ベートーヴェンといえば、「第九」や「運命」などの交響曲が有名ですが、最後の交響曲「第九」を書いた後、最晩年まで作曲に力をいれていたのは、弦楽四重奏曲だったようです。若いころから最晩年まで弦楽四重奏というジャンルを書き続けたベートーヴェンの弦楽四重奏曲は、作曲年によって前期・中期・後期と分けることができます。
今回エルデーディ弦楽四重奏団が演奏するのは、後期の第12番と第14番です。
第12番は、後期の第1作目と位置づけられます。直前まで、交響曲「第九」を作曲し、また前作第11番「セリオーソ」からは、10年以上の時が経っており、作風が大きく変わっていてもおかしくありませんね。
そして、第14番は7楽章(楽章とはとらえないと考える研究者の方もおられます)を休みなく続けて演奏する、奥深く、長大な旅のようです。
ベートーヴェン後期の弦楽四重奏曲は、弦楽四重奏団を結成している演奏家さんにとって、いつかは演奏したい作品だそうで、エルデーディ弦楽四重奏団のみなさんも、「弦楽四重奏をやる究極の目的みたいなもの」ともおっしゃっています。
エルデーディ弦楽四重奏団のベートーヴェンに対する想いを、ぜひ聴きにいらしてください。
(くろ)