古典四重奏団〈#74〉
~ベートーヴェン・ツィクルスvol.1-2~
私は大学時代室内楽サークルに所属していましたが、プロの四重奏というのを聴いたことがありませんでした。そんな私が聞くことになったのは、ソナタ形式を限りなく発展させたベートーヴェンの四重奏曲第四番、第五番、第六番。
お洒落な晴海トリトンスクエアの中心部にある第一生命ホールは、オーケストラを演奏するには小さそうなかわいいホール。ロビーからは隅田川が見えます。私の席は2階の右サイドでしたが、会場の音響はよくて、演奏が始まるとすぐにうっとりしてしまいました。
曲はどれもベートーベンらしい個性的なモチーフと展開で、さすがベートーベン、という感じでした。バイオリンに触れたことのある身として感想を付け加えると、弾くのは難しそうです。
これらの曲をすてきに演奏してくれたのは、古典四重奏団というユニット。結構知名度も高いそうなのですが、申し訳ないことにプロの四重奏自体聴くのが初めてなので、もちろん彼らの演奏を聴くのも初めて。とても上手でした。ウワサによると、彼らは古典的な解釈に基づく弾き方をしているらしいので、これらの曲の初演もこんな演奏だったのかな、と想像を掻き立てられました。ファーストバイオリンの音程が「音程通り」な気がして、少しうわずったソロに聴き慣れているためか不思議な感じがしました。これも「古典的」の一部なのでしょうか。
第六番、第五番と演奏は進み、20分の休憩のあと第四番。第四番はこの中で私が唯一聞き覚えのあった曲で、交響曲第五番(運命)と同じハ短調の カッコイイ曲です。楽しい時間はあっという間に過ぎ、終演。休憩の前が二曲だったんだから、もう一曲やって欲しいな、と名残を惜しみつつ会場を後にしました。四重奏、また機会があれば聴いてみたいところです。
公演に関する情報
〈クァルテット・ウィークエンド 2008-2009 Galleria〉
古典四重奏団〈#74〉
~ベートーヴェン・ツィクルスvol.1-2~
日時: 2008年10月19日(日)15:00開演
出演者:古典四重奏団
川原千真(第1ヴァイオリン)/花崎淳生(第2ヴァイオリン)
三輪真樹(ヴィオラ) 田崎瑞博(チェロ)
演奏曲:
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第6番変ロ長調op.18-6
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第5番イ長調op.18-5
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番ハ短調op.18-4