夏休み キッズのためのコンサート
笑顔で、子どもの目を見て弾いているのがとても好印象でした。
今回、私たち親子は8月8日に行われた「夏休みキッズのためのコンサート」に伺いました。 会場は、勝どきから歩いて数分の第一生命ホール。まだ新しいのか、足を踏み入れると、木の清々しい香りを感じました。
私自身は、クラシックの音楽を自宅で楽しむことはあっても、オーケストラの演奏を、コンサート会場で聴くのは久々...と言うより、ほぼ初めてに近い経験で、今回生の音が聴けるとあって、非常に楽しみでした。
5才になる娘にとっては、人生初のコンサートでした。音楽を聴くのは大好きです。当の本人は、「今から演奏が始まるんだよ」と説明しても「えっ!○○(娘の名前)たちがやるの?」と、今から何が始まるか、よく分かっていないようでした。
照明が落ち、司会者の方がステージに出てこられて、演目が始まりました。
最初はまず楽器の紹介から。「この音は何かなー?」という問いかけに、子どもたちが「ヴァイオリン!」「ヴィオラ!」と元気よく答えていました。娘も、周りの子どもたちが答えているのに合わせて「ヴァイオリン!」とか、「ラッパー!」と答えていました。そして、その楽器と演奏者がステージに出てこられ、音を出すごとに、じーっとその人と、楽器を見つめていました。コントラバスに「おっきい!!」と驚いたり、ホルンやフルートを見て、「キラキラしていてきれい」と言ったり。またこの時、娘が「ヴァイオリンとヴィオラは一緒じゃないの?」、「あの笛(フルート)はキラキラしているけど、なんであれ(ファゴット)は茶色いの?」と、楽器の違いに興味を持ったようです。簡単でよいので、説明してもらえるとありがたかったです。
ヴァイオリンの奏者達がステージ出るときの演出は面白く、客席内がわあっ!!と沸きました。司会の方がヴァイオリンの説明をしているときに、その音色が流れ 「あれれ?」としていると、客席両サイドのドアから、ヴァイオリン奏者たちが、演奏しながら入ってくる、というものでした。奏者の方は、皆さんそれぞれ客席に座っている子どもたちに向かって、その子の目の前でヴァイオリンをキュキュキュッと弾いており、子どもたちは釘付けになっていました。笑顔で、子どもの目を見て弾いているのがとても好印象でした。それまで、何が始まるか分からないなぁという顔をしていた娘が、この演出でぐっと引き込まれたように思います。
楽器が勢揃いし、演奏がスタートしました。生音ならではの迫力や、質感。やっぱりいいなぁ、と聴いていました。娘はというと、演奏を聴きながら、体を軽く揺らしたり、手を叩いたり。一方で、ちょっとごそごそして「この次はなにがあるのー?」と言ったりしていました。演奏が終わるたびに、司会の方が出てこられて、演奏の説明等をされるので、演奏の時間・お話の時間と切り換えができ飽きずに過ごせたようです。『ワルツィング・キャット』という曲では、ネコ耳としっぽをつけたかわいらしいお姉さんが登場。お姉さんが<にゃ~お>と書かれたパネルを挙げるタイミングで、皆も「にゃ~お」と掛け声をしてください、という演出でした。娘も他のお子さんたちも、「にゃ~お!」と楽しんでいました。後から娘に聞いてみると、この「にゃ~お」が一番楽しかったようです。
ハイライトの、プロコフィエフ『古典的交響曲』では司会の方から「一曲一曲が終わるたびに拍手するのではなく、全部の曲が終わってから、大きな拍手をしてください。」と、演奏を聴くときのルールを説明してくださり、良いことだなぁと思いました。実際に演奏を聴く際の拍手のタイミングは、大人でも分からないことが時々あります。こうした実際の場で拍手の間を教えることは、子どもにとっても分かりよいですし、覚えやすいのではないかと思います。
コンサートは一時間ほどで終了。飽きてしまわない、ちょうどよい長さでした。ロビーでは、さっきまで演奏していたお兄さん・お姉さんから、笑顔でお見送りをしていただき、新鮮でしたし、温かい気持ちになりました。
娘も来年からは小学生ですし、成長と共に色々な音楽を聴かせてみたい、一緒に楽しみたいと思っています。そして何より、今回のコンサートを娘が「楽しかった!」と喜んでいたので、また機会を見つけて、ホールに伺いたいと思います。
公演に関する情報
〈ライフサイクルコンサート #51〉
夏休み キッズのためのコンサート
日時: 2010年8月8日(日)14:00開演
出演者:ARCUS(オーケストラ) 坪井直樹(司会)
演奏曲:
グリーグ:組曲「ホルベアの時代から」op.40 より前奏曲
ハイドン:ディヴェルティメントより
アンダーソン:トランペット吹きの子守唄
アンダーソン:ワルツィング・キャット
プロコフィエフ:交響曲第1番ニ長調「古典的交響曲」op.25