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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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アーティスト・インタビュー

丸山泰雄

育児支援コンサート~子どもを連れて、クラシックコンサート

子育て中のご家族のための人気企画「育児支援コンサート~子どもを連れて、クラシックコンサート」。第1部、大人がホールでコンサートを聴いている間は、子どもは別室の音楽スタジオで楽しい音楽体験を。第2部は親子一緒にホールで「音楽と絵本」をお楽しみいただきます。
今年ご出演いただくスーパー・チェロ・アンサンブル・トウキョウは、チェロ12人で演奏することが多いのですが、今回はホールの規模などの関係もあり8人編成で演奏します。リーダーの丸山泰雄さんにお話を伺いました。

お父さんお母さんは、ホールで本格的な演奏
お子さんは、音楽スタジオで音楽体験を

第1部のホールでは僕が無伴奏でチェロを演奏します。バッハから、黛敏郎の「BUNRAKU」、ソッリマの「ラメンタツィオ」まで、チェロ1本でも多彩な音をたっぷりと楽しんでいただきたいと思います。僕は実家が仙台なので、先日も被災地で小学生にこうした曲を弾いてきましたが、初めて聴いても皆とても喜んでくれました。
4歳から6歳のお子さんの入る音楽スタジオでは、4つの部屋に分かれて、間近で他のメンバーによるチェロのミニ・コンサートとワークショップをお届けします。

チェロの魅力

お子さんもホールに入って一緒に楽しんでいただく第2部では、舞台にチェロ8人が並んで演奏します。第1部はチェロ1本でしたが、今度はチェロが8人の編成に広がります。
チェロはとても音域が広く、1種類の楽器でこれだけの音域が出るのはピアノを除くとチェロだけ。オーケストラの楽器で言えば、打楽器やコントラバスから、中音域はもちろん、ヴァイオリンやピッコロの音域までカバーします。8人全員で同じメロディーを弾くこともできるし、一瞬で4声や8声に分かれてハーモニーを奏でることもできます。それがこの楽器の他にない特性です。最大の魅力は、もっとも人間の声に近い音色ですね。大昔から楽器の形はほとんど変わっていないのですが、演奏する人間の方が、例えば、肘の角度を少し変えたり、指を曲げたり、押さえる場所を少しずらしたりする、ちょっとしたことで、音色が無限に変わります。だからチェロは、その人が出したい音によって、楽器の構え方や弾き方が違い、個性がそのまま演奏に出ます。「音楽と絵本」ではスクリーンで映す絵本だけでなく、そうしたプレイヤーの個性も楽しんでいただければうれしいですね。

親子そろって「音楽と絵本」

僕にも3歳の子どもがいますが、絵本はいただいたり買ったりしてどんどん増えます(笑)。いい絵本は大人になっても心に残るでしょうし、音楽と同じくらいすばらしい力があると思います。言葉がいいだけではなくて、絵に魅力とインパクトがあるものという視点で「銀河鉄道の夜」(作:宮沢賢治、絵:清川あさみ)を選びました。僕自身もこのコンサートを楽しみにしています。

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宮沢賢治の不朽の名作「銀河鉄道の夜」に、清川あさみさんの幻想的な絵と人間の声に近いといわれるチェロの響きが合わさり、ホール全体がまるで宇宙のように感じられるかもしれませんね。どうぞお楽しみに!

〔聞き手・文/田中玲子〕