6月17日(金)・18日(土) 3次予選
3次予選からは、舞台上の演奏者のまわりにマイクが4本立ち、録音も本格的。ベートーヴェンの「ラズモフスキー第2番」全曲と、このコンクール委嘱新作であるカンチェッリ作曲「キアロスクーロ」、そして他1曲、の計3曲を1時間半の持ち時間の中で演奏します。「キアロスクーロ」は聴きやすい曲でした。楽譜にかなり細かい指示があるので、どの団体もそんなに印象に変化はない感じですが、キアロスクーロ(明暗)というタイトルで書かれたppppからffffまでのダイナミクスの幅がそれぞれ違ったので、作曲家の意図と合致したのはどの団体なのか、結果発表の時に作曲家から聞いてみたいと思いました。
本選に残ったのは、3団体。ヴォーチェ、アマリリス、メッコーレでした。
ヴォーチェとアマリリスは手堅い演奏で当然の結果と思われました。ポーランドの団体メッコーレは、妙に盛り上がる演奏で、3次の演奏直後も客席から大喝采をあびていました。落ちてしまったオーストリア出身の男性4人組アチースも真摯でかなり良かったのですが、残念。先月の大阪室内楽コンクールで第2位だったドイツ/日本のシューマンも応援したくなる団体で、ぜひ今後に期待したいと思います。
劇場で行われるコンクールでの演奏以外に、街中で演奏する「ムーブメント・オブ・クァルテット(Movement of Quartets)」というイベントが同時開催されています。17日の夜は、街の中庭で1次敗退のルーベンスとエクセルサの演奏があり聴きに行きました。21:00と22:00スタートにも関わらず、子供から高齢者までたくさんのお客様でにぎわっていてこれもいい雰囲気でした。
写真提供:渡辺和