お昼の時間帯に一流演奏家のみなさんをお迎えして、クラシック音楽をもっと身近に楽しんでいただこうというこのシリーズ「昼の音楽さんぽ」。
2015年10月に、今最も輝くソプラノ歌手・小林沙羅さんが登場します!
コンサートのご案内役である山野雄大さんによる、小林さんのインタビューを連載中です!
<前回までのインタビュー>
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日本人が良く知る古典的名作≪からたちの花≫はもちろん、新作である≪智恵子抄≫より≪或る夜のこころ≫や、小道具を使った舞台上での演出が楽しい≪あんこまパン≫もお楽しみに!
山野:日本歌曲では、日本の言葉の世界に音楽が広がり、聴き手の方も近しく感じていただけるのではと思いますが。
小林:今回、いろいろ面白い曲を選びました。≪からたちの花≫はずっと歌ってきていますが、これを本当によく歌うというのは、技術的にも、表現の上でもとても難しくて、いつも歌うたびに新たな挑戦だと感じています。
日本語の言葉と音楽が本当に密接につながっている曲で、しゃべるように歌う、でもしゃべるだけではダメで歌の中に表現を込めなければならない。言葉をいかに美しく音楽にするか常に試される、むずかしい作品なのです。
山野:今回は、生まれて間もない、出来立ての新しい作品も歌っていただきます。
小林:≪智恵子抄≫より≪或る夜のこころ≫は、藝大の同級生であり、学生時代からVOICE SPACE(詩と音楽のコラボレーション集団)でご一緒している作曲家、中村裕美さんの曲です。出来たての作品で、去年の秋に福島の裏磐梯で初演しました。
≪智恵子抄≫の、高村光太郎さんと智恵子さんは福島の方なので、ぜひというお話をいただいて、では新作をつくりましょうということになりました。朗読と一緒にこの曲を歌ったのです。オペラ・アリアのようにしゃべりと歌がおもしろい具合に混ざった曲で、大好きな作品です。
東京では初めて演奏しますので、ぜひ皆さんに聴いていただきたいなと思っています。
初演はギターの荘村清志さんと一緒に、ピアノとギターと歌とで演奏したのですが、今回はピアノと歌のバージョンに作曲の中村さんが書き換えてくれています。
山野:中村さんはどのようなタイプの作曲家なのでしょうか?
小林:中村さんは詩を本当に大事に考えていて、作曲する時に詩を何百回と読むのです。その詩からもらったリズムとか、イメージ・・・そういうものを全部曲の中に入れ込むので、歌っていて違和感が全くないのですよ。「あっ、ここでこういうメロディーが出てくるのか、それはよくわかるな」というような、詩との結びつきがとても自然な作品を作曲されます。
山野:最近生まれた曲と言えば伊藤康英さん作曲≪あんこまパン≫も。
小林:≪あんこまパン≫の作詞をされた林望先生が書かれた≪MABOROSI ~オペラ源氏物語~≫という舞台で、紫の上を演じさせていただいた時に、林先生に「今度東京でコンサートがあるので、その時にも歌わせていただきます。」とお話したら、すごく喜んで下さって。あんこまパンを料理するレシピが歌になった面白い曲で、お客さまも一緒に楽しめる作品です。演出を入れつつ楽しく演りたいなと思っています。
山野:≪あんこまパン≫の舞台で何が行われるのか・・・・・・全てをお伝えしてしまうと当日のお楽しみが無くなってしまうので、ぜひ会場で(笑)。
(つづく)
この続きは、9月1日(火)に当ブログへ更新予定!
次回の連載もお楽しみに!
(スタッフ・みや)
雄大と行く 昼の音楽さんぽ
第3回 小林沙羅 麗しきソプラノの旅
日時:2015年10月6日(火) 11:00 開演(12:30終演予定)
会場:第一生命ホール
出演:小林沙羅(ソプラノ) 河野紘子(ピアノ) 山野雄大(ご案内)
料金:■一般¥2,000 ■2公演(第3・4回)セット券¥3,000
■お友だち割¥1,500(同一公演3枚以上で1枚あたり)
*2公演セット券は「第4回 福川伸陽&三浦友理枝 ホルンとピアノの万華鏡」(12月15日(火))とのセットです。