林光・東混 八月のまつり32
報告:M.K/葛飾区在住・司書
投稿日:2011.08.9
8月9日、生まれて初めて合唱のコンサートを聴いた
長崎に原爆が落とされた日に近い八月の上旬に毎年開催されているというコンサート。どんなメッセージがこめられているのだろうか。少し構えて席に着いた。
初めの「原爆小景」では、『水ヲ下サイ』の言葉がたくさんの声でどんどん重なっていき、ひとしずくの水が水の輪となって広がっていく様子や、川、湖、深い河、いくつもの水のある情景が目に浮かんできた。また、曲が進むのに合わせての空襲警報の音や飛行機から落とされる爆弾と思われる音が聞こえ、あちらこちらで叫んでいる人々の顔が見える...気がした。
言葉が声になり、音になり体中にしっかりと響いてくる、そしてそのイメージが見える。歌を聴いてこんな経験をするとは。人の声の力に圧倒された。
休憩を挟み、ピアノとヴァイオリンが加わり、「とこしへの川」。椅子に深く腰掛けじっくりと聴いた。
次のステージ、「ゴンドラの唄」、「早春賦」で会場は一気に明るい雰囲気に。照明のせいだけではない、ホール全体に♪や❤が飛んでいるのでは?と思えるぐらいの華やいだ空間の中で、私も体がゆれていた。
「死んだ男の残したものは」では率直に歌詞が心の中に入ってきて、人生ってこんな感じに終わるのだろうなと妙に納得してしまった。
最後の「黒い歌」は、普通で言う歌詞がなく言葉が重なり繰り返されているような曲だった。
今まで食わず嫌いだった(スミマセン)合唱。人の声って色んな表現ができるんだ。こんなに心に響いてくるものなんだ。林光氏の曲をもっと聴いてみたい。と思いながら帰り道では聞いたことのある「ゴンドラの唄」を口ずさんでいた。重い曲が多かったが楽しいひとときを過ごすことができた。音楽に感謝!
公演に関する情報
共催公演 TAN’s Amici Concert
林光・東混 八月のまつり32
日時:8月9日(火)19:00 開演
出演:林光(指揮) 東京混声合唱団(合唱) 山田百子(ヴァイオリン) 寺嶋陸也(ピアノ) 古賀満平(照明)