )

公演情報はこちら

ヴァイオリニストの豊嶋泰嗣と矢部達哉、ヴィオリストの川本嘉子とチェリストの上村 昇という名手たちが集うアルティ弦楽四重奏団。 京都府立府民ホール"アルティ"のレジデント・クァルテットとして活動しているため、定期的に演奏を聴けるのは京都だけ......と残念に思っている方も多いはず。

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左から豊嶋泰嗣、矢部達哉(ヴァイオリン)、川本嘉子(ヴィオラ)、上村昇(チェロ)

そんなクァルテット好きの皆さまにうれしいニュース! この秋、アルティ弦楽四重奏団による、ブラームス弦楽四重奏曲第3番が、第一生命ホールで聴けます!

2年前(2016年9月)の第一生命ホールでの小山実稚恵さんとのピアノ五重奏曲(ブラームスとドヴォルザーク)のあまりのすばらしさに、すぐに今回(2018年)の共演が決定!

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9月30日(日)14:00開演の「小山実稚恵の室内楽~ブラームス、熱く深い想いをつなげて」と題した本公演では、小山実稚恵さんとの共演による名作シューマンのピアノ五重奏曲の前に、シューマンと縁の深いブラームスの弦楽四重奏曲第3番を、アルティ弦楽四重奏団が演奏します。

このブラームスはアルティ弦楽四重奏団が、昨年すでに京都府立府民ホール"アルティ"で演奏しているもの。その時のすばらしい公演レポートが写真とともに紹介されていますので、ぜひご覧ください!

「今回も美しいつややかな音色に、力強い響きが交錯し、どこまでも雄弁な音楽がお客様を至福の時間にいざなってくれました」公演レポートはこちら

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名手4人それぞれの特徴ある音色と音楽性、その4人がクァルテットとして溶け合う時のなんとも言えない魅力は、そのすばらしさを小山実稚恵さんもインタビューで語っていらっしゃいます! 「音楽的にもギリギリのところを攻めながら、クァルテットとして絶妙のバランスを保っているのです。本当に圧倒的なチームだと思います」インタビューはこちら

2年前のブラームス、ドヴォルザークに続き小山実稚恵さんとの名演が期待されるシューマンのピアノ五重奏曲のみならず、アルティ弦楽四重奏団の弦楽四重奏曲を東京で聴けるめったにないチャンス、ぜひお聴き逃しなく!

=公演情報=小山実稚恵の室内楽 第1回ピアノ五重奏 アルティ弦楽四重奏団とともに 【日時】2018年9月30日(日)14:00開演 【出演】 <style="padding-left:2em"> 小山実稚恵(ピアノ) アルティ弦楽四重奏団 [豊嶋泰嗣/矢部達哉(ヴァイオリン)、川本嘉子(ヴィオラ)、上村昇(チェロ)] 【演奏プログラム】 <style="padding-left:2em"> ブラームス:弦楽四重奏曲第3番変ロ長調Op.67 シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44 【入場料(全席指定)】 <style="padding-left:2em"> S席¥5,000 A席¥4,500 B席¥3,500 ヤング¥1,500(小学生以上、25歳以下) <style="padding-left:2em"> 2公演セット券S¥9,000

公演の詳細はこちら

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ベートーヴェンが生きていた時代は、王さまや貴族がとてもえらくて、平民である音楽家はめしつかい、王さまや貴族のために音楽を書くことが、音楽家の仕事でした。そんな時代にベートーヴェンは、貴族を喜ばせるためだけの音楽ではなく、芸術とは何かを考えて自分が書きたい音楽を書き、貴族とも友だちとしてつきあいました。

でも、時代は少しずつ変わっていきました。フランスでは革命がはじまり、ベートーヴェンが22さいのころには、王さまと王妃マリー・アントワネットが処刑されてしまいます。その後フランスでは平民出身のナポレオン(・ボナパルト)がヨーロッパの国々を相手に戦争をして勝ち進みました。ナポレオンに感動したベートーヴェンは、32さいのころつくっていた交響曲第3番に「ボナパルト」という名前をつけて捧げようとします。ところがナポレオンが皇帝になったことで、がっかりしたベートーヴェンは、その表紙をペンで消して、やぶってしまいました。

新しく「英雄(エロイカ)」という名前をつけられたこの交響曲第3番は、その名のとおり堂々として魅力的で、今もたくさんの人々に愛されています。 「トリトン晴れた海のオーケストラ(晴れオケ)」は10月6日に、この「英雄」を第一生命ホールで演奏します。詳しくはこちら

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
 1770年ドイツのボン生まれ。小さいころに父からピアノを習い始めます。オーストリアのウィーンに住み、9曲の交響曲をはじめ、32曲のピアノ・ソナタ、16曲の弦楽四重奏曲など、数多くの優れた曲を残しました。

※これまでの記事はこちら

トリトンアーツ通信vol.173(2018年9月号)の記事を再掲しました

コンサートマスター矢部達哉のもとに集ったメンバーで、指揮者を置かず、室内楽の延長のような、自発的で研ぎ澄まされたアンサンブルを特徴とする『トリトン晴れた海のオーケストラ(晴れオケ)』。

ベートーヴェン生誕250年にあたる2020年に向け、今年10月6日を皮切りに3年に渡ってベートーヴェン交響曲全曲演奏会(全5回)を開催します。

コンサートマスター矢部達哉さんのインタビュー、第3回目です。
(聞き手:片桐 卓也)

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‐片桐

ベートーヴェンを演奏する時も、きちっと縦を合わせるのではなく、
みんなの感覚を信じて演奏するという感じですか?

‐矢部 

そう思います。
変わって来たのか、あるいは自分で変えようとしてきたのかは分からないのですが。

昔、CDみたいな演奏が好きだった時代があるのですよ。
僕が公言していたのは、セル&クリーヴランド管弦楽団の演奏が好きとか。
でも、いまセル&クリーヴランドを聞くと、作り物みたいに聴こえる時がある。
それよりももっと人間の生の声というか、
人間の弱さとかが出ているほうが好きという場合もあるのですよね。

人間がそんなに完璧な訳ないし、
ベートーヴェンこそ人間の生の感情を
楽譜に初めて託せた人なんじゃないかと思っています。

初めて出た「神の使い」じゃない人、
西洋音楽史のなかで。

バッハとかモーツァルトって、神の使いのような存在です。
モーツァルトの楽譜みると、こんなにすかすかで音符が少ないのに、
演奏すると信じられないような音がしますよね。
クラリネット協奏曲とか。
こんなこと、普通の人間が出来る訳がない、と。

でもベートーヴェンはまったく普通の人間。
信じられないような才能の持ち主だけど、
人間がんばればここまで出来るのだねという人。
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‐片桐

ベートーヴェンが人間の感情を楽譜に託せた人っていうのは良い表現ですね。

‐矢部

時代の寵児という感じもしますよね。_0KU8954(C)大窪道治copy.jpg

市民の意識が変わって来た時代と、フランス革命とか、
市民革命に密接に関係した時代に生きていた。
「運命」とか「第九」とかで、ピッコロの音を聞くと、
例えばベルリオーズの「幻想交響曲」でも同じですけれど、
市民の喜んでいる感じが聴こえる感じがするのですよね。

実際に「第九」と「幻想交響曲」とは作曲年代がほとんど変わらないし。

‐片桐

なるほど。そうした想いがこの「晴れオケ」の演奏の中に出て来ると面白いですね。

‐矢部

いろいろコンサートマスターが管理して、
急がない、遅れないではなくて、
一人一人の奏者が、思いをぶつける。

そこで枠から外れた時とか、たがが外れた時に、
もう少しこうしない? というのが
コンサートマスターのやる役割かなと思っています。

コンサートマスターにもツボがあって、
今までは自分で、ここをリードして、
指揮者と合わせて大きく見せればみんな付いて来ると思っていたのだけど、
ギアというのか、ツボっていうのか分からないのですが、そういうものがあって、
小さな動きでもオーケストラに分かってもらえる。
それは経験を積まないと分からない部分かもしれませんが。

ヴァイオリンが上手な人、
チェロも上手い人がたくさんいると思いますけれど、
オーケストラの難しさとは、上手な人がそこに座れば
上手く行くのかというと、そうじゃないという部分。
色々な人と長年やってきて、そこでつかめるものがあるのかなというのは、
なんとなく、この30年とかで分かって来たところ。
それを、みんなで分かち合う場所がこの「晴れオケ」だと思います。

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‐片桐

矢部さんのそうした思いの変化と、このオーケストラの結成のタイミングというのが合っていたのでしょうね。

‐矢部

それはもう神様のご褒美ですよね。
いまのこのご時世、新しくオケ、え、ほんと? 
と思ったのですけれど、やらせて頂いて、自分が思っていたよりも、
最初に音を出した時に、想像以上に筋がいいなと思った。
筋が良いというのを超えて、自分の想像力を超えたところにこのオケの演奏あって、
だから、ほんとに楽しみ。
自分の人生のご褒美という感じがします。


ーインタビュー その4へつづく

トリトン晴れた海のオーケストラ 第4回演奏会

ベートーヴェン・チクルスⅠ

■日時:2018年10月6日(土) 14:00開演
■出演: トリトン晴れた海のオーケストラ
【コンサートマスター】矢部達哉
【ヴァイオリン】双紙正哉 会田莉凡 小川響子 景澤恵子 塩田脩 直江智沙子 福崎雄也* 松浦奈々 三原久遠 渡邉ゆづき 
【ヴィオラ】篠﨑友美 瀧本麻衣子 福田道子 村田恵子
【チェロ】山本裕康 清水詩織 森山涼介
【コントラバス】吉田秀 佐野央子
【フルート】小池郁江 斎藤光晴
【オーボエ】広田智之 池田昭子
【クラリネット】三界秀実 糸井裕美子
【ファゴット】岡本正之 岩佐雅美
【ホルン】西條貴人 和田博史 濵地 宗
【トランペット】高橋敦 中山隆崇
【ティンパニ】岡田 全弘
■ベートーヴェン:
交響曲第1番 ハ長調Op.21
交響曲第3番 変ホ長調Op.55「英雄」
■S席¥6,000 A席¥5,500 B席¥3,500 ヤング¥1,500(小学生以上、25歳以下)
2公演セット券 S¥11,000( *12/1 第5回演奏会 ベートーヴェン・チクルスII )

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