いよいよ今週末に、現在最高峰ともいえるフランスのピアノ三重奏、トリオ・ヴァンダラーの公演が迫ってまいりました。
「室内楽の魅力~ブラームス」シリーズ第4回として実施するこの公演ですが、プログラム最初に演奏される、ブラームスのピアノ三重奏曲第1番Op.8には、2つの版が存在することはご存知ですか?
ブラームスは1854年にピアノ三重奏曲第1番Op.8を作曲し出版しましたが、1889年に自身の手による改訂版を出しており、今日一般的に演奏されるのはその改訂版の方です。
トリオ・ヴァンダラーは、以前にブラームスのピアノ三重奏曲全3曲CDを録音した際は改訂版で演奏していますが、今年1月に新しく、1854年に書かれた初稿版の録音をリリースしました。
......初稿版と改訂版、どう違うのか気になりますよね?
実は、インターネット上の音楽配信サービス「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」では、トリオ・ヴァンダラーによる2つの録音を聴き比べることができます。(会員の方でなくても15分間無料で視聴可能です。)
早速聴いてみましょう!
ピアノ三重奏曲第1番ロ短調Op.8
第1楽章の始まりのテンポから、すでに違いますね。楽譜を見ると、初稿版はAllegro con moto、改訂版はAllegro con brioとなっています。でも少し速めのテンポで始まった初稿版の第1楽章は17分43秒と、改訂版の14分53秒より長いんです! 改訂した際に、ブラームスがばっさばっさと削ったのでしょうね。そして、よく聴く改訂版の方では満を持して登場する感のあるヴァイオリンが、あ、もうこんなところから出てくるんだ...!と、つっこみどころ満載。
さすがはトリオ・ヴァンダラー、どちらも聴きごたえのある録音なので、聴き比べも贅沢です。
コンサート当日は、プログラムの中で演奏するのは改訂版ですが、もしかしたら、ちらっと初稿版も聴けるかも...??
どうぞ世界最高峰の常設トリオによるブラームスをお楽しみください。
(たな)
〈ウィークエンド・コンサート〉
室内楽の魅力
ブラームス 第4回~トゥーン湖畔の夏
トリオ・ヴァンダラー
2016年6月4日(土) 14:00開演
◆出演:
トリオ・ヴァンダラー
[ジャン=マルク・フィリップ=ヴァルジャベディアン(ヴァイオリン) ラファエル・ピドゥ(チェロ) ヴァンサン・コック(ピアノ)]
◆演奏プログラム
ブラームス:
ピアノ三重奏曲第1番ロ長調Op.8
チェロ・ソナタ第2番ヘ長調Op.99
ピアノ三重奏曲第3番ハ短調Op.101
◆料金
S席5,000円 A席4,500円 B席3,500円
ヤング1,500円(25歳以下)
◆チケットのご予約・お問い合わせ
トリトンアーツ・チケットデスク
TEL:03-3532-5702(平日11:00~18:00)
公演詳細は こちら
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