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「蝶々夫人」に向けて
佐藤美枝子インタビュー

2021年3月17日

第一生命ホールで3月20日に行う「室内楽ホールdeオペラ~佐藤美枝子のオペラ『蝶々夫人』」に向けて、音楽ライター宮本明さんが「ぶらあぼ」に記事を書いてくださるにあたり、佐藤美枝子さんにメールで質問をお送りし、お答えいただきました。(「ぶらあぼ」記事はこちら

紙面の都合上、残念ながら掲載しきれなかった佐藤美枝子さんのお答えを、こちらでご紹介いたします!

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佐藤美枝子(c)武藤章

ー抜粋によって、「あらすじ」ではなく、プッチーニの「音楽」そのものがクローズアップされるとも言えると思いますが、プッチーニの『蝶々夫人』の音楽の魅力はどんなところにあるとお考えですか? ピアノ伴奏によって浮かび上がる魅力がありますでしょうか。

佐藤:今回の公演は、服部容子音楽監督により、蝶々さんの心情をより深くお客様の心へ刻んでいただく為に必要な人物のみがピックアップされ、凝縮されたものとなっています。

オペラ一本をご覧頂くものと同様の醍醐味を味わっていただけるものと思います。

ピアノ伴奏で、舞台もシンプルにすることにより、歌い手の中にある登場人物の内面を詳らかにできると思います。このシンプルさは、空間を如何様にも使える歌手達の技量を問われることにもなりますが、それによってお客様の五感と想像力が増し、より集中して楽しんでいただけるのではないかと考えています。

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稽古の様子

ーこれまで中心的に取り組んできたベルカントのレパートリーとは、必要とされる表現が異なる部分も少なくないと思います。特に終幕へ向かっての、よりドラマティックな表現がどうなるのかに注目するファンも多いと思います。佐藤さんの蝶々さんは、どんな蝶々さんになるのでしょうか?

佐藤:ベルカントオペラのように母音唱法でレガートに歌うことを念頭に置きながら、会話で音楽を繋いでいくように作り上げる感覚とでも申し上げておけばお分かりいただけるのかなと思います。プッチーニを歌う為には、言葉の立たせ方、感情の入れ方はより現実的、三次元的ということでしょうか。

可憐な少女である事は確かですが、彼女は稀に見るほど芯の強い女性です。それは、改宗や自死にも表されているといえます。一幕からその強さは見え隠れはするものの、その後、その強さは彼女の感情から言葉、そして最後に行動として現われる、凄みさえ感じる登場人物だと捉えています。

いよいよ公演間近、残席もわずかです。可憐で芯の強い、佐藤美枝子さんの初役「蝶々夫人」をどうぞお見逃しなく!

音楽評論家・室田尚子さんによる、佐藤美枝子さんと服部容子さん(音楽監督・ピアノ)のインタビューはこちら

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佐藤美枝子のオペラ「蝶々夫人」

■日時:2021年3月20日(土) 14:00開演
■会場:第一生命ホール
■出演
 佐藤美枝子(蝶々夫人)
 井ノ上了吏(ピンカートン)
 与田朝子(スズキ)
 久保田真澄(シャープレス)
 服部容子(音楽監督・ピアノ)
 中村敬一(演出)
 山本郁子(語り)
■曲目
プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」より(字幕付き)

詳細は こちら

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