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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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アーティスト・インタビュー

小南満佑子(ソプラノ)

645コンサート~充電の60分
小南満佑子オペラ&ミュージカル

お仕事帰りに気軽にコンサートをお楽しみいただきたいというコンセプトの「645コンサート~充電の60分」。NHK朝の連続テレビ小説「エール」で、ヒロインのライバル夏目千鶴子役を好演した小南満佑子さんが第一生命ホールに初登場!子どもの頃から声楽を学び、ミュージカルだけでなく、オペラや歌曲にも真摯に取り組んできた小南さん。「エール」撮影時のお話やどんな歌手を目指していらっしゃるのかなどお話を伺いました。

「エール」(NHK「連続テレビ小説」2020年度前期放送)に出演の依頼が来たときはどんなお気持ちでしたか?

小南:すごく光栄でした。いままで舞台を中心に活動させていただいていたので、朝ドラなどドラマへのあこがれはひそかに抱いていましたが、ちょっと縁遠いものだと思っていたので。夏目千鶴子という独特なキャラクターをいただけたのも嬉しかったです。千鶴子と私とすごく似ている部分がたくさんあって、音楽の道を突き進んでいく一匹狼的なところ、まじめすぎるところなど、友人からも「そのままだね」と言われました(笑)。作曲家古関裕而さんが西洋音楽を学ばれて、暗い戦争の時期を挟んで、すばらしい歌謡曲も生み出していくという時代背景の中、音楽をとても大事に描いている作品だからこそ、出演させていただけたのかなと思います。

戦後、人々にとってどれだけ音楽が大切なものなのかということが、とても丁寧に描かれているドラマでしたね。

小南: コロナ禍で、音楽や芸術は大事だということをあらためて実感されている方も多いと思いますが、そういったメッセージもたくさん含んだドラマだったので、今、この作品をやるべきだったと思いますし、その気持ちを受け取ってくださる視聴者の皆さまがいて本当によかったなと思いました。

ドラマで歌われる曲は、台本の中で事前に決まっていたんですか?

小南:(主人公とオーディションで競う)≪椿姫≫のヴィオレッタのアリアなどは決まっていましたが、声楽の練習風景のシーンなどはご相談があって、リアルさが出るように、声楽を学ぶ学生が必ず歌う曲を音楽チームのスタッフさんとも相談して決めました。《ドン・ジョヴァンニ》の「ぶってよ、マゼット」などは私から提案しましたが、モーツァルトの曲は高校時代にたくさん学びましたので、想い入れのある楽曲を歌わせていただけたことは嬉しかったです。

共演者の方たちもミュージカル俳優の方が多かったですね。

小南:私は初めてのドラマ出演で、右も左も分からないままに現場入りしたので、最初こわかったのですが、東京音楽大学の先輩でもある山崎育三郎さんなど馴染みのある方々がいてくださったおかげで安心して挑むことができました。

小さい頃からミュージカル歌手を目指していらしたのですか?

小南:4歳頃からバレエやダンスを習っていて、ちょうど小学4年生の時に大地真央さん主演の「マイ・フェア・レディ」を観て、歌って踊ってお芝居をする華やかさにすごく惹かれて。まずは何を勉強したらいいのだろう?と考えて、声楽の勉強を始めました。踊りもクラシックバレエが基礎になりますし、歌も最初にきちんと声楽を学べたことはすごく良かったなと思っています。

そのまま、中学校、高校と声楽の道へ?

小南:高校は兵庫県立西宮高等学校音楽科でした。そこで他の楽器を学ぶ学生との交流がすごく刺激になりました。みなさん小さい頃からクラシックの楽器を突き詰めていて、自分はミュージカルに憧れを抱いているけど、クラシックをもっともっと勉強しなければいけないと思いコンクールに挑戦したりしました。学生時代の友達は今でも家族みたいな仲間で、その3年間があったからこそ今があると感じます。

ミュージカルとオペラでは歌い方が違いますよね?KominamiMayuko_3.jpg

小南:発声法が違いますね。オペラは全編音楽でつながっていますが、ミュージカルはセリフと歌とを楽しむものなので、セリフの延長線上に音楽を乗せるのが大切で、歌の部分でもセリフのように歌うためにマイクの力を借りています。クラシックの基礎の部分は変わらないと思いますし、素晴らしい総合芸術です。どちらも歌える女優を目指しています。

今回、オペラもミュージカルも一つのコンサートで聴くことができるのはとても楽しみです!

小南:オペラ、オペレッタ、ミュージカルと時代が流れていく感じなど、楽曲によってその移り変わりが随所に見えるものもあるので、そういった部分も楽しんでいただきたいと思っています。オペラがあってこそミュージカルがあって、ミュージカルもオペラの要素があってこそというところを感じていただけたらと思います。

また、ミュージカルの作品を演じる時に、英語の表現と日本語(訳詞)とは少しニュアンスが変わりますので、必ず英語版を勉強して原語を理解してから、日本語版にうまく取り入れるようにしています。ミュージカルは詞を大切に聴いていただきたいので、今回は日本語版で歌う曲も入れたいと思っています。

コンサート中のトークもお好きと伺ったのですが。

小南:そうですね、関西人なので(笑)。今回もいろいろとお話を交えながら楽しんでいただければと思っています。

好きなミュージカル作品と今後挑戦したいミュージカルの役柄を教えてください。

小南:アンドリュー・ロイド・ウェバーは大好きな作曲家で、「オペラ座の怪人」も大好きな作品なので、ぜひ歌いたいなと思って今回のプログラムに入れました。ずっと憧れなのは「エリザベート」です。

ミュージカル俳優の方は歌もダンスも演技も、なんでもできるのがすごいと思ってしまいます。

小南:やっぱり続けていられるのは「好き」だからだと思います。カーテンコールでのお客様の笑顔や、お客様からの熱量を肌で感じることができる「舞台」という空間が大好きです。役を作り上げていく上ですごく苦悩することもありますが、そういう過程も含めて「好き」なんだと思います。

子どもの頃からの夢を叶えて、スターへの階段を駆け上がっている小南さん。どんなお子さんだったのでしょうか?

小南:とても好奇心旺盛で、目についたものは何でもやりたい!という子でした。やらせてくれた両親には感謝しています。夢に向かって一直線でなくても、自発的に行動することをあきらめないでほしいですね。何にでも一生懸命取り組んでいれば、それがいつの日かきっと何かの糧になると思います。

一つのジャンルに囚われず様々なことに挑戦し続ける小南さんの「今」をお聴き逃がしなく!