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「クラシック音楽講座~ブラームスがお好き!」レポート その3

2016年3月14日
「室内楽の魅力~ブラームス」シリーズ、竹澤恭子によるブラームスのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会が、3月19日(土)と近づいてまいりました。
トリトン・アーツ・ネットワークがシリーズ開始に先駆けて実施した、昨年秋の中央区民カレッジ講座「楽器体験つきで楽しむクラシック音楽講座~ブラームスがお好き!」(全4回)。
楽しいお話で毎度おなじみ、昭和音楽大学教授の有田栄先生の講義から、ブラームスをより楽しむためのポイントを何回かに分けてレポートいたします!
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いつも楽しい講義をきかせて下さる有田栄先生!
第2回の講座のテーマは「ブラームスと弦楽器」。
いよいよ、竹澤恭子ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会に向かって、ヴァイオリン・ソナタをはじめとした、ブラームスの器楽曲(ソナタ)についてのお話。
話は声楽曲と器楽曲の発生の違いから、様々な変遷を経て、この2つのジャンルがロマン派の時代に向かって融合していき新しい音楽ができるまでの歴史の話で講義が始まりました。
デュオ・ソナタの前身である、バロック時代のトリオ・ソナタについて、「トリオと言えば『てんぷくトリオ』など3人だと思いますよね、違うんです!」と先生(一同爆笑)。
トリオ・ソナタは、3つの楽器で演奏するという意味ではなく、音楽のパートが3つということだそう。
さらにブラームスが友情を育んだエドゥアルト・レメーニとヨーゼフ・ヨアヒムといった音楽家がハンガリー人であること、ブラームスの音楽の中には有名なハンガリー舞曲など魅力的なハンガリー風の音楽があるのはなぜか、当時の世界情勢に触れながら説明されました。(ブラームスの故郷北ドイツの港町ハンブルクには、独立に失敗してアメリカに亡命しようとするハンガリー人が滞在していたからなんですね...!)
そしてブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番の録音を聴きながら、「ソナタ形式」を解説。
有田先生の説明だと、難しい音楽の話も、すっと頭に入ってくるから不思議です!
ここで、ぜひこのブログをお読みの皆さまも、講座で聴いたヴァイオリン・ソナタ第1番第1楽章をお聴きください。
↓■■下記リンクからお聴きいただけます!■■↓
ナクソス・ミュージック・ライブラリー
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番(パールマン/アシュケナージ)
この録音で3分30秒くらいまでが、ソナタ形式で言う「提示部」。ここで魅力的なメロディーが2つ紹介されます。
3分30秒過ぎからが「展開部」、最初のメロディーが展開していき、長調になったり短調になったり、様々に曲調が変化します。
6分45分あたりからが「再現部」で、最初の同じメロディーが戻ってきます。
先生はこのソナタ形式を「今日のお料理」に例えて、
最初に「今日はお肉と人参です...」と材料を紹介するのが「提示部」、
それを鍋に入れてかきまぜて調理するのが「展開部」、
そして、「こんなお料理ができました」が「再現部」と説明。
先生、わ、分かりやすいです......。そして確かに、音楽を聴く時こうした「型」に注目して聴くのも、聴き方の手掛かりになりますね。
それにしても、このヴァイオリン・ソナタ第1番の最初のメロディーのなんと魅力的なこと。
これは西洋音楽の歴史の中で、器楽曲が、ロマン派の時代までに、歌のように言葉を入れることなしに感情を伝えられるように発展しており、そのノウハウがこのメロディーに詰め込まれているからなのだそうです。
今回のレクチャーも本当に面白く、竹澤恭子さんによるブラームスのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏がますます楽しみになりました。
皆さまも、ぜひ生でお聴きください。
(たな)
〈ウィークエンド・コンサート〉
室内楽の魅力
ブラームス第2回~音楽家たちとの友情I
2016年3月19日(土)14:00
◆出演:竹澤恭子(ヴァイオリン) エドアルド・ストラッビオリ(ピアノ) 
◆演奏プログラム
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ
第1番 ト長調 Op.78「雨の歌」/第2番 イ長調 Op.100/第3番 ニ短調 Op.108
◆料金
S席5,000円 A席4,500円 B席3,500円 ヤング1,500円(25歳以下)
◆チケットのご予約・お問い合わせ
トリトンアーツ・チケットデスク
TEL:03-3532-5702(平日11:00~18:00)
公演詳細は こちら
竹澤恭子のインタビューは こちら
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