第一生命ホールを拠点とする「トリトン晴れた海のオーケストラ(晴れオケ)」が誕生してから3年。今年も秋に「晴れオケ」の定期演奏会を開催します。
1年目の2015年は、交響曲第40番をメインとする、オール・モーツァルト・プログラムで出帆。
2年目となる昨年度は、第一生命ホールの定期演奏会では交響曲第41番「ジュピター」などをおおくりしたほか、「横山幸雄 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全曲演奏会」のオーケストラとして東京オペラシティにも出演。この公演は、「音楽の友」誌で毎年行われる「コンサート・ベストテン」で、ベートーヴェンの専門家・平野昭先生に
第1位
に選ばれ、「この名演は矢部達哉率いる『トリトン晴れた海のオーケストラ』の奇跡的アンサンブルの妙によって実現したもの」と評価していただきました!
そう、指揮者なしの、この奇跡のアンサンブルが、「晴れオケ」の魅力です。
3年目となる今年は、奇跡のアンサンブルの要となっている首席奏者たちが集まっての「晴れオケメンバーによる室内楽」を初めて開催。
プログラミングをしたコンサートマスターの矢部達哉さんいわく「管楽器も入った室内楽ということで、選びました。」ということで、前半はまずベートーヴェンの若かりし日のヒット作、七重奏曲を。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、クラリネット、ファゴット、ホルンが各1本という他にあまりない編成で、それぞれの楽器の特性とともにお楽しみいただける大曲です。
そして後半は、シューベルトの晩年の大作、弦楽五重奏曲。通常の弦楽四重奏にチェロを1本足したというこちらも変わった編成で、第2チェロには、ゲストとして元東京クヮルテットのチェリスト原田禎夫さんを迎えます。
矢部さんが「中学生が大人になっちゃったみたい」と評する原田禎夫さん。「チェロをさらって(練習して)いるのが一番楽しいのだそうです。音楽も発想も若々しくて、若い人の意見を『いいね、それやってみよう』とすぐに挑戦するんです。本当にすばらしいですよ。心の底からお慕いしています」と絶賛。
原田さんを敬愛するのは、晴れオケのチェロ首席、山本裕康さんも同じ。シューベルトでは第1チェロを山本さんが演奏します。「第1チェロなんて言うとえらそうに見えますけど、音楽をつくるのは、第2チェロなのです。禎夫さんがこの曲を演奏するのを何度も聴いていますが、第2チェロのお手本のようで、こうやって音楽ができているんだと分かる。特にピッツィカートですよね」と、すごさが分かる同じチェリストとして羨望のため息をつきます。
晴れオケメンバーだけでも楽しみなところに、達人・原田禎夫さんが入ってどんな化学反応が起こるのか、今から期待が高まります。
晴れオケの「奇跡のアンサンブルの妙」を、室内楽でもオーケストラでも、どうぞご堪能ください。
(たな)
トリトン晴れた海のオーケストラ 晴れオケメンバーによる室内楽
■日時:2017年10月7日(土) 14:00開演
■出演: 矢部達哉/松浦奈々(ヴァイオリン) 篠﨑友美(ヴィオラ) 山本裕康(チェロ) 原田禎夫(チェロ/ゲスト) 池松宏(コントラバス) 三界秀実(クラリネット) 岡本正之(ファゴット) 西條貴人(ホルン)
■演奏プログラム
ベートーヴェン:七重奏曲 変ホ長調 Op.20
シューベルト:弦楽五重奏曲 ハ長調 D956
■S席¥5,000 A席¥4,500 B席¥3,500 ヤング¥1,500(小学生以上、25歳以下) 2公演セット券 S¥10,000( *11/11トリトン晴れた海のオーケストラ第3回演奏会 )
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