ニューイヤーコンサート2006
~ウイーンの香りに包まれて~
報告:川澄直美/会社員/1階12列29番
投稿日:2006.01.31
ホールに向かう電車の中で「今日はいつもより早い」ということに気づき、開演時間に間に合うかどうか瀬戸際だったので、JRの新橋駅で降りてタクシーに乗ることにしました。この時、既に7時15分前でした。運転手さんに「7時からトリトンスクエアーの第一生命ホールでコンサートがあるので、近道で」とお願いして、7時数分前にトリトン前に到着し、エスカレーターを駆け登り、開演前ぎりぎりに着席。息を整えている間に、1曲目が始まろうとしていました。ニューイヤーコンサートなんだから、本当は、ゆったりと開演時間がくるのを待てればよかったんだけど、そうはうまくはいきません。1曲目は、記念年であるモーツァルトのオペラ「フィガロの結婚」序曲。昨年の秋、このオペラを見たので、そのときのことを思い出している間に、あっという間に次の曲へ。プログラムによると、2曲目は、モーツァルトのあまり知られていない小曲4曲をチャイコフスキーが編曲して組曲にした「モーツァルティーナ」。ちょっと長めの曲だなと思い始めた頃、「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を題材にしていた第3曲でした。この「アヴェ・ヴェルム・コルプス」は、合唱で歌ったことがあったからか、演奏に引込まれていました。つられて歌いそうになりそうなんだけど、そう簡単には歌わせてくれないという編曲。最後の第4曲の最後のほうの管楽器のソロを聴いていたら、このホールで管楽器のコンサート聴いてみたくなっていました。
それまで「この曲、長いな」と思っていたことを忘れていました。そして休憩時間。私にとって、演奏会の楽しみは、休憩時間でもあります。顔なじみの人に会えたとき、つかの間の立ち話は演奏と同じくらい癒されます。一人ででかけた場合でも、美味しい飲み物をいただいたりなど、ちょっとした贅沢な時間です。後半はいよいよ、シュトラウスの名曲とマスネの歌劇「タイス」より"瞑想曲"。ニューイヤーコンサートといえば、ヨハン・シュトラウス。といえば、私の場合、お正月にこたつで、みかん食べながらのテレビ鑑賞というイメージがあります。私自身、ホールに足運んで、ウィンナーワルツを聴く機会というのは、そう滅多にないこと。どう楽しもうかと、かわらばんでの沼尻さんのインタビューを読んでみたら、「お節料理みたいに楽しめば...」とのこと。なるほど。そんなんでいいのね。と、気楽に「この曲、好きだな」とか、「指揮者の動きがおもしろい」などと、楽しんでいるうちに終ってました。でも、なんか足りない。「春の声」も「皇帝円舞曲」も「美しき青きドナウ」も聴いたのに、物足りない。なんでだろう、とにかくアンコール聴きたいと拍手。そういえば、第2部が始まるときの沼尻さんのお話で曲目のことをお話していました。そのこと思い出し、早く聴かせてほしいなと思っていたら、ほどなく登場。演奏されたのは「トリッチ・トラッチ・ポルカ」「ピチカート・ポルカ」「ラデッキー行進曲」の3曲でした。まず、アンコールがあったことを喜び、「ピチカート」の奏法に目と耳を集中してしまい、最後に、沼尻さんは客席に向かっての指揮。客席のお客さんも、ウィーンにいるような雰囲気になっていたような...。楽しんでいたのは間違いない。終った後、帰り支度しながら、まわりのお客さんの表情が楽しそうでした。私も、この3曲があったので、大満足のまま、都バスに揺られて勝鬨橋の夜景を見ながら帰路につきました。第一生命ホールがあるトリトンスクエアーのイルミネーションもなかなか楽しいし、都バスの通るコースも夜景が綺麗。そんなこともホールへ出かける、楽しみのひとつです。
公演に関する情報
ニューイヤーコンサート2006
~ウイーンの香りに包まれて~
日時: 2006年1月20日(金)19:00開演
出演者:指揮:沼尻竜典、トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ
演奏曲:
W.A.モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」K.492より序曲、
チャイコフスキー:組曲第4番ト長調Op.61「モーツァルティアーナ」、
J.シュトラウスⅡ:喜歌劇「こうもり」序曲、行進曲「ペルシャ行進曲」Op.289、
マスネ:歌劇「タイス」より瞑想曲(独奏 佐 利 恭子)、
J.シュトラウスⅡ:ワルツ「春の声」Op.410、ポルカ「浮気心」Op.319、
ワルツ「皇帝円舞曲」Op.437、ワルツ「美しく青きドナウ」Op.314