ベートーヴェンの弟子(でし)たち
ピアノを習ったことのあるお友達なら、「ツェルニー30番」「40番」「50番」などを練習したことがあると思います。この練習曲を書いたツェルニーは、ベートーヴェンにピアノを習っていた弟子でした。
若いころのベートーヴェンは、貴族のお嬢さんなどたくさんの人たちにピアノを教えていましたが、作曲家として成功するようになると、あまり弟子をとらなくなりました。そんな中、そのピアノの演奏を聞いてすぐに「この子には才能がある」と言って弟子にしたのが、9さいのツェルニーでした。ベートーヴェンはツェルニーをとても信頼していて、ずいぶんあとに甥(おい)のカールにピアノを習わせることにした時にも、その先生に選んでいます。ツェルニーの生徒の中には、のちに超人気ピアニストで作曲家になったリストもいます。リストは11さいの時に、52さいのベートーヴェンに会っていて、耳が聞こえにくくなったベートーヴェンが他の人とお話しするために使っていた「会話帳」に、「日曜日に演奏会を開きますので、ぜひ来てください」という文字を残しています。
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
1770年ドイツのボン生まれ。小さいころに父からピアノを習い始めます。オーストリアのウィーンに住み、9曲の交響曲をはじめ、32曲のピアノ・ソナタ、16曲の弦楽四重奏曲など、数多くの優れた曲を残しています。
交響曲、弦楽四重奏曲など、
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トリトンアーツ通信vol.191(2020年6月号)の記事を再掲しました