クス・クァルテット
Homage to Mozart-モーツァルト生誕250年に寄せて
報告:川澄直美/会社員/2階R3列46番
投稿日:2006.02.28
今回のSQWは、クス・クァルテット。
昨年の秋、古典四重奏団を聴いた後、いくつか弦楽四重奏を聴いてみようと思いつつ弦楽四重奏の曲もアーティストも私は詳しくない。
そんなとき、TANのスタッフさんから「クスはおすすめ」教えていただいたの楽しみにしていました。
今回のプログラムは、モーツァルトとベルグとベートーヴェン。3人ともウィーンで活躍した作曲家です。
今年はモーツァルト生誕250年。テレビでも、CD屋さんでも、本屋さんでもモーツァルトを取り上げているところが多い。
本日のプログラムでは、モーツァルトが最初と最後に作った弦楽四重奏の楽曲が選曲されている。
最初の曲は、K.80の弦楽四重奏。プログラムによるとモーツァルトが最初に作っ た弦楽四重奏です。第1楽章の最初の音が、ふぁっと流れてきたようで心地よかった。
今回、弦楽四重奏を初めて2階席で聴いたのですが、とてもいい。2階席を希望するお客さんがいらっしゃると聞いていたけれど納得。
2曲目はベルグの弦楽四重奏曲op.3。プログラムによれば初期の代表作で、1910年の作品。となると、私にとって、なじみが薄い現代音楽の時代。ベルグの作品を聴くのもおそららく初めてに近い。出だしの音を聞いた瞬間「あ。現代音楽。」と反応してしまい、首がすくんでしまった。でも、それも最初だけで、聴いている間に少しずつ馴染んでいくのが、なんだかうれしかった。
前半最後の曲は、モーツァルトの最後の弦楽四重奏曲でアダージョとフーガ。
なんか聴いたことある曲だなと思いつつ、フーガだからバッハに似ているのかしらと聴いていました。
アダージョは力強くゆったり。フーガはあちらこちらから音が現れつながっていく様子が楽しい。この曲は、アドベントのクリスマスコンサートで聴いたことを帰宅後、思い出しました。
休憩でエスカレーターを降りている途中、CDを購入しているお客さんが見えた。買いたくなるよなぁと思いながらもその時は購入せず。休憩後は、べートーヴェンの弦楽四重奏第8番作品op.59-2「ラズモフスキー第2番」。
プログラムを読んでいて、ふと気づいたのが、この作品を作曲した年ごろと今の私が同じ頃らしい。ミロ・クァルテットを聴いたからか、普段気にしない、そんなことも考えながら演奏を聴いていました。TANの法人会員「ラズモフスキー・サークル会員」という名称は、ここからきているのかしらと考えている間に、第2楽章。
なんだか哀しいメロディーにつられて涙が滲んでしまいそうでした。CD買おうと決めたのはこの時です。
そういえば、ベートーヴェンはドイツ生まれ。クス・クァルテットもドイツ。
ドイツ人が演奏するベートーヴェンて、いいなぁ。ドイツで聴いてみたいなんて夢みたいなことが頭に浮かんで消えていました。
3楽章で我にかえって、最終楽章で笑顔になってプログラムは終了。
アンコールで、J.S.バッハのオルガン曲「様々な手法による18のライプツィヒ・コラール集よ18われは汝の御座の前に進む(われら悩みの極みにありて)」を演奏する前に、日本語で挨拶してくれたのがほほ笑ましかった。
終演後、CDを購入したとき、残り枚数がかなり少なかったみたいです。
本日演奏したモーツァルト2曲とも収録してあったから、思わず購入したお客さん多かったんだと思います。
帰宅途中、サブテキストを読んでいて、この日の裏テーマがバッハとあり。
ウィーンで活躍した3人のプログラムの中、アンコール曲がバッハの作品だったのはそういうことだったのかと納得。
公演に関する情報
〈クァルテット・ウェンズデイ#46〉
クス・クァルテット
Homage to Mozart-モーツァルト生誕250年に寄せて
日時: 2006年2月22日(水)19:15開演
出演者:クス・クァルテット
[ヤナ・クス/オリヴァー・ヴィレ(Vn)、
ウィリアム・コールマン(Va)、フェリックス・ニッケル(Vc)]
演奏曲:
モーツァルト:弦楽四重奏曲第1番ト長調K.80
ベルク:弦楽四重奏曲作品3
モーツァルト:アダージョとフーガ ハ短調K.546
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第8番ホ短調作品59の2「ラズモフスキ-第2番」