演奏会のプログラム(曲目)ってどうやって決めているの?
と疑問に思われたことはありませんか。
ソロ・リサイタルなどでは、演奏家が取り組みたい曲などが優先となる場合が多いように思いますが、「晴れオケ」の場合は、コンサートマスター矢部達哉さんにご相談します。
もともと、こちらからホールの大きさにぴったりのモーツァルトの交響曲をお願いしたところからスタートしており、昨年の第1回演奏会では、モーツァルトの最後の三大交響曲から、第40番ト短調を取り上げました。
今年の第2回演奏会で取り組むのは、第41番「ジュピター」。
昨年出番のなかったトランペット、ティンパニも入れた豪華な編成です!
その他の曲については、矢部さんと打合せをして決めたのですが、それが、ちょうど去年の今頃のことでした。
矢部さんの音楽雑誌社でのインタビューの後に、待ち合わせた喫茶店で、
「15周年だし、何か協奏曲で華やかにできないかな」
「(ヴァイオリンとヴィオラがソロの)協奏交響曲はどうかな」
などと色々アイディアが出る中、
「モーツァルトの協奏曲で一番いい曲ってなんだろう」
「やっぱりクラリネット協奏曲じゃないですか」
と話していたその時、同席していた矢部さんのマネージャーさんが、ふと、
「ポール・メイエがちょうど日本にいるかも」
とつぶやいたのです。
彼女は、ポール・メイエのマネージャーでもありました。
世界トップのクラリネット奏者ポール・メイエさんは日本でも大人気。
ちょうど、エマニュエル・パユなど世界のスーパースターと組むアンサンブル「レ・ヴァン・フランセ」で来日中だということで、もともと超がつく忙しい日本ツアーではあったのですが、以前、アルティ弦楽四重奏団で共演して、すっかり意気投合した矢部さんのためなら、とスケジュールをやりくりして、この珠玉のクラリネット協奏曲を共演してくれることになりました。
実は、このプログラム決めの打合せをしていたカフェの名こそ、PAUL(ポール)。
「ポールで、ポールに演奏してもらうことが決まっちゃった」と矢部さん。
プログラムは、こんな風に決まることもあるんですね...。
編成やそれに伴う出演料など、もろもろ考えて、出演交渉して、
勉強と検討を重ね、最後は幸運(?!)にも助けられたりして
プログラムは決まるのです...!
≪コンサートマスター矢部達哉率いる室内オーケストラ≫
トリトン晴れた海のオーケストラ 第2回演奏会
2016年10月30日(日)14:00開演
■演奏プログラム
<オール・モーツァルト・プログラム>
クラリネット協奏曲 イ長調 K622 (ソリスト:ポール・メイエ)
交響曲第41番 ハ長調 K551 「ジュピター」 ほか
公演の詳細は こちら
昨年の第1回演奏会の記録映像を一部公開しています。
ぜひ聴いてみてください!