ボロメーオ・ストリング・クァルテットAIRレポート
報告:川澄直美(TANサポーター)
投稿日:2007.01.31
というのも、TANで始まった新しいプロジェクト「AIR(アーティスト・イン・レジデンス)」第一弾ということもあり、一週間の間に続けて、ホール内外で聴く機会が用意されていたのです。
結果的に私は、芝浦工業大学でのサテライト・コンサート、竹中工務店でのギャラリー・コンサート、そして第一生命ホールの3回、足を運んでいました。
ベートーヴェン好きの私としては、3回も弦楽四重奏第16番を聴くことができ、ビオラの元渕さん、第一バイオリンのニコラス・キッチン氏による解説、SQWのプログラム、サブテキストと様々な角度から、曲について知ることができ、演奏を聴くことができたのは、貴重な体験でした。
解説に加えて、所々、弾いて見せる場面もあり、曲を少しずつ知っていくことができたようで、それがなんともうれしく、また聴きたいと足を運んでました。
ギャラリーコンサートで初めて聴いた「テネブレ(ゴリホフ作曲)」は、現代音楽は苦手と決め込んでる私が、そんなこと忘れていました。
途中、「音域がいつもより厚いような感じがする。変な感じでもあり心地よくもあり。現代音楽だから?」となんとなく考えてるうちに演奏が終わり、直後のニコラス・キッチン氏の解説を聞いてなぞが解け、納得。
第二バイオリンの調弦を少し低くしてあったとのこと。
作曲の決まり事に捕われず、楽器の持ち味をさらに引き出しながら作曲しているのは、ベートーヴェンみたいだなとも思ったり。
私にとっての最終日、第一生命ホールの2階で聴いているときには、曲を追いかける楽しさがいつもより深くなっていたみたいです。
公演に関する情報
第一生命ホール5周年記念コンサート
〈クァルテット・ウェンズデイ#52〉
ボロメーオ・ストリング・クァルテット
シェーンベルク・プロジェクトvol.3
日時: 2006年12月13日(水)19:15開演
出演者:ボロメーオ・ストリング・クァルテット
[ニコラス・キッチン(Vn)、クリストファー・タン(Vn)、
元渕舞(Va)、イーサン・キム(Vc)]
演奏曲:
ゴリホフ:テネブレ
シェーンベルク:弦楽四重奏曲第4番作品37
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第16番ヘ長調作品135