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小学生のための「ベートーヴェンってどんな人?」第7回

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実はベートーヴェンは、音楽家としてたいへんな病気になやまされていました。
20代の終わりのころから、だんだん耳が聞こえなくなってきたのです。他の人に気づかれないようにすごしていましたが、人の話がよく聞こえないことからぶっきらぼうな印象をあたえてしまうこともあり、それがまた友だちと楽しくすごすのが大好きなベートーヴェンにはつらかったようです。

思い悩んだベートーヴェンは、31さいの時に、ふたりの弟にあてて手紙を書きました。
書いた場所にちなんで「ハイリゲンシュタットの遺書(いしょ)」と呼ばれているこの手紙には、弟たちの幸せを祈り、友だちに感謝して「財産は仲良く分けなさい」「さようなら、私が死んでも私のことを忘れてしまわないでおくれ」と書かれているので、たしかに死んだ後にのこす「遺書」のようにも思えます。

でも
「希望を失って自殺しようと思ったこともある。芸術だけがそれを引きとめた」
「自分が果たすべきことをやりとげないうちには死ねない」
とも書いてあり、絶望で死にたい気持ちと、希望を持って生きたい気持ちとの間でゆれ動いている様子が分かります。この手紙は結局ポストに出されずに、20年以上たってベートーヴェンが亡くなった後に、机の引出しの奥から見つかりました。

その後、耳がまったく聞こえなくなってからも、ベートーヴェンはすばらしい作品を作り続けました。
「第九」(交響曲第9番)が初めて演奏された時には、大きな拍手が聞こえずにステージで楽譜を見ていたベートーヴェンを、歌手のひとりが振り向かせて、気づかせてくれたといわれています。
お客さまの拍手かっさいを見たベートーヴェンはどんな気持ちだったでしょうか。

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
 1770年ドイツのボン生まれ。小さいころに父からピアノを習い始めます。オーストリアのウィーンに住み、9曲の交響曲をはじめ、32曲のピアノ・ソナタ、16曲の弦楽四重奏曲など、数多くの優れた曲を残しました。

※これまでの記事はこちら

トリトンアーツ通信vol.175(2018年11月号)の記事を再掲しました

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