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とりさん と トンちゃん ~アンサンブルってなあに? Op.5-3
≪管楽器の音を出すコツ~長い息の秘密 アンサンブル・ミクスト インタビュー③≫ の巻

2021年8月4日

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8月25日に第一生命ホールである木管五重奏のコンサートを一緒に聴きに行くことにした、とりさんとトンちゃん。出演者のアンサンブル・ミクストの皆さんへのインタビューに同席中です。

≪息ぴったり! アンサンブルの秘訣 アンサンブル・ミクスト インタビュー②≫はこちら

≪吹奏楽でおなじみの楽器も! 木管五重奏って? アンサンブル・ミクスト インタビュー①≫はこちら

トリトンアーツ:管楽器は息を吹いて音を出す楽器なので、長く音をのばすときとか、息継ぎが大変そうですね。

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尾上昌弘(クラリネット):人間なので息継ぎは必要ですし、息を長くもたせるにしても限りがありますよね。自分の息をいかに無駄なく音に出来るのか、長年訓練を積んでコントロールしています。
クラリネットは息を吹き込む入口があまり広くないので(マウスピースにリードという葦(あし)で出来た板をつけたところに息を吹き込んで振動させ、その振動を楽器本体に伝え、筒の中で共鳴させる)比較的息が持つのですけれど・・・その点、フルートは大変そうです。

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梶川真歩(フルート):フルートはエアリードといって、空気そのものを振動させて音を出します(楽器の頭の方にある唄口という穴の断面に息を吹き当てて、空気の渦を発生させることで空気を振動させます)。
吹いた息が全て楽器の外に出て行ってしまうので、すごく息を使わなければならない楽器と思われがちですが、(唄口の断面の)一番効率よく音が鳴る場所を見つけてピンポイントで息を吹き当てると、息を無駄遣いすることなく、長く持たせることができます。初心者の人は広い範囲に息をあててしまいがちですね。

参考サイト:管楽器徹底解剖! フルート編(島村楽器ブログのリンク)
https://www.shimablo.com/blog/oodaka/2018/01/25/83

それでも息は消費すればなくなってゆくものです。
私は師匠から「ジョギングしたり、プールに行ったりして、肺をきたえるトレーニングをしなさい」とアドバイスされました。
それから、現代の演奏法として循環(じゅんかん)呼吸というものもあります。これは、口から空気を出すと同時に鼻から息を吸って息を長くコントロールする技です。

ちなみに、ダブルリード(向かい合わせに重ねた2枚の板のすき間に息を吹き込んで振動させる)のオーボエやファゴットはすごく狭いところに息を入れるので、息が余る楽器です。
歴代の作曲家もそのことをよく知っているので、オーボエやファゴットのために書かれたフレーズ(息継ぎなしで演奏するメロディ)は長いですね。

参考サイト:オーボエのしくみ(YAMAHA 楽器解体全書のリンク)
https://www.yamaha.com/ja/musical_instrument_guide/oboe/mechanism/

*  *  *

トンちゃん:音って振動でできているんだね! 僕、管楽器って、筒やホースの中、端から端まで全部に息を通していると勘違いしていたよ・・・

とりさん:息は、音の震源となるリードやマウスピースなどをブルブルふるわせるために吹いていて、その振動を長い管で共鳴させているんだよ。
ただ息を吹けばよいのではなく、音が出る仕組みを理解した上で訓練を重ねて、コツをつかむことが大事みたいだね。

つづく(インタビュー④へ)

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雄大と行く 昼の音楽さんぽ 第26回
アンサンブル・ミクスト(木管五重奏)

■日時:2021年8月25日(水)11:15開演
■会場:第一生命ホール
■出演アンサンブル・ミクスト(木管五重奏)
[梶川真歩(フルート) 本多啓佑(オーボエ)  尾上昌弘(クラリネット) 嵯峨郁恵(ホルン) 中田小弥香(ファゴット)]
山野雄大(プレトーク、音楽ライター)
■曲目
ロッシーニ:歌劇≪セビリアの理髪師≫ 序曲
イベール:3つの小品
モーツァルト:きらきら星変奏曲 K265 (フランスの歌「ああ、お母さん聞いて」による12の変奏曲)
ヒンデミット:小室内楽曲 Op. 24-2

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