〈フェスタ第3日 #68〉ときめきと憧憬
ナマの音を聴く喜び
まだ現役の企業戦士のころ、ひと時の癒しを求め、月1回のペースでクラシックコンサート会場通いをし、感動と癒しに接することで明日への精神的糧をしていました。企業のメセナでクラシックコンサートが数多く開催されていた時代でした。
その後一戦を退き、精神的にも時間的にも余裕ができ、たまに安物のCDコンポで音楽を聴く日々に何の疑いも抱かず過ごしていました。
久し振りだった当日、初めての会場にも関わらず、妙な懐かしさを覚えました。開演してすぐの、一瞬の静寂の中、弓が弦をこする独特の音を耳にした瞬間、深く心に響きました。
「やっぱりナマは好いなあ」
演奏者の技術は当然ながら、会場の音響効果の良さに感心しました。
当日のプログラム意図からすると、初日から続けて聴かないと、今ひとつソノ意図が理解できないのではないか、と思うほどで、小生には少しレベルが高すぎる気がしました。
聴き手してのレベルの低い小生に、かの演奏に対する批評はできませんが、演奏者としての完成度の高さと、ホールの音響に感激致しました。
また弦楽六重奏を聴くのも初めての体験でしたが、弦楽器がたった2丁増えただけなのに、あの繊細な中にもダイナミックな音には驚きでした。
最後まで洗練された演奏に浸り、心地よさを感じながら帰路に就きました。
これを機会にクラシックのコンサートに通い直すのも好いかもしれない。
公演に関する情報
<クァルテット・ウィークエンド08-09 フェスタ>
〈フェスタ第3日 #68〉ときめきと憧憬
日時: 2008年6月1日(日)18:00開演
出演者:ボロメーオ・ストリング・クァルテット
ニコラス・キッチン/クリストファー・タン(ヴァイオリン)
元渕舞(ヴィオラ) イーサン・キム(チェロ)
クァルテット・エクセルシオ
西野ゆか/山田百子(ヴァイオリン)
吉田有紀子(ヴィオラ) 大友肇(チェロ)
演奏曲:
ハウェルズ:ファンタジー[演奏:クァルテット・エクセルシオ]
バルトーク:弦楽四重奏曲第1番op.7 Sz.40、
チャイコフスキー:弦楽六重奏曲ニ短調op.70「フィレンツェの想い出」
[+吉田有紀子(ヴィオラ)、大友肇(チェロ)]