育児支援コンサート
~子どもを連れて、クラシックコンサート
報告:我妻直枝さん(オットセイ組 リーダー・TANサポーター・大学生
投稿日:2008.03.30
あっという間に開始時間になり、ピアニストの城さんがピアノを弾き始めると、それまで折り紙や紙ヒコーキに夢中だった子ども達が、次第に視線をピアノに移し始めました。そこへ、軽快に『笑うトロンボーン』を吹きながら加藤さんが登場。子ども達は、突然部屋に入ってきた、伸び縮みする不思議な楽器を吹くお兄さんに、驚いた様子でした。加藤さんは、途中でスライド管をはずしてみせるパフォーマンスを交え、子ども達の間を動きながら演奏し、注目を集めていました。最初はポカーンと見ている子ども達も、だんだんと手拍子を合わせていき、曲が終わると拍手が沸き起こりました。
加藤さんが子ども達に挨拶をし、トロンボーンの説明に入ると、じっと楽器を見つめ真剣に話を聞く子や、加藤さんの問い掛けに積極的に答える子など、子ども達の様子は様々でした。「トロンボーンの特徴の一つは、スライドを使って音を出すことです」といった話の後に続き、フィルモア作曲の『ラサス・トロンボーン』の演奏へと移りました。この曲は見た目も楽しめる、見せ所満載の一曲でした。スライドによって次々と音が変わっていくのを、興味深そうに聴いている子ども達が印象的でした。
そして次に、「実際に音の出る仕組みを体感してみよう」という事で、ホースと漏斗で作った楽器を体験しました。6班に別れて、それぞれサポーターが子ども達のお手伝いをしました。すぐ音が出る子とそうでない子が居り、なかなか苦戦していたようにも感じられましたが、最終的にはほとんどの子が満足そうに音を出していたと思います。ホースを伝わって音の震動が感じられると、子ども達は嬉しそうにはしゃいでいました。
音を出せたら次は皆で合わせてみよう、という事で『幸せなら手をたたこう』の音楽に合わせて合奏しました。班ごとでまとまってもらい、交代で楽器を回していき、曲中で本来手を叩く箇所で吹く、という流れで行ないました。この時とても印象に残ったのは、それまで恥ずかしそうにしていて楽器を吹きたがらなかった子が、「最後に吹いてみたい子!」という加藤さんの呼び掛けで手を挙げた事でした。ほんの短い時間でしたが、身近に音楽を感じられる環境の中で、たくさんの同年代の子ども達と一緒に居る事で、この子の気持ちに何らかの変化が現れた事が、とても貴重な事だと感じました。
時間にしてたった30分という短い間でしたが、とても内容の濃い、実りの多い30分だったと思います。最初は緊張して打ち解けられなかった子も、最後にはみんな笑顔でお母さんの元へ戻って行ったのが、とても微笑ましく感じました。またこのような機会には、是非参加したいと思いました。
公演に関する情報
〈ライフサイクルコンサート#25〉
育児支援コンサート
~子どもを連れて、クラシックコンサート
日時: 2008年3月30日(日)15:00開演
出演者:中川賢一(ピアノ)、バズ・ファイブ(金管五重奏)、大森智子(朗読)
演奏曲:
第1部(約30分)
子どものための音楽スタジオ(幼稚園年少組年齢から年長組年齢対象)
年齢別に分かれて金管楽器による楽しい音楽体験をします。
大人のためのコンサート(小学生からホールで聴いて頂きます)
~トランペットとピアノ 名曲の調べ~
ラヴェル:ハバネラ形式の小品
チャイコフスキー(戸部豊編曲):バレエ音楽「白鳥の湖」より「ナポリターナ」
ドビュッシー:アラベスク第1番
ドビュッシー:月の光
ブラント:コンサート・ピース(演奏会用の小品)第2番
第2部(約40分)
みんな一緒のコンサート
ロッシーニ:「ウィリアム・テル」序曲
チータム:「ブラス・メナジェリー」第1楽章
音楽と絵本/「おふろだいすき」(作:松岡享子/絵:林 明子/福音館書店出版)