2007.10
古典四重奏団~ショスタコーヴィチ・ツィクルスvol.1-1~
ショスタコ体感第2ラウンド開幕~ショスタコーヴィッチ・ツィクルスVol.1の1~
昨年別のクァルテットでショスタコーヴィッチの弦楽四重奏曲全曲を聴いたのですが、短期間に一気に聴き通したという事もあって正直なところ体力面でもハードだったのですが、今回は程よく間隔を設けてのツィクルスとの事で、幾分落ち着いて聴けるのではないかと期待しています。
第1番ハ長調
まず目を引いたのが、当夜の舞台上の配置。第1ヴァイオリン、チェロ、ビオラ、第2ヴァイオリンという位置付けは、音量面の考慮もあったのでしょうか。昨年の別のクァルテットはいわゆる"通常の"配置だった事もあり、今回の古典の面々の音作りの意図にいろいろと思いを巡らせました。
第1楽章モデラートはいつもながらの伸びやかな第1ヴァイオリンのメロディラインが大変印象に残りました。第2楽章モデラートではビオラによるさり気ないテーマ提示に始まり、第1ヴァイオリン→チェロのリレーが巧みに進められており、チェロのピチカートに加えビオラ・第2ヴァイオリンの第2テーマ部分では何故かブルックナーの交響曲を思わせるような深遠な響きを思い起こさせました。第3楽章アレグロモルトでは新しい音を探ろうとして好奇心を持って覗き込むような様子さえ想像させました。第4楽章アレグロでは生き生きとパワフルなアンサンブルはその勢いを抑えきれないくらいの快感が魅力的でした。
第2番イ長調
第1楽章「序曲」モデラートコンモートではグレツキの「3つの舞曲」でも聴かれた民族音楽を思わせる力強く深い響きに聴き入りました。第2楽章アダージオ「レチタティーヴォとロマンス」では弾むような又流れるような間にあってショスタコーヴィッチ和音を展開していきました。第1ヴァイオリンと他3者とがオペラアリアのように切々としかも艶やかにゆったりと歌い進められていました。第3楽章アレグロ「ワルツ」では幾分速めに設定されたテンポの中でめくるめくようなたたみかけるアンサンブルに思わず息を呑んで聴いていました。抑えられた音量の中での緊迫は、歌唱で申せば普通に歌う以上に身体を用いるように、一層の神経と耳と呼吸(目線?)の集中を込めていました。フィナーレのアダージオ~モデラート「主題と変奏」では、ビオラの艶やかな歌い口が魅力的で、ビオラ→第2ヴァイオリン→第1ヴァイオリン→チェロとリレーしていく様子も聴きものだったと思います。細やかな3連フレーズの第1ヴァイオリンかと思ったら唐突なテンポアップに「はじける」チェロとそれに裏拍で呼応しようとするヴァイオリン2人のやり取りも聴き所であったと思います。チェロの細かく激しい刻みに食らいつく他3者の部分は走馬灯のように巡っており、ビオラとチェロの細かい刻みに乗って第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンの対話が展開し、3人の分厚いヨコの響きに劇的レティタティーヴォで第1ヴァイオリンが応える部分も見事でした。
第3番ヘ長調
第1楽章アレグロでは曲によりドラマ性を持たせるようにプロフィエフに似通っていて実はかなりリズムの置き方に特色を持たせていて(各パートがフーガのように代わる代わる弾いていくメロディが魅力的!!)、途中フーガがテンポアップしていくコーダ部分も聴き入りました。第2楽章モデラートコンモートでは、歯切れよさが身上とも呼べそうな楽章ですが、ビオラの分散和音に乗ってヴァイオリンが絡みつきチェロが合いの手を入れるという展開にあって、ビオラとヴァイオリンの中音部がよく活躍しているというところをみると、ここに「人間・ショスタコ」を思い起こさせるように感じました。第3楽章アレグロノントロッポでは複合拍子を取ったテーマで激しくて、まるで「ショスタコ的ゴジラ」と思わせるくらいの切れ味を感じさせてくれました。厳しさを伴うリズムの展開は裏拍のピチカート、「テケテッテ~」と同音の激しい連続刻みを得てますます力を帯び、ビオラ低音部とチェロ高音部の嘆き節はやがてヴァイオリンにも匹敵する切なさへと昇華していくように感じられました。第4楽章アダージオでは葬送行進曲を思わせるユニゾン部分はもしかすると国家体制に対する音による抵抗を表現せんとしたのではないかと思わせました。フィナーレのモデラートでは舞曲的部分や行進曲部分、静寂の部分とさまざまな断片をもって展開していく「ロンド」形式ではやがてピチカート3回の中で全てを霧の彼方に包み隠すように遠ざかっていく展開でしたが、ここではもしかすると作曲者自身の心情を切々とかつ慎重に吐露していたのかもしれません。
これだけ密度の濃いものを暗譜で弾き通すというのがいわば奇跡にも感じられたのですが、それともこれは彼らの中に染入っているのが表出した彼らにとってはごく当たり前の姿なのでしょう??
公演に関する情報
〈クァルテット・ウェンズデイ#59〉
古典四重奏団~ショスタコーヴィチ・ツィクルスvol.1-1~
日時: 2007年10月3日(水)19:15開演
出演者:古典四重奏団
[川原千真(Vn1)/花崎淳生(Vn2)、三輪真樹(Va)、田崎瑞博(Vc)]
演奏曲:
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第1番ハ長調作品49、第2番イ長調作品68、第3番へ長調楽品73
プレアデス・ストリング・クァルテット
~ベートーヴェン弦楽四重奏曲全曲演奏会Ⅱ~
初回にこれでもかとさり気なく圧倒した師匠達が2回目の演奏に臨みました。
第12番変ホ長調
第1楽章マエストーソ-アレグロでは奥行きのあるシンフォニックな演奏が印象的。チェロが特に雄弁に語り、ヴァイオリンはひたむきに歌っていました。陶酔的といわれている第2楽章アダージョでは涼やかにかつひたむきに歌う第1ヴァイオリンは線細く高音部を歌い上げていましたし、チェロの裏拍に入る部分が休符なのに目に見えない糸で結びつけられつながっているように感じられました。第3楽章スケルツァンド・ヴィヴァーチェでもチェロが雄弁で、ビオラ~第2ヴァイオリンへの受け渡しも聴きもの。トリオ部分では第1ヴァイオリンがやや走りがちに弾いていましたが、この部分は調の移り変わりに合わせて速度を上げていく意図を特に意識しているような印象でした。この特徴あるテーマは後半ではタテに揃ったアンサンブルを聴かせていました。一般にはアレグロとされる第4楽章フィナーレでは良い意味で力の抜けた楽章として、前打音にやや重みを置いて弾いていましたが、強弱のメリハリやオクターブを駆け巡る中で高低差のあるアンサンブルを展開、緩急自在に弾き進めていきアルペジオもスパッと決めている爽快さが魅力的でした。
第2番ト長調
この曲に入ると第1ヴァイオリンも歌を前面に出すようになり、一言で申すならば「一心同体」とも「一連托生」とも。4人が弾いているのにすっかり一つにつながっており、音の立ち上がりも極めてさっくりとしたものでした。第2楽章アダージオカンタービレではややもするとこの部分は唐突に取られがちなのですが、中間のヘ長調がある種の自然な勢いをもって弾かれており、再現部のチェロのたっぷりとした歌い口を聴いていて、某BBCのチェロトップ奏者を思い浮かべてしまいました。ラストのチェロの問いかけと他3者の応答との親密なやり取りにも大変好感が持てました。第3楽章スケルツォ・アレグロでは変奏曲の1つを思わせる凝った音作りとなっており、第1ヴァイオリンに対して他3者が挨拶を思い起こさせるような相づちをうつような印象でした。ハ長調のトリオでの半音刻みのベース音も聴きものだったと思います。第4楽章アレグロモルトクワジプレストでは1テーマ中の高低の対話が奥深く、曲後半では変奏曲を思わせる第1ヴァイオリンの軽やかな技巧を敢えて「狙う」ような事はしない軽快な下降形部分等、聴き所に満ちていました。白眉はコーダに入ってからの緩急の付け方で、存分に緩めてパウゼを置こうとしたその次の瞬間一気に駆け抜けていく爽快感がよく弾き出されていたと思います。
第8番ホ短調「ラズモフスキー第2番」
第1楽章アレグロでは心地良い余韻もさる事ながら、ヴァイオリンどうしが火花を散らすような部分は内に向かって強力に推進していくイメージを抱かせました。第2楽章モルトアダージオでは作曲者の意図通り、いやそれ以上に感情を存分に込めて弾き進めていましたが、第1ヴァイオリンの歌いぶりはもとより、チェロの高音部が更によく歌っていました。オペラの間奏曲風よろしく情感が存分にこもっていました。アクロバティックな第1ヴァイオリンの響きはよどみなく、単に音の上下のみならず、楽章いや楽曲をマクロ的視野で捉えていた演奏に聴かれました。まるで上質のオペラアリア(しかもソプラノ歌唱の!!)を聴いている印象でした。いわばスケルツォと呼べそうな第3楽章アレグレットは変速ギアが入った印象で、途中の「スラヴァ」(栄光)出現部分ではむしろここは淡々と弾き進めていっており、ロシアンフーガの経過句を経て心地良さを覚えました。重厚な部分をあっさりと弾いていて後出しのヴァイオリンがピアノソナタを思わせるフレージングを展開していました。フィナーレのプレストは更に変化球をゆったりと投げているような印象で、しばし"響きで遊んで"から基本調に入るまでめくるめくような第1ヴァイオリンのメロディラインは聴き入った場面でありました。手玉に取るという申し方はどうかと思いますが、当夜の師匠達のベートーヴェンは緩急巧みな音のピッチングをしていた印象です。
公演に関する情報
〈クァルテット・ウェンズデイ#58〉
プレアデス・ストリング・クァルテット
~ベートーヴェン弦楽四重奏曲全曲演奏会Ⅱ~
日時: 2007年9月19日(水)19:15開演
出演者:プレアデス・ストリング・クァルテット
[松原勝也/鈴木理恵子(Vn)、川崎和憲(Va)、山崎伸子(Vc)]
演奏曲:
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第12番変ホ長調作品127、第2番作品18-2、第8番作品59-2「ラズモフスキー第2番」
<アウトリーチコーディネーター育成事業研修会>
アウト・リーチは魔法の水?~ある地域で続く訪問プログラムの実際~

■研修会の内容■
榎本さんは最初に新潟県魚沼市について少し説明してくださった後、今回のテーマとしてあげられていた"魚沼市における「アウト・リーチ」概念の受容と展開を見ていくと「アウト・リーチそのものが見えてくる。かもしれない?"というテーマで話しは進んでいった。
地方でマーケットを展開するのは他のマーケットと一緒では生き残れない。しかし地方だからこそ顧客化ができる可能性が高いと感じた榎本さんたちは、「舞台とお客さんを近づけたい」という思いからホールオープン時にセミナーやお茶会、プレトークなど様々な事を手探りで行っていた。この手探りで行っていた事こそが「アウト・リーチ」という概念だと知ったのはその後だという。
榎本さんたち小出郷文化会館のスタッフがアウト・リーチの概念を知った後はホールの外や学校訪問コンサートを行って、市民のホールに対する理解を深める活動を積極的に行っていった。第一回の学校訪問コンサートでは全校生徒8人の小さな小学校を訪れてのクラシック演奏会だった。生の演奏に初めて触れる子供たちの顔は緊張を含んでいたが、始まった途端、音楽に酔いしれるものになった時の変化こそが小さなコンサートの成功だと榎本さんはおっしゃっていた。そういった小さいところから音楽に対する興味を持ってもらう事で、ホール自体への理解にもつながり精神的な応援、いわゆるサイレント・パトロンへとつながって行くという事がわかった。
しかしいつまでもアウト・リーチだけで活動するわけにもいかない。興味を持ったお客様にホールに来てもらわなければ目指している顧客化につながらないからだ。そこで行ったのが今までアウト・リーチに参加した音楽家などを集めて小出郷文化会館大ホールで演奏会を行ったが、企画段階で600人と予想されていた来場者は330人という結果だった。かならずしもアウト・リーチの活動が入場者に結びつくわけでもないという事に驚いた。
今度は魚沼市で行われているサロン・学校訪問コンサートの資料を見ていった。資料をみていくと2006年7月の時点でサロンは42回、学校訪問コンサートは97回行われている。また魚沼市だからこそ出来る旧家のお屋敷の中でのピアノコンサートや、新しく出来たトンネルの中でのバイオリンコンサートなどいってしまえば地方だからこそ出来る場所でのコンサートの話は研修会に来ていた人の興味をひいていたと思う。
ここで一度休憩に入ったが、休憩中もサロン・学校訪問コンサートの映像や写真を会場に設置してあったプロジェクターで紹介してくださった。お寺でパーカッションのコンサートの様子や、商店街の空き店舗を利用したジャズ講談、Buzz Fiveによる今は議場として使用されていない村役場でのコンサートなどの様子を見ることが出来た。
休憩明けは榎本さんが実際アウト・リーチを行っていて気づいた点についてだった。出て行くことに価値があるアウト・リーチでその魅力も多々あるが、今度は外でコンサートを行うときどれくらい良い環境でコンサートが出来るかに焦点が移っていったという。その事もあり今では良い環境のコンサート作りは総力戦だとおっしゃっていた。こだわればこだわるほど、自分たちにかかかる負担は大きいが、それだけお客様の満足度も変わってくるという。
次に選曲についてのお話だった。個人的に話を聞いていて驚いた事は、学校訪問コンサートでは子供たちが知っている曲よりも知らない曲のほうが好まれるという事だ。知らない曲でも近くで演奏者の呼吸を感じ、場を共有することで知っている曲よりも興味を持つという事がわかった。
コンサートに必要不可欠なものといえばチケットである。チケットを「買う」という事はすなわちお客様は「求めて」そのコンサートにいるという事だ。「日常生活の中で音楽を生で聴く歓びというものが存在するライフスタイルを魚沼の地で確立したい」と榎本さんはおっしゃっていたが、その考えは地方だけでなく都会でも必要な考えであり、特に地方より圧倒的に生で音楽を聴くチャンスは多くある都会でも日常として音楽を「買いにいく」人が増えればと私は思った。
小出郷文化会館のアウト・リーチではあえて地元の音楽家に頼まずに、普段地元でなかなか聴く機会の少ない違う土地の音楽家に頼むそうだ。それは地元登用には費用は少なくてすむが、来てくださるお客様の「聴きたい」という欲求を駆り立てる事が出来なければ、アウト・リーチ自体失敗に終わってしまう。成功のためにも地元の演奏家のみの登用にこだわらない考えも必要だという事がわかった。
アウト・リーチプログラムを通して音楽家、魚沼市民、スタッフたちもそれぞれ考えるという話で特に印象に残ったことは、音楽家が「また努力して魚沼でコンサートを開きたい」と思えるようにスタッフたちも考えるという話だ。また開きたいと思える様に音楽家たちの「魚沼でやりたいこと」を聞き出してそれを反映するということだ。演奏曲はもちろん音楽家のやりたいもので、音楽家がコンサート以外の楽しみ、たとえば美味しいお米を使った食事だったり、綺麗な星空だったり、温泉だったりというそういった事も条件に入れてアーティストに提案すると榎本さんはおっしゃっていた。たしかに魚沼でしか出来ない事を条件に出すことで「また演奏をしに行きたい」と音楽家も感じるだろうし、そういったスタッフの心遣いも音楽家の気分を変え、スタッフの心構えも変わっていく要素になるのだろうなと思った。
また市民も毎年、生の音楽を聴く喜びというものを知り始め、最初はもしかしたら義理でチケットを売っていた市長も、コンサートをやらないという事がわかると逆に「どうして今年はやらないのか?」と榎本さんに聞いてくるほど、音楽が浸透しているようだ。
音楽家、市民、スタッフの考えがだんだんと音楽に対する思いに変化をもたらし、結果良い現場を作ることもできるし、悪い現場を作ることもできる。そういった全体の関係を知る事も出来た。
最後にまとめとしてなぜアウト・リーチなのかという問いが出たとき、魚沼の未来を考えていくと人口が減少傾向にあるのでマーケットが消失してしまうと榎本さんはおっしゃっていた。今と変わらないように集客をするのならば現在小学生である子供たちに未来を託すしか方法がないのでは?という考えで生の音楽に触れる機会であるアウト・リーチの重要性が明白になる。そのアウト・リーチに参加し、共感した子供たちが大人になったときに今度は自分の子供をつれて小出郷文化会館に来てくれるという図式がなりたち、今のようなマーケットの継続が可能になる。そう考えるとアウト・リーチは榎本さんたちが目指す「日常の生活の中で演奏会に行く」というための手段であるということが理解出来た。
■感想■
今回私はトリトン・アーツ・ネットワークのインターンシップ生としてこの研修会に参加させてもらった。アウト・リーチを体験したことがない私にとってこの研修会はアウト・リーチがどういうものか理解する数少ないチャンスだった。
お話を聞いていて一番印象に残ったことはアウト・リーチを提案するスタッフ側の熱意が何よりも大切だとわかった。熱意だけでは動けないところを地域の人や演奏家とのつながりが実際の活動を支えている一番の大事なものだと私は感じた。
榎本さんのお話でアウト・リーチに対してさらに興味がわいたので、私自身もチャンスがあれば実際のアウト・リーチの現場を見てみたいと思った。またアウト・リーチを横のつながりの希薄な都会で行う事により、音楽を日常にし、なおかつ地域の連帯を深める手段として活用出来ると感じ、行っていく価値のあるものだと改めて感じた。
公演に関する情報
<アウトリーチコーディネーター育成事業研修会>
アウト・リーチは魔法の水?~ある地域で続く訪問プログラムの実際~
日時: 2007年9月22日(土)
講師: 魚沼市小出郷文化会館 榎本広樹氏
TANレクチャーコンサートplus#10
「ショスタコーヴィチの驚くべき裏技」
今日は、古典四重奏団によるレクチャー・コンサートである。今年のテーマは「ショスタコーヴィチ」ショスタコーヴィチとといえば昨年、大汗をかきながら、昼と夜第一生命ホールに通ったのが懐かしい。今年は、きっと過ごしやすい気候になっているだろう。
レクチャー・コンサートが始まる前、会議室に入ってみたら、寒いくらいに冷房がきいている。これは少し寒すぎと感じたが、100人近くのお客さんに埋められた会議室は、丁度良い温度に感じられるようになった。
毎年、古典四重奏団のレクチャー・コンサートには来るのだけれど、あまり会議室には入らなかったが、毎回「とても面白かった」と聞くととてもうれしい。久しぶりに聞いてみると、話が面白く、肩苦しさがない。そして実際の演奏があって、「ちょっとだけよ」と試食させてもらえる。とても贅沢だなあ。
ショスタコーヴィチは、ソ連誕生前に生まれ、ロシア革命を経験した現代作曲家。19才でデビューし、グラズノフがモーツァルトの再来といったとか。
ショスタコーヴィチの音楽は、はっきりしていてわかりやすいけど評価は固まっていないそうである。彼の音楽は、誤解をまねいたり、本音をかなり間接的にしかいえなかったり。国家といういじめっ子がいなかったら彼はどんな音楽を書いたのだろうと思う。
ショスタコーヴィチの弦楽四重奏には、多くの舞曲が使われているんですね。あまり意識して聞いたことはなかったけど。
内容については、あまりかけないのですが、「面白くてためになる」レクチャー・コンサートで実際にコンサートを聴くのが楽しみです。
公演に関する情報
TANレクチャーコンサートplus#10
「ショスタコーヴィチの驚くべき裏技」
日時: 2007年8月25日(土)
場所: トリトンスクエアX棟5階会議室
出演者:古典四重奏団