Triton Arts Network 10周年記念 スタッフBLOG

2019年1月

クァルテット・エクセルシオ(以下エクQ)とクァルテット奥志賀が共演する公演について、インタビューをご紹介しています。今回が最終回となります。

前回のインタビューは、1回目はこちら、2回目はこちらから

今回は、クァルテット奥志賀のみなさんに、それぞれどんなメンバーなのか他己紹介して頂きました。

――お客さまの中には奥志賀Qを聴くのは初めてという方もいらっしゃるでしょうから、お互いにそれぞれのメンバーの紹介をしていただけますか。ヴァイオリンのファーストとセカンドは、いつも会田さんと小川さんで仲良く決めるのですか。
会田:そんなことはない、って小川さんの顔に書いてありますね。
石田:曲によって変えていると思います。ベートーヴェンやモーツァルトといった古典は、小川さんがファーストを担当していることが多いよね。
黒川:ふたりのキャラクターが全然違うので、曲も全然違う感じになります。奥志賀のアカデミーでは、楽章ごとにファーストとセカンドを換えるのが決まりなので、同じ作曲家でも変わったりして。
会田:楽章で交代するから、レパートリーは増えないんですよね。(苦笑)
黒川:この楽章はこちらがファーストがいいと決めて演奏するのですが、それぞれの歌いまわしとか歌心の違いが出るので、私も弾いていていつも楽しいし、おもしろいなと思います。ふたりとも、お互いの違いが分かっているからこそ、それぞれがパートを換えた時に、弾き方が変わっているんだなと思います。
石田:器用じゃないとできないよね。

――お二人は自分たちのキャラクターの違いは意識しているんですか?
会田:いやもう本当に、小川さんはヴァイオリニストとして素晴らしくて。情熱があって。
小川:私は、会田さんはずっと前から尊敬している存在なので、自分がファーストを弾くときは、申し訳ない気持ちがあるくらい。大学も、会田さんは桐朋、私は芸大で、先生も違うので、アプローチのしかたが少しずつ違って、そこがまたいいところ。そういう部分で補強しあえる関係でありたいなと思っています。
会田:こんなに違うタイプなのによくクァルテットを組んでいるね、と言われるんですよ。悪い意味ではなくて。本当は、似たタイプで組んでいたら、楽は楽だと思います。だから、今、小川さんが言った通り、全く違うものを持っているからこそ、もちろん難しいこともあると思いますが、それによってお互いが刺激をしあって良くなっていく。私にとっては、この4年間くらい良い勉強になっています。先生から教わるのではなく、こうして同世代で弾きながら学んでいく、この経験は良かったと思います。みんな海外に行ったりと忙しくなるけど、奥志賀Qはおもしろいし、続けていきたい。みんなに置いていかれないように、がんばりたいと思います。
吉田:素晴らしいですね。

――ヴァイオリンを紹介していただいたところで、次は、チェロの黒川さんについてはいかがですか。
小川:大きく分けて素晴らしい面を2つお持ちだと思います。まずメロディを歌うのが本当に素晴らしい、そして、女性なのに、太くていい音で、音楽を運んでいってくれる。そういったところがすごく好きです。
黒川:照れる(笑)。
会田:黒川さんは、このクァルテット随一のヴィジュアル系で。お客様を集める時、実咲さんが出るならと来てくださる方も(笑)。ヴィジュアル系というと誤解がありそうですが、実力もある。だから奥志賀Qには、色々な個性があるねと言われます。黒川さんの音に慣れてしまうと、他の方と組むと、「あれ? チェロが聴こえない」ということがあります。自分の歌を持っていて、低音から発せられる歌にとても安心感があって、いいなと思います。
石田:見た目は女性的で柔らかい印象ですけど、とても太くてたくましい音がする印象があります。すごく男らしい時がある。
全員:あるあるある。
会田:でも、ちゃんと色気も持っているから(笑)。

――では最後に、最近ヴィオラとして奥志賀Qに入られた石田さんについて。彼女にお願いしようと思った決め手は?
小川:石田さんは私の大学の先輩なのですが、学内で選抜された生徒だけが出演する室内楽演奏会に毎年出ていらして、本当に尊敬して背中を追いかけている存在だったんです。その演奏会に、ある年、ヴァイオリンとしてもヴィオラとしても出ていらして、それを聴いて、本当にすごいなと思って。ファースト・ヴァイオリンを演奏されていた時代に、すでにヴィオラでも、やりたいと思うことを全てやっていらしたのです。室内楽ではこういうヴィオラを弾いて欲しい、というような演奏をされていて。私は、ヴァイオリンどうしで一緒に弾いたことがありますが、石田さんのヴィオラとも共演したいですと言った記憶があります。
黒川:「クァルテット奥志賀」という名前なので、同世代で奥志賀のアカデミーを経験している方がいいなとも思いました。ちょうど、石田さんがヴィオラで留学するという時期で、石田さんのヴィオラはすごく良いと色んな人からも聞いていたし、私たちのことをよく分かっているから、絶対大丈夫だなというのがありました。それこそ、クァルテットでずっとヴァイオリンを弾いていたから、こういう風に弾いてほしいということを、すごくよく理解してくれているのです。
石田:アカデミーの時からずっと見ているクァルテットで、尊敬していたので、そこに入るというのは畏れ多いという気持ちはありました。音楽創りへのこだわりが強いイメージのあるクァルテットなので、もちろん私が入ることでぶつかることもあるかも知れませんが、そのこだわりの音の重なり合いに加われることがすごく嬉しい。楽しみだなと思って「お願いします!」と言いました(笑)。

――エクQのみなさまから奥志賀Qへ、エールなどはありますでしょうか。
西野:今、お話を伺っていると、ポジティブな面しかないですよね。メンバー交代がありましたが、石田さんが入って新鮮な気持ちで前を見ていることが素晴らしい。

――エネルギーが伝わってきましたよね。
奥志賀:エネルギーだけはある。★IMG_6902 - コピー.JPG会田:音も大きいと思う。モーツァルトでも。
石田:同世代の友人から、「このメンバー、アツい...(笑)」っていわれます。
会田:みんな、言われる、言われるっていうけど、私は言われないから、私のせい?
石田:いや、揃っちゃったって感じかな。会田さんとは同じ学年なのですが、私たちは、わりとキャラクターが似ているんですよ。
会田:本当に石田さんが来てくれてよかった。この女性4人になっての本番はまだなのですが、どういう感じになるのか、というところですね。一応、4人で写真を撮る時に、服だけはかわいくしておきました。(一同爆笑)

第1部は、元気いっぱいの奥志賀Qと、ベテランのエクQ、それぞれの味わいを弦楽四重奏曲で聴き比べ。第2部は2つの団体ががっぷり4つに組んだエネスコの弦楽八重奏曲が今から楽しみです。

クァルテット・エクセルシオ×クァルテット奥志賀

■日時:2019年3月9日(土) 14:00開演

■会場:第一生命ホール
■出演

クァルテット・エクセルシオ[西野ゆか/双紙正哉(ヴァイオリン) 吉田有紀子(ヴィオラ) 大友肇(チェロ)]

*第2ヴァイオリンの山田百子が健康上の理由により出演できなくなりました。 代わって双紙正哉が出演いたします。

クァルテット奥志賀[会田莉凡/小川響子(ヴァイオリン) 石田紗樹(ヴィオラ) 黒川実咲(チェロ)]

■曲目

モーツァルト:弦楽四重奏曲 第16番 変ホ長調 K428 (クァルテット奥志賀)

ヤナーチェク:弦楽四重奏曲 第1番「クロイツェル・ソナタ」(クァルテット・エクセルシオ)

エネスコ:弦楽八重奏曲 ハ長調 Op.7

公演詳細は こちら

もうお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、先日、Webサイトをリニューアルいたしました!

インターネット・チケットサービスがスマートフォンからの予約にも対応してから約2年。遅ればせながら、公式Webサイトもスマートフォンに対応し、情報量はそのままに、より見やすく使いやすくなりました。

パソコンから見るとこんな感じのトップページが、

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スマートフォンからだと、メニューが折りたたまれてこんな感じに。

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FacebookやTwitterのほか、Webサイトでも引き続き様々な情報を発信していきますので、ぜひこれからもチェックしてくださいね。

すぎ

今や日本を代表するクァルテット・エクセルシオ(以下エクQ)が、次世代の若いクァルテットと共演する企画が今年からスタート。
第1回は「クァルテット奥志賀(以下奥志賀Q)」との共演です。
エクQ3人と奥志賀Q4人にお集まりいただき、伺ったお話を、何回かに分けておおくりしています。
前回のブログでは、エクQが奥志賀Qを選んだ理由や、奥志賀Qの結成についてをご紹介しました。 前回のブログは、こちら

★IMG_6902 - コピー.JPG


共演するエネスコの弦楽八重奏曲について

会田:大友先生から小川さんのところに、「パート分け決めました、これで」って、いきなり降ってきた。どれを弾くのか知りたくて小川さんから聞いてもらったのですが、予想に反したパートで。

――まず、2つのクァルテットが共演する曲を、エネスコの八重奏曲にしようと思ったのは、エクさんのアイディアですよね?

大友:そうそう。彼女たちと共演するんだったら、エネスコにしようと僕が言い出したかな。
黒川:八重奏って聞いていたので、メンデルスゾーンだなと思っていました。そしたら、「エネスコやるんだ?」って。
大友:メンデルスゾーンを演奏してしまったら、後がないじゃないですか。それと、エネスコも良い曲で、ずっとやりたいと思っていた曲だから。

――演奏したことは?

大友:やったことはないんです。
西野:エクではないです。
吉田:聴いたことしかないです。

――エクQとしても奥志賀Qとしても初めてなのですね。

奥志賀:めったにやらない曲ですからね。
大友:それを、できる人たちだと思って。

――パート決めはどのように?

西野:ヴァイオリンの4つのパートは、このクァルテットが1、2番で、このクァルテットが3、4番というのが、一番ノーマルなのですが、ミックスして演奏するのがおもしろいかなと思いました。ファースト・ヴァイオリンは奥志賀と決まっていたので。

――決まっていたのですか?!

(全員爆笑)
会田:もちろん、相談はないですよ(笑)。ファースト・ヴァイオリンは、ものすごく難しいです。これくらい高い音なのか、と思って見たら、上に点々(......)があり、さらにオクターヴ上?!って。今まで出会った中で一番難しい曲かもしれない。
西野:ぶっちゃけ、別格でファースト(1番)が大変。4番も要になるところがあるので、結構目立ちます。それで会田さんが1番、小川さんが4番と。

――ヴィオラとチェロのパートは?

吉田・大友:1番が奥志賀、2番がエクです。
石田:ヴィオラも、「なんで?」って感じなんですけど...。
会田:く、苦情??(爆笑)
吉田:だいたい八重奏曲をやる時は、下のパートをエクがやって、上のパートを他のみなさんにという形にしています。
石田:エネスコは、ヴィオラ1番が結構おいしいというか。
吉田:期待しています。
石田:最初、私が1番と聞いたとき、もうびっくりでした。音源を聴いてみて、え、これって1番ヴィオラ?と。この音が2番であることを願う、と思ったのですが(笑)。スコアの段を数えて、「あー5段目!!」って。いえ、楽しみなんですけど。先生たちの支えのもと弾けるのは。
会田:やはり下のパートが、しっかりしていないとダメなので、エクの皆さんに支えていただいて演奏できるのはうれしいです。いや、エクが2団体いれば良かったんですけど。
大友:チェロも、やはりどちらかというと1番がメロディーライン、2番は下でボンボンやっている感じだったと思います。最初から、結構音が分厚いですけどね。
一同:うんうん。分厚い。
石田:大友先生の音の運びが、好きです。
会田:すごいんですよ、本当にもう。
奥志賀(口々に):もう大好き! その上に乗って弾くのが楽しみです!
大友:2月に北杜市(八ヶ岳)で、エクと奥志賀で合宿をすることになっていますので、そこでエネスコも演奏してみるのが楽しみですね。
会田:エネスコの実演を聴いたことがないのですが、皆さんはありますか。
大友:サントリーホール室内楽アカデミーで取り上げられたことがありますね。竹澤恭子さんがファースト・ヴァイオリンを弾いていたことが強烈な印象で...。......そういえば、チェロはマリオ・ブルネロでしたね。

――ブルネロほどのチェリストの演奏が、一瞬、記憶から飛ぶほど、ファースト・ヴァイオリンの印象が強いんですか。

西野:はいっ!!
吉田:本当に、コンチェルト並みの演奏で。
会田:どのコンチェルトよりも難しいかも。
石田:コンチェルトは自分が弾けばいいけど、八重奏だと室内楽なので、やることも多いしね。
会田:今までの中で一番難しいかもしれません。実は、ルーマニア国際音楽コンクールで優勝したご褒美で、ルーマニアに行ったことがあるのです。博物館になっているエネスコの家にも行きました。エネスコの誰も弾かないようなソナタを弾いたこともあるので、エネスコ自体は結構身近ではあります。ただ、今回は、音数が身近じゃなかった......。
大友:ブカレストに、エネスコ音楽院があるよね。
西野:エクQとして現代音楽祭に参加しました。
吉田:4、5年前ですね。
会田:私が行ったのは、2011年です。エネスコに親近感をもてるのは、そのくらいかな。
石田:でもそれは大きいよね。
一同:(口々に)それは大きい。
会田:本当にがんばりますとしか言えません。今は。
エク:それは、こちらもです。

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それぞれの団体が演奏する弦楽四重奏曲について

――第1部はそれぞれの団体による弦楽四重奏曲ですが、奥志賀Qが弾くモーツァルトのヴァイオリンパートは、エネスコが決まった後に、ファースト、セカンドを決めたのですか?

小川:会田さんにファーストを、と言ったんですけど、お願いだから、と言われて......。
会田:エネスコのファーストは、数えるほどしか休みがないんだもん。
石田:体力を残しておきたいよね。

――プログラムは、まず共演するエネスコが決まってから、それぞれの曲を考えたわけですね。奥志賀として、モーツァルトK428にした理由は何でしょう。

会田:最初は、これまでに演奏したことあるモーツァルトの曲を出したのですが、このシリーズですでに他のクァルテットが弾く予定になっていて。
小川:「ハイドンセット」の中で考えようと思い、それで、これが良い曲なんじゃないかと。
石田:私は大学時代、自主的に組んだメンバーで最初に勉強したクァルテットの曲で思い出深いです。ヴァイオリンでしたが。温かみがあってすごく好きです。
田中:他のみなさんは、それぞれ弾いたことがあるのですか?
奥志賀3名:ないです。
黒川:「不協和音」はすでに演奏したことがあったので、初めての曲に挑戦しようとなりました。

――奥志賀Qとして、守りには入らないということですね。

会田:守れよって!!(一同爆笑)

――今は、海外にいるメンバーもいる中、なかなか合わせをする時間が取れないのではないかと思いますが、この仲の良さ、信頼感の強さから、攻めていってもいいものができるのではないかと感じますね。エクQの弦楽四重奏曲は、ヤナーチェク「クロイツェル・ソナタ」ですね。

大友:後半のエネスコに行くのに、(ヨーロッパの)東の方にだんだん行こうって感じだったんじゃないかな。
吉田:ここ数年、第一生命ホールではモーツァルト中心だったので、違った雰囲気の曲を楽しんでいただけると思います。

クァルテット・エクセルシオ×クァルテット奥志賀

■日時:2019年3月9日(土) 14:00開演

■会場:第一生命ホール
■出演

クァルテット・エクセルシオ[西野ゆか/双紙正哉(ヴァイオリン) 吉田有紀子(ヴィオラ) 大友肇(チェロ)]

*第2ヴァイオリンの山田百子が健康上の理由により出演できなくなりました。 代わって双紙正哉が出演いたします。

クァルテット奥志賀[会田莉凡/小川響子(ヴァイオリン) 石田紗樹(ヴィオラ) 黒川実咲(チェロ)]

■曲目

モーツァルト:弦楽四重奏曲 第16番 変ホ長調 K428 (クァルテット奥志賀)

ヤナーチェク:弦楽四重奏曲 第1番「クロイツェル・ソナタ」(クァルテット・エクセルシオ)

エネスコ:弦楽八重奏曲 ハ長調 Op.7

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