先日、ピアニスト・小倉貴久子さんのコンサート・シリーズ、「小倉貴久子のモーツァルトのクラヴィーア※のある部屋 第17回」を聴きに東京オペラシティ内の近江楽堂に行ってきました！
※クラヴィーアとはドイツ語圏でのフォルテピアノ（むかしのピアノ）を含む鍵盤楽器全般を指す呼称です。
「小倉貴久子のモーツァルトのクラヴィーアのある部屋」は、毎回、モーツァルトと同時代に活躍した作曲家にスポットライトをあて、モーツァルトの作品と一緒に、作曲当時の楽器で演奏する企画シリーズです。
今回は、モーツァルトと同時代にパリで活躍したドイツ人ピアニスト兼作曲家、J.G.エッカルトにズームイン！
エッカルトは、フォルテ・ピアノ（むかしのピアノ）という楽器の為のソナタをフランスで初めて作曲したことで知られている人だそうです。
情感豊かな小倉さんの演奏で、お気に入りの1曲が新たに増えました！
今回初めてエッカルトの曲を聴いたのですが、なるほど、強弱の表現が可能なフォルテ・ピアノだからこそ表現できるのであろう音の揺らぎや伸びやかなメロディ、モーツァルトにも通じる華やかな技巧や曲の展開が美しく、想像以上にドラマティックな音楽にびっくり。
小倉さんの情感豊かな演奏も相まって、一聴して大好きになってしまいました！
興味深い解説に、思わず「ふーん！（なるほど！）」との声が。
エッカルトの来歴はもちろん、モーツァルトがエッカルトの作品について述べた手紙を読んだり、エッカルトからモーツァルトが受けたであろう影響についてフォルテ・ピアノでワンフレーズ弾いてみたりと、演奏の合間に丁寧な解説をしてくださる小倉さん。
観客席から、「ふーん！（なるほど！）」という声があがっていました。
作曲家や演奏作品にあわせて、毎回、演奏するピアノを選定！
そして、忘れてはならない、もう一人？の主役、シュタイン製のフォルテ・ピアノ。
モーツァルトが絶賛していたことで有名なピアノです。
今回の演奏は全篇とおしてこちらのピアノで演奏されました。
会場内は撮影禁止だったので、パンフレットの写真でご紹介。
「モーツァルトのクラヴィーアのある部屋」では毎回、使用する楽器も作曲家やテーマに合せて選んでいるそうです。なんと贅沢な企画なのでしょう！
今回何故シュタイン製のピアノで演奏されたのかというと、エッカルトにとっても、シュタイン製のピアノは特別な存在であったからだそうです。
エッカルトとピアノ製作者シュタインは同郷出身で非常に親しく、エッカルトの作品は、シュタイン製のピアノで演奏されることを意図して作曲されているのではと言われているのだそうです。
毎回、使用するピアノが違います！
記念すべき第20回公演は、モーツァルトと、モーツァルトの息子フランツ・クサーヴァー・モーツァルトによるピアノ協奏曲。
2種類のフォルテ・ピアノとオーケストラで演奏します。
2012年から開催されてきた「モーツァルトのクラヴィーアのある部屋」が、今年の12月で第20回を迎えます。
その記念すべき回を、第一生命ホールにて開催することが決定しました！
モーツァルト親子によるピアノ・コンチェルトをあわせてお聴きいただける、絶好の機会です。
むかしの楽器はこんな見た目！チラシに当日使用する楽器の写真が！
フォルテ・ピアノは、A.ヴァルターモデル（1795年）（左）と
J.B.シュトライヒャー（1845年）（右）で演奏します。
良いお席はお早めに！
（スタッフ・みや）
〈共催公演 TAN's Amici Concert〉
小倉貴久子のモーツァルトのクラヴィーアのある部屋
第20回記念公演
～クラヴィーアコンチェルト～
F.X.モーツァルト Franz Xaver Mozart[1791-1844]
日時：2015年12月12日（土）14:00開演
会場：第一生命ホール
出演：小倉貴久子（クラヴィーア）
【ヴァイオリン】若松夏美 堀内麻貴 天野寿彦 原田 陽 山内彩香
【ヴィオラ】成田 寛 高岸卓人
【チェロ】武澤秀平
【コントラバス】小室 昌広
【フルート】菊池かなえ
【クラリネット】坂本 徹 李 胎蓮
【ファゴット】鈴木 禎 安本久男
【ホルン】塚田 聡 大森 啓史
【トランペット】斎藤秀範 霧生貴之
【ティンパニ】井手上 達
※ピリオド楽器使用室内オーケストラ
演奏プログラム：
F.X.モーツァルト：
４つの感傷的なポロネーズ 作品22より
クラヴィーア・コンチェルト 第２番 変ホ長調 作品25
W.A.モーツァルト：
ロンドンのスケッチブックより小品 ヘ長調 K.15h
クラヴィーア・コンチェルト 第22番 変ホ長調 K.482
クラヴィーア・コンチェルト 第23番 イ長調 K.488
料金(全席指定）：一般￥4,000 学生￥2,000
