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小学生のための「ベートーヴェンってどんな人?」第14回(最終回)

2022年12月6日

「ベートーヴェンの最期(さいご)Beethoven_image1.jpg

ベートーヴェンはウィーンで引っ越しばかりしていたというお話は前にしましたが、55歳で最後にうつり住んだ家は「黒いスペイン館」と呼ばれる建物です。近くには、生まれ故郷ボンからの親友シュテファン・フォン・ブロイニング一家のおやしきもあり、また親しいおつきあいが始まりました。シュテファンの姉のエレオノーレ(ベートーヴェンの初恋の人)と、その夫でお医者さんのヴェーゲラー(ベートーヴェンが手紙で最初に耳が悪いことを打ち明けた親友)とも、この頃、手紙のやりとりが復活しています。

さて前回のお話で、甥カールと滞在していた弟ヨハンの家から、急にウィーンに戻ることにしたベートーヴェン。12月のとても寒い日に牛乳を運ぶ屋根なしの馬車にゆられて旅をしたことで、ひどい風邪をひいてしまいます。「黒いスペイン館」に戻って寝こんでしまったベートーヴェンのもとに、シュテファンや弟ヨハン、そしてむかしの弟子シントラ―がかけつけて交替でお世話をしました。たくさんの友達や作曲家がおみまいにきました。甥のカールは、軍隊としての仕事につくために遠くに行かなくてはいけなかったのですが、愛情のこもった手紙を書いています。ベートーヴェンが好きなヘンデルの楽譜やワインをおくってくれた友達もいました。でもとうとう3月26日、ベートーヴェンは56さいで息をひきとりました。お葬式には、何千人もの人が集まって列をつくったそうです。

* * *

「ベートーヴェンと友達になってくださいね」という言葉ではじめた連載でしたが、どうでしたか。恋人にも、家族にも、友だちにも愛情がいっぱいで、おこりっぽいところもあって、おつきあいするのは大変そうですけど、けんかをしても仲なおりした友達がたくさんいたところを見ると、きっと愛すべき人だったのですね。その音楽のすばらしさは、きっと人間ベートーヴェンの魅力とも関係があって、今でも私たちをひきつけるのでしょう。

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
 1770年ドイツのボン生まれ。小さいころに父からピアノを習い始めます。オーストリアのウィーンに住み、9曲の交響曲をはじめ、32曲のピアノ・ソナタ、16曲の弦楽四重奏曲など、数多くの優れた曲を残しています。

※これまでの「ベートーヴェンってどんな人?」記事はこちら

トリトンアーツ通信vol.213(2022年10月号)の記事を再掲しました

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