〈フェスタ第2日 #67〉死をめぐる断章
死をめぐる断章 「死をめぐる...」というなんだかおどろおどろしいフレーズにドキドキしながら、 初めてこのホールにやってきました。 きりさめの降るあいにくの空模様でしたが、6月まぢかの午後六時はまだまだ明るいですね。 海を渡る動く歩道がきれい。 ビルの入り口へとガラス屋根がつづいていて、それほど濡れずにたどり着くことができました。
そよ風が吹く晴れた日は、きっと開放的で気持ちいいんだろうな。
6日間にわたるフェスタの2日目という為か、天気に恵まれなかった為か、客席は少しまばら。 曲目や副題のイメージもあるのかな? ちょっともったいないなぁ。 こういうときは他のお客さんの行動がはっきり見えるもので 休憩時間中の客席反対側の男性二人組のおしゃべりが妙によく聞こえました。 自分も友人と来るときは気をつけようっと。
さてさて、 プログラムに軽く目を通しているうちにいよいよ開演。 前半のステージはバルトーク。 ヨーロッパを離れる直前に書かれた曲だそうで、全体を悲しみのメロディが貫きます。 ううっ、これは初心者にはちょっとつらいかも。 でも随所に東欧の素朴な旋律が散りばめられて、バルトークの故郷への愛情がうかがえます。 カルテットの女性メンバーのドレスがどことなく異国情緒が感じられて素敵でした。 もうちょっとよく見ようと身を乗り出したのですが、 2階席の角は椅子の向きが横を向いてしまっていて舞台が見えづらいのが残念。 2階席ならステージ近くか正面の席がお勧めです。
長めの休憩でコーヒーをいただいてから、後半のベートーベン。 こちらもはじめて聴く曲でしたが、とてもベートーベンらしい勢いのある演奏で ノリノリで聴き入ってしまいました。 「死の断章」という名の、生への感謝が伝わってきます。 演奏会のタイトルが見事にうらぎられた感覚でした。
弦楽四重奏は、一人一人の個性を見せながら、 アンサンブルがしっかりと見えるのが楽しいですね。
4人だけで1時間半、最後まであきないかな、と心配していたのですが あっというまにすぎてしまいました。
公演に関する情報
<クァルテット・ウィークエンド08-09 フェスタ>
〈フェスタ第2日 #67〉死をめぐる断章
日時: 2008年5月31日(土)18:00開演
出演者:ボロメーオ・ストリング・クァルテット
ニコラス・キッチン/クリストファー・タン(ヴァイオリン)
元渕舞(ヴィオラ) イーサン・キム(チェロ)
演奏曲:
バルトーク:弦楽四重奏曲第6番Sz.114
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第15番イ短調op.132