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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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公演情報

ライフサイクルコンサート 雄大と行く 昼の音楽さんぽ
©Hitoshi Iwakiri

第3回 小林沙羅 麗しきソプラノの旅

美しい声につつまれて‥‥心の旅はるか
ドイツの浪漫、優しき日本、麗しのイタリアへ!



本物のクラシック音楽をもっと身近に!
わかりやすいお話と共にもっと楽しく!
一流演奏家による珠玉の90分♪
音楽ライターの山野雄大によるご案内でお届けします。

昼の音楽さんぽがリニューアル!
11:00開演、お話つきの90分♪(休憩なし)

基本情報

日時 2015年10月6日(火) 11:00 開演(12:30終演予定)
会場 第一生命ホール
[座席図:第一生命ホール ウェブサイト
出演 小林沙羅(ソプラノ) 河野紘子(ピアノ) 山野雄大(ご案内)
曲目 ドイツの浪漫~ドイツ歌曲
シューマン:おお紳士の皆様/ズライカの歌/ことづて
R. シュトラウス:万霊節/ツェチーリエ

優しき日本~日本歌曲
山田耕筰:からたちの花
本居長世:白月
中村裕美:「智恵子抄」より「或る夜のこころ」
伊藤康英:あんこまパン

麗しのイタリアへ!~イタリア歌曲からオペラ・アリアまで
ベッリーニ:優雅な月よ
トスティ:薔薇
マスカーニ:月
ドニゼッティ:歌劇≪連隊の娘≫より「さようなら」
       歌劇≪ドン・パスクアーレ≫より「騎士はあの眼差しを」

※当日プログラムの曲目解説は こちら

<アンコール>
小林沙羅:えがおの花
チケット

一般¥2,000
お友だち割¥1,500(同一公演3枚以上を同時購入の場合、1枚あたり)
2公演(第3・4回)セット券¥3,000  第4回の詳細は こちら

一般発売:2015年6月16日(火)(発売初日のみ10:00~受付開始)

【チケットお取扱】
トリトンアーツ・チケットデスク 
TEL:03-3532-5702(平日11:00~18:00)

チケットぴあ http://pia.jp/ ※PC/携帯/スマートフォン共通
セブン-イレブン、サークルK・サンクス、チケットぴあ店舗

TEL:0570-02-9999〔Pコード:263-288〕(一般券のみ取扱い)

東京文化会館チケットサービス(一般券のみ取扱い)
TEL:03-5685-0650(10:00~19:00/休館日を除く)

※全席指定/税込み
※未就学児の入場はご遠慮頂いております。
※お友だち割はトリトンアーツ・チケットデスクにてお電話のみの取扱い。
※2公演セット券は「第4回 福川伸陽&三浦友理枝 ホルンとピアノの万華鏡」(12月15日(火))とのセットです。
※やむを得ず、演奏曲目、曲順、出演者が変更になる場合がございます。予めご了承下さい。

プロフィール

小林沙羅  Kobayashi Sara  (ソプラノ)
東京藝術大学卒業、同大学院修了。2011年度文化庁新進芸術家在外研修員。2014年度ロームミュージックファンデーション奨学生。ウィーンとローマにて研鑽を積む。『こうもり』アデーレ、『トゥーランドット』リュー、『ヘンゼルとグレーテル』グレーテル、千住明作曲『万葉集』(初演)、三枝成彰作曲『KAMIKAZE』(初演)等に出演。ヘンデル「メサイア」、ハイドン「天地創造」、フォーレ「レクイエム」、マーラー「交響曲第4番」等ソリストとしても活躍。2012年ソフィア国立歌劇場『ジャンニ・スキッキ』ラウレッタ役で欧州デビュー、『愛の妙薬』プレミエ公演にアディーナ役で出演等、海外へも活動の幅を広げている。
オフィシャル・ウェブサイト http://sarakobayashi.com
©Hitoshi Iwakiri
河野紘子  Kohno Hiroko  (ピアノ)
桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学を経て同大学研究科を修了。ソロだけではなく、在学中より伴奏やアンサンブルにも力を入れており、特に声楽の分野ではメゾソプラノの波多野睦美氏をはじめ、共演者からの信頼も厚い。これまでに桐朋学園大学声楽科嘱託演奏員や二期会オペラ研修所ピアニストとして勤務。またフジテレビで放映されたドラマ「のだめカンタービレ」の主人公(上野樹里)の手・音の吹き替え、現場での指導を担当するなど、活動の幅を広げている。
オフィシャル・ウェブサイト http://www.hirokokohno.com
山野雄大  Yamano Takehiro  (ご案内/音楽ライター)
1971年東京生まれ。『音楽の友』『レコード芸術』『バンドジャーナル』などの音楽誌への連載、演奏会プログラムへの定期寄稿をはじめ、オーケストラやバレエの取材・撮影、CDの企画・ライナーノート執筆を多数手がける。NHK-FM《オペラ・ファンタスティカ》など放送出演も。
©堀田正矩

山野雄大によるおすすめポイント♪

素敵な笑顔と、輝く美声と!歌の魅力に包まれる幸せを
10月は歌の花束を──美声でホールを包む小林沙羅さんをお迎えします。チャーミングな微笑とドラマティックな表現力と‥‥その生き生きと素敵なお人柄に、舞台で磨かれた豊かな歌唱の魅力、お昼のひとときに、歌の凄さをぎゅっと詰めた贅沢なプログラムを愉しいトークとともに満喫していただきます!

ドイツの詩情、和のこころ、そしてイタリアの華麗を存分に!
詩情あふれるシューマンやR・シュトラウスに聴くドイツ歌曲の真髄、イタリア歌曲やオペラ・アリアで味わう歌唱芸術の緻密と迫力!そして言葉の繊細な柔らかさを味わう日本歌曲も‥‥《からたちの花》から最近の快作《あんこまパン》(小道具も登場!?)まで存分に。それぞれの歌の世界へ一瞬で惹き込んでみせる変幻自在──お楽しみに!

PROGRAM NOTES

 《昼の音楽さんぽ》へようこそおいでくださいました。お昼のひととき、木のホールに響く美麗な音楽と愉しいお話と‥‥音楽の森を散歩しながら、心ゆたかにお過ごしください!
 本日ご登場いただくのは、美声とチャーミングな笑顔、そしてドラマティックな表現力で人気ますます上昇中のソプラノ歌手、小林沙羅さんです。どんな優れた楽器も理想として目指すのは〈声〉といわれるほど、歌の表現力の豊かさ・奥深さは汲んでも尽きぬほど。今日はその魅力を存分に味わっていただきます。ドイツに育ち、かの地はもちろんイタリアでも学ぶ小林さん──歌と言葉を深く知る人ならではの絶妙な選曲、最後までたっぷりご堪能ください。


シューマン:おお紳士の皆様
 まずは素敵なご挨拶。歌詞をお読みいただきますと、美しく歌うナイチンゲール(夜鳴きうぐいす)が皆さまに呼びかけるこの曲、始まりにふさわしい洒落た選曲とお察しいただけましょう!ロベルト・シューマン(1810~56)が、愛妻クララと共作した歌曲集〈リュッケルトの《愛の春》より12の詩〉作品37(1841年作曲)の第3曲です。詩人フリードリヒ・リュッケルト(1788~1866)の作品にはシューベルトなど多くの作曲家が作曲しています。

シューマン:ズライカの歌
 シューマンが結婚式の前日、愛するクララに贈った歌曲集《ミルテの花》作品25(1840年)から第9曲です。ミルテ(和名〈銀梅花〉)とは、花嫁のベールに純潔の象徴としてつけられる純白の花。シューマンはこの曲を文豪ゲーテ(1749~1832)の詩だと信じて作曲したのですが(ズライカとはゲーテの詩に登場する恋人の、東方風の呼び名なのです)、実はゲーテが晩年に恋したマリアンネ・フォン・ヴィレマー(1784~1860)の作品だとか。

シューマン:ことづて
 なかなか逢えない恋人へ心あふれて‥‥鳩や月まで急かしてみせるこの曲、〈リートと歌 第3集〉作品77から第5曲(1850年)は、クリスチャン・レグリュ(生没年不詳)の詩による隠れた名作。詩と音楽を深く融けあわせたシューマンの卓抜、3曲で深く伝わることかと。

R. シュトラウス:万霊節
 オペラの巨匠リヒャルト・シュトラウス(1864~1949)は天才的な歌曲も数多く残しています。オーストリアの詩人ヘルマン・フォン・ギルム(1812~1864)の詩によるこの作品(〈8つの歌曲〉作品10より第8曲/1882~83年)、今は亡き恋人への想い‥‥苦悩と愛とがほとばしる絶品です(〈万霊節〉は死者の魂に祈りを捧げる日)。

R. シュトラウス:ツェチーリエ
 この情熱的な愛情表現!〈4つの歌曲〉作品27より第2曲(1894年)は、ハインリヒ・ハールト(1855~1906)の詩による傑作です。ちなみに、作曲家がこの曲を書いた年に結婚した愛妻パウリーネもソプラノ歌手でした。

山田耕筰:からたちの花
 春先に白い花を咲かせるカラタチ(ミカン科)。詩人・北原白秋(1885~1942)が故郷・福岡県柳川の風景を想い書いた詩に、作曲家・山田耕筰(1886~1965)も自らの幼時を重ねて作曲しました(1925年)。詩にメロディの抑揚も合わせながら拍子を自在に行き来し、歌詞に合わせて微妙に音の一部を変えてゆくのも見事‥‥。

本居長世:白月
 《七つの子》や《赤い靴》などせつない童謡を残した本居長世(1885~1945)、自身も淋しい幼年時代をおくったとも伝えられていますが、三木露風(1889~1964)の詩によるこの《白月》(1921年)でも、白々と照る秋の月あかり、想いは広がり‥‥

中村裕美:「智恵子抄」より「或る夜のこころ」
 小林沙羅さんは詩と音楽のコラボレーション集団〈ヴォイススペース〉で日本の詩による新作を世におくっています。中村裕美さんはそのグループで活動を共にする作曲家でピアニスト。高村光太郎(1883~1956)の名詩集『智恵子抄』から作曲された、昨年秋に初演されたばかりの新曲です。

伊藤康英:あんこまパン
 歌曲やオペラ、吹奏楽など広く活躍する作曲家・伊藤康英さんが書いたこの曲、第1楽章《信じてくれないだろうなぁ、》、第2楽章《〔材料〕》、第3楽章《サンドイッチ用のパンに》という各曲のタイトルから笑ってしまいますけれど、作家・林望さんの考案した〈あんこまパン〉のレシピを記したエッセイ(『音の晩餐』[集英社文庫])をそのまま歌曲にしてしまった前代未聞の名作。いやはや凄いですね‥‥

ベッリーニ:優雅な月よ
 本日はドイツ・日本・イタリア‥‥とそれぞれ〈月〉の歌が配されていますが、《夢遊病の女》《清教徒》など名オペラを生んだヴィンチェンツォ・ベッリーニ(1801~35)の有名なこの歌(作詞者不明)でも、月の光は熱い愛を照らしています。

トスティ:薔薇
 色褪せた薔薇の花、愛の記憶‥‥フランチェスコ・パオロ・トスティ(1846~1916)は、オペラの国にあって歌曲で成功を収めたひと。甘やかなメロディと豊かな抒情あふれるその魅力は、ロッコ・エマヌエーレ・パリアーラ(1856~1914)作詞によるこの《薔薇》(1885年)からも薫りたつでしょう。

マスカーニ:月
 月は花のように美しい少女の心‥‥ピエトロ・マスカーニ(1863~1945)は、オペラ《カヴァレリア・ルスティカーナ》で大成功。《月》はこのオペラの台本を共作した詩人グィド・メナッシ(1867~1925)の詩による歌曲です(1912年)。

ドニゼッティ:歌劇≪連隊の娘≫より「さようなら」
 ガエターノ・ドニゼッティ(1797~1848)は、生涯に67ものオペラを書いた人気作曲家。まずはスイスはチロル地方を舞台にした《連隊の娘》(1839年)のアリアを。赤ん坊の頃に戦場で拾われ、連隊で育てられた美しいマリー、今は酒保の人気娘である彼女はスイスの若者トニオと恋仲になりますが、ゆえあって離れ離れに‥‥。彼女が皆に別れを告げる第1幕のアリアです。

ドニゼッティ:歌劇≪ドン・パスクアーレ≫より「騎士はあの眼差しを」
 最後は《ドン・パスクアーレ》(1843年)のアリアを。お金持ちの独身老人ドン・パスクアーレは、甥エルネストが若い後家さん・ノリーナと結婚しようとしているのに不服。財産は彼に譲らず自分で結婚して相続人をつくる!と言い出すのですが、ノリーナはひと芝居うって老人といったん結婚。すぐに贅沢三昧に浮気(エルネストと!)にと老人を憤慨させた結果、彼女はエルネストとめでたく結婚、財産までいただいて‥‥。このアリアは、策略を始める前のノリーナが、騎士道物語の本を読みながら、流し目に恋の手練手管‥‥私もその効き目も力もよく知ってるわ!と歌うアリア。美人で賢くしたたかな彼女の恋愛観と性格を見事に表現するあたり、オペラ歌手・小林沙羅さんの真骨頂を存分にお楽しみいただけるはず!

(ご案内/音楽ライター 山野雄大)

協賛:アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)
文化庁 平成27年度「劇場・音楽堂等活性化事業」