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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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アーティスト・インタビュー

昨年の公演より ⓒAZUMA ODA

ARCUS

子どものためのクリスマス・オーケストラ・コンサート

今年のクリスマス・イブにおおくりするのは、オーケストラARCUS(アルクス)による「子どものためのクリスマス・オーケストラ・コンサート」。リハーサルを終えたARCUSの皆さんの練習場へおじゃましてお話を伺いました。
NHK交響楽団など全国の様々なオーケストラで活躍する若手の演奏家たちが集うARCUSは、昨年の第一生命ホール「オープンハウス」や「夏休み キッズのためのコンサート」にもご登場いただきました。自分たちで企画する定期演奏会の他に、子供向けのコンサートに積極的に取り組んでいますが、クリスマス・コンサートは初めてとのこと。12月のプログラムについて、皆さんで熱い議論を戦わせて決めてくださいました。

クリスマスによく聴く名曲を、さまざまな編成で。

弦楽器、管楽器、打楽器それぞれの魅力が味わえるプログラム

最初は華やかに、『水上の音楽』で、ファンファーレのように始まります。オーケストラの中で活躍する様々な楽器を紹介しながらプログラムを進めたいと思いますので、まず『水上の音楽』では、ぜひホルンやトランペットといった金管楽器の魅力を楽しんでください。
次は、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスといった弦楽器たちが主役。『2つのヴァイオリンのための協奏曲』で、弦楽器の響きを味わっていただけます。
室内オーケストラから室内楽まで1つのコンサートの中で色々な編成をお届けできるARCUSならではの良さを生かして、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンは、木管五重奏でご紹介しましょう。クリスマスらしく『くるみ割り人形』を、木管五重奏版で演奏します。
アンダーソン作曲『そりすべり』では、どんな音が聞こえてくるか、よく聴いて、楽器も見てくださいね。色々な種類の打楽器をお楽しみいただけると思います。
続く『クリスマス・フェスティバル』は、『もろびとこぞりて』『ひいらぎかざろう』『あめにはさかえ』『ジングルベル』『きよしこの夜』などクリスマスの名曲がオーケストラでたっぷりと楽しめるメドレー。この曲では、希望者の小学生の皆さんに、舞台に上がってもらって、ぜひ間近でオーケストラの響きを感じてもらえたらと思っています。
最後に、ベートーヴェンの交響曲『運命』第1楽章をじっくりとお聴きください。誰もが知っている『タ・タ・タ・ターン』というリズムが有名なこの曲、普通は指揮者がいないとできないのですが、リハーサルを重ね、指揮者なしでアンサンブルを作り上げるARCUSならではの、迫力のサウンドをぜひ聴いていただきたいですね。クリスマスにハ短調の響きの『運命』で自分の運命を振り返ってみるのもいい...なんてことにはならないでしょうが(笑)、ARCUSとしても、ベートーヴェンの交響曲はどれも今後しっかり取り組んでいきたいと思っていますし、充実したものをお聞かせできるのではと思います。

演奏する側も楽しみな第一生命ホール

ARCUSはいつもこのように自分たちでとことん話し合ってプログラムを決めますので、コンサート前の準備期間から演奏者自身の責任感があります。自分たちで決めたプログラムだからこそ、やる気が違う。本当に楽しい活動です。
第一生命ホールは昨年も演奏しましたし、メンバーの中には、録音などで使った人もいますが、とても音響がいいですね。舞台だけでなく、ロビーや、楽屋などの舞台裏も含めてなんだか明るくてあたたかいイメージがあります。

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楽しい仕掛けがいっぱいのクリスマス・コンサート。「子どものための...」とありますが、どうやら大人の方にも楽しんでいただけそうです。ご家族笑顔で過ごしていただけるような、すてきなクリスマス・イブになりますように。
〔聞き手・文/田中玲子〕