ふたりでコンサートⅢ ~オペラの楽しみ~
報告:佐々木久枝(中央区勤務) 2FL1-17
投稿日:2006.12.4
前半は著名オペラからのハイライト集。ナヴィゲーターも務める牧野さんが軽やかにフィガロを歌いながら客席に登場。最初は驚いた様子のお客様も牧野さんならではのユーモアたっぷりのトークで大笑いしてすっかりリラックスしていました。私自身は牧野さんは藤原歌劇団の公演や、つのだたかしさんとの共演ステージで歌い口や素晴らしい解釈に魅了されていますが、この日は更にトーク名人というまたひと味違う面も見せていただきました・・・・職場にこのような上司がいたら人気出そうです(笑)。続く「椿姫」や「トスカ」の楽曲解説でも自らを"おやじ"キャラクターと称しつつ聴き手がスッと入りやすいように紹介しており、また実際の舞台のこぼれ話を交えて爆笑、また爆笑とステージを盛り立てていました。背面スクリーンには藤原歌劇団の公演ショットが映し出され、是非"フル"実演にもと熱心に紹介されましたが、今年は藤原オペラ鑑賞をちょっとお休み(?)していたのでまた再開しようかと思いました。「星は光りぬ」は学生時代に合唱団の先輩と仲間内のコンサートで共演時に弾いた事があり、ちょっと懐かしい思いで聴きました。
後半はミュージカルやオペレッタの名曲集がプログラミングされていました。シナトラヴァージョンで歌われたブレーン「あなたに素敵なクリスマスを」のピアノが印象的で、今度密かに弾き語りの練習の参考にしようかと思った程です。ドヴォルザークの1曲もまた学生時代に伴奏した思い出があり、この日は私自身にとってもいろいろ思い出されるひとときとなりました。グリーグの1曲はドイツ語テクストでしたが、カレーラスのカタルーニャ語版を愛聴している私には牧野さんの柔らかな声もまた魅力的に感じられました。またラミレス「アルフォンシーナと海」も切々とした歌い口ですっかり打たれました。「つばめ」の1曲もキャンディードのナンバーを思わせる広い音域を自在に操るテクニックが見事でしたし、レハールの一連のナンバーでも各歌手の演唱ぶりにすっかり引き込まれていきました。
アンコールのホワイトクリスマスでは2人のソプラノの巧みな重唱を男声がそっと包み込む素敵なアンサンブルを聴かせ、お客様も満喫された様子でした。公演後のエスカレーターでもそれぞれの"ふたり"が語らうほのぼのとした雰囲気に満ちており、この方達もまた時を重ねていくのだろうなと感じ入った次第です。
さて、今回同じく演奏を聴いた私の家族とは演奏会後にもんじゃ焼きを囲みつつ報告し合ったのですが、歌はもとより牧野さんと家田さんのトークに魅了されたそうです。また機会があれば招待したいと思います。
公演に関する情報
第一生命ホール5周年記念コンサート
〈ライフサイクルコンサート#18〉
ふたりでコンサートⅢ ~オペラの楽しみ~
日時: 2006年12月3日(日)15:00開演
出演者:家田紀子、小林厚子(ソプラノ)、中鉢 聡(テノール)、牧野正人(バリトン)
藤原藍子(ピアノ)
演奏曲:
第1部
ロッシーニ:歌劇「セヴィリアの理髪師」より 私は街の何でも屋
ヴェルディ:歌劇「椿姫」より 二重唱~天使のように清らかな娘を~
プッチーニ:歌劇「トスカ」より第1幕 妙なる調和 愛の二重唱、
第2幕 ひとり寂しい夕食は 歌に生き恋に生き、第3幕 星は光りぬ
第2部
ロイド=ウエッバー:「オペラ座の怪人」より All I ask of you
ロイド=ウエッバー:ピエ・イエズ
ブレーン:~あなたに素敵なクリスマスを
マスカーニ:アヴェ・マリア
ドヴォルザーク:我が母の教え給いし歌
グリーグ:君を愛す
ラミレス:アルフォンシーナと海
プッチーニ:歌劇「つばめ」よりドレッタの夢
レハール:喜歌劇「微笑みの国」より 君こそわが心、
喜歌劇「世界は美しい」より 私は恋に落ちたの
喜歌劇「メリー・ウィドウ」より 祖国のためなら、愛のワルツ
アンコール:ホワイトクリスマス(牧野正人アレンジ)