古典四重奏団 バルトーク弦楽四重奏曲全曲演奏会1
報告:井出春夫/会社員(TANサポーター)/2階L2列47番
投稿日:2005.10.1
古典四重奏団 バルトーク弦楽四重奏曲全曲演奏会其の一
SQW2005-06シーズンのカルテットウェンズデイがスタートした。そして、シリーズ最初の演奏を飾るのが、古典四重奏団によるバルトーク。正直なところ、個人的にはバルトークのカルテットはこれまであまりなじめなかった。いつだったか、駿河台のホールでバルトークを聞いたことがあった。いい演奏だったが、やっぱりバルトークに距離感を感じていた。そんなわけで少しばかりの不安と、余裕を持って聞いてみたいという気持ちから会社を一時間早く切り上げ、同僚の冷たい視線を背に感じながらホールに向かった。
結論からいうと、とても素晴らしい演奏であった。なんて書くといかにも安っぽい。しかし、適当な言葉が私には見つからないのである。第1曲目から、こんな弾き方をしていたら3曲目まで体力が持つかしら?と思うようなハイテンションの演奏。曲の激しい所では4人が火花をちらし、静かなところでは、とても暖かいものを感じた。3曲の四重奏曲の中には、ハイドンやモーツァルトのような4声が重なった時のきれいな響きが鳴る訳ではないけれど、それでも今回のバルトークは、きれいだったし、私が今まで持っていたバルトークの距離感をなくしてくれた。3曲ともよかったが、個人的には、第2番の第3楽章の終わり方が感動的であった。
古典四重奏団は、今回も暗譜で演奏した。聞いていると「骨の髄まで楽譜を知ってます」という風にも思えたし、特に4人が無理に合わせようと思わないでも、自然に合っているように感じられた。またこの日は、聴衆と演奏家が一体化したとても素晴らしい一夜でもあったように思う。
コンサートの後、サイン会があり、その後、レセプッション。いい音楽で腹一杯だったが、喉は乾いていた。そして、他のTANサポーターの方たちも多数参加されていたのでレセプションに参加した。演奏家の方の話を聞いたり、一緒に演奏を聞いた方と話をしていると、ついつい時間のたつのもわすれてしまった。
レセプションで、「演奏がよかった」と話していたら、非常に迷惑な話かも知れないけど極めてつきなみな言葉で、「演奏がよかった」とか、小泉首相みたいに「感動した」みたいなことをどこか残したくなってしまいTANスタッフに相談したら「是非に」とのこと。お恐れながら、この「タンモニ」に駄文を書いてしまいました。
公演に関する情報
〈クァルテット・ウェンズデイ#41〉
古典四重奏団 バルトーク弦楽四重奏曲全曲演奏会1
日時: 2005年9月28日(水)19:15開演
出演者:古典四重奏団
[川原千真/花崎淳生(Vn)、三輪真樹(Va)、田崎瑞博(Vc)]
演奏曲:
バルトーク:弦楽四重奏曲第1番作品7Sz40、
弦楽四重奏曲第2番作品17Sz67、弦楽四重奏曲第3番Sz85