古典四重奏団~ショスタコーヴィチ・ツィクルスvol.1-3~
古典四重奏団による三回目のショスタコーヴィチの演奏会。残念ながら、1曲目には間に合わず途中からモニターで聞いた。前回も遅れてしまったのだが今回は、1曲だけでも良いから聞きたいと思ってホールに駆けつけた。
前回の演奏会で今まで聞き慣れていた生々しいショスタコーヴィチの演奏とはひと味もふた味も違う古典四重奏団の演奏に魅せられてしまった。正直言ってショスタコーヴィチをこんなに美しく演奏してしまっていいのだろうか?と思った。
ホールの中に入ってみるとお客さんは前回と同様あまり多くない。もう少し多くの方に聞いて欲しいと思った。
曲を始める前、少し長めのチューニングを行う。いつものことながら暗譜での演奏である。2曲目を聞いていたらなぜか「人は悲しみが多いほど人には優しく出来るのだから」という「贈る言葉」の一節が頭に浮かんだ。時折、何か強さみたいなものを感じたりもしたが終わった時ホッとした。
3曲目は各パート事のやりとりがとてもおもしろかった。そしてスリリング。
少し前にきれいな演奏と書いたのですが、ショスタコヴィチの音楽は耳触りの良い音ではありません。結構音同士がぶつかり合っていて、例えばピアノで弾いたりしたらちょっと嫌な感じとも思えそうな何とも不思議ないい響きに聞こえました。(弦楽器とピアノでは根本的に違いますが)でもこれはライブでしか経験できないことのように思います。
とても贅沢な時間を過ごしたような気がしました。
公演に関する情報
〈クァルテット・ウェンズデイ#61〉
古典四重奏団~ショスタコーヴィチ・ツィクルスvol.1-3~
日時: 2007年11月7日(水)19:15開演
出演者:古典四重奏団
[川原千真(Vn1)/花崎淳生(Vn2)、三輪真樹(Va)、田崎瑞博(Vc)]
演奏曲:
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第7番嬰ヘ短調作品108、第8番ハ短調作品110、第9番変ホ長調作品117