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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

アウトリーチ

4年生はじめてのクラシック
 浜まゆみ(マリンバ)&
 小林拡史(打楽器)

中央区立有馬小学校
中央区立月島第三小学校

基本情報

日時 中央区立有馬小学校
2022年1月20日(木)9:50~10:35/10:50~11:35/11:40~12:20
中央区立月島第三小学校
2022年2月18日(金)10:40~11:25/11:35~12:20

出演 浜まゆみ(マリンバ)、小林拡史(打楽器)
概要 中央区立有馬小学校   対象者:4年生 人数:95名
中央区立月島第三小学校 対象者:4年生 人数:120名 

助成等:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)
   |独立行政法人日本芸術文化振興会

レポート


【プログラム】

♪M.シュミット:ガーナイア」
♪リムスキー=コルサコフ:熊蜂の飛行」
♪A.ゴメス & M.ライフ:レインダンス」
♪M.メンケ:アイネ クライネ ティッシュムジーク」
♪Z.アブレウ:ティコ ティコ」
♪A.ハチャトゥリアン:剣の舞」


【レポート】
 子どもたちから大きな拍手が起こる中、音楽室に奏者が入場。コロナ禍で色々な制約が起こっている中で、子どもたちがこの日をとても楽しみにしてくれていたことが伝わってきました。

小さな太鼓を交互に叩いて、会話のようにやりとりする2人。子どもたちにも同じリズムで参加してもらったところで、1曲目「ガーナイア」の演奏が始まります。両手で計4本のマレットを高速で自在に操る浜さんに、子どもたちはびっくり!続けて、音が出るということは何かが震えていること、マリンバの場合は叩いた気が震えて、それが共鳴管を伝わって音が響いてくること、木の震えはとても大きいことを体験も交えて楽しく教えてくれました。

次の熊蜂の飛行では浜さんがマリンバの周りを蜂のように飛び回り色々な方向から演奏をして、子どもたちは更にびっくり!●IMG_4036.JPG

3曲目のレインダンスでは、ボンゴ、ウィンドチャイム、レインスティックなど色々な打楽器を小林さんが即興で演奏。色々なイメージを自由に表現して良いことを教えてくれました。

色々楽しい演奏とお話をしてくれた浜さんと小林さんは、ここで急に「お腹すいたな・・・」と言い出します。スプーンとフォークを取り出すと、とても素早い動きで色々な音色、リズムを奏でてくれました。

続いて演奏されたティコティコは子どもたちにも演奏に参加してもらいました。自分の体を楽器にして、リズムに合わせて音を出せば何でも楽器になること、音を奏でることはとても楽しいことを実感してくれたのではないでしょうか。

最後の曲は剣の舞。浜さんはマリンバ、小林さんはドラムセットを演奏し、迫力のある音と、とても真似できないテクニックに子どもたちは大盛り上がりでした。

(有馬小学校 トリトンアーツスタッフ 観察レポートより)


●出演者が打楽器を演奏しながら登場。小林さんは子ども達の周りを練り歩きながらジャンベを演奏。

 先生のあいさつの後、体育館の控室から出てくる浜さんと小林さん。見慣れない楽器をたたきながら出てくる二人が自分たちの周りをぐるぐる回るのを見て、この先、何が起きるんだろうという当惑と期待が交錯している感じがしました。
見慣れない楽器の演奏で始まるプログラムは、それまでCDでの音楽鑑賞しか経験のない小学校4年生児童にとって、とても不安と期待が交錯する時間だったのではないかと思います。

●マリンバの鍵盤に触れて、音の振動を体験

 マリンバ振動体験では、自分たちの仲間の児童及び先生があっと驚くのを見て、音が振動であることをなんとなく感じたとともに、自分も体験してみたかったという思いがひしひしと伝わってきました。
今回は1回のプログラムへの参加児童数が約70名と多く、全員が体験するのは時間的に無理だったため、各クラス代表2名と担任の先生だけしか体験できませんでした。しかし、可能ならばやはり全員に体験させてあげたいと改めて思いました。☆IMG_4636.JPG

●情景をイメージしながら音楽を聴く

  レインダンス、熊蜂の飛行の演奏中、子供たちは何かを思い浮かべながら音楽をじっくり聴いている様子が印象的でした。
浜さんの語りで、音楽とは音から何か情景を想像するものだということを、子供たちが実感としてとらえたからだと思えました。

特に、レインダンスの演奏後には、子供らしい斬新な発想の発言が続き、演奏者のお二人もびっくりしたそうです。音から何かを感じる、ということを、深く意識はせずに体験したのではないかと思います。
浜さんがイントロでいろいろな雨があることを子供たちから引き出していたので、子供たちは想像力を掻き立てながら音楽に引き込まれていったように見えました。

●後ろの席の子供たちにもよく見えるように、小学校の先生が大きなスクリーンに演奏風景を投影して下さいました

(月島第三小学校 トリトンアーツサポーター H. H. 観察レポートより)


【子どもたちのアンケートより】(両校より抜粋)


●両手両足がバラバラの動きをする小林さんと、片手にマレットを2本ずつ持ってマリンバを演奏する浜さん、すごいと思った。
●たくさんの打楽器がでてくるレインダンスが心に残りました。
●大粒の雨の様子、かみなり、空が晴れるところ、小鳥のさえずり、いろんな音がして森の中にいるようで驚きました。
●音で雨や蜂の様子を楽器で表現できてすごいと思った。
●ボディ・パーカッションはみんなで手をたたいたり足で音を鳴らしたりできて楽しかった。
●ジャンベとマリンバの音の重なり方がよかった。
●演奏を聞いていると元気になったので、音楽の力はすごいなと思いました。
●すごい迫力のある演奏だった ●音の強弱やゆっくりとかすごいスピードとかで雰囲気がすごく変わった。
●打楽器は叩く場所によって高い音と低い音がだせるとしりました。
●音楽は見て楽しい、聞いて楽しい、やって楽しい、すごいものなんだなと思った。
●全部楽譜を見ないで演奏していてすごいと思った。
●1つの音だけでいろいろな感じ方があることを知って驚きました。

プロフィール

浜まゆみ(マリンバ)  
桐朋学園大学打楽器科マリンバ専攻を首席で卒業。同大学研究科を修了した後、アメリカミシガン大学打楽器科大学院へ留学しました。
1999 年、第 2 回世界マリンバコンクール第 2 位。東京交響楽団、サンフランシスコ室内管弦楽団等との共演、国際打楽器芸術協会(米国)、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンにて演奏、海外にてマスタークラスを開催するなど、国内外でコンサートやアウトリーチなどを幅広く行なっています。

小林拡史(打楽器)  
桐朋学園大学音楽学部演奏学科打楽器専攻を卒業。大学を卒業した後、
オランダ・ロッテルダム音楽院のジャズ科で学び、ヨーロッパで録音やライブの演奏活動を始めました。現在は主に国内を中心にドラムセットの演奏をメインとした、タレントのバックバンドやライブサポート、また自身のバンドでのライブ活動なども行っています。クラシック、打楽器アンサンブルや
カホン、ジャンベなど民族打楽器も演奏します。

(C)photo by yuka yamaji