お昼どき、プレトークに続いて広がる瑞々しい音楽の時間‥‥《雄大と行く 昼の音楽さんぽ》10月17日(木)の第20回は、石田泰尚&﨑谷直人(ヴァイオリン)のおふたりをお迎えします。ご両人とも神奈川フィルハーモニー管弦楽団のソロ・コンサートマスターとして楽団を支えながらソロに室内楽にと大活躍する、まさにスーパー・ヴァイオリン・ソロイスツ。ひとりでも凄い人がふたり揃って迫力が二乗!さらに今回は、ピアノで共演する山中惇史さんが特別に編曲も作って下さる贅沢なひととき。ピアソラ《リベルタンゴ》やベンジャミン《ジャマイカン・ルンバ》など、クラシック音楽の領域をおし拡げていったダンス・ミュージックの傑作たちをはじめ、心つかむに違いないプログラムです。
[聞き手・文/山野雄大(音楽ライター)]
石田:僕は感覚的に弾くタイプで、弾いている姿を見せながら「こうだから皆ついて来て」とやるんですけど、﨑谷さんは論理的に弾くタイプで、喋って説明するのが上手い。隣で弾くと僕も得るものが多いです。
﨑谷:僕からみると石田さんは‥‥[熟考して]上手いですね。弾いた音で人をぱっと惹きつけるヴァイオリニストって、そうそういないですし、誰が弾いているのか音ですぐ分かるというのも凄いこと。羨ましいと思いますし、演奏会でコンチェルトのソロを弾いたあと、後半で普通にコンサートマスターをしている。そんな人、います?(笑)
今回はピアソラ《リベルタンゴ》やベンジャミン《ジャマイカン・ルンバ》など、クラシック音楽の領域をおし拡げていったダンス・ミュージックの傑作たちもあれこれ弾いていただきます。
﨑谷:僕は曲に寄せていかないと弾けないタイプなんですけど、石田さん、何を弾いても最終的に石田節みたいな感じにまとめてくるんですよね。しかも、それで聴かせてしまうから凄いんですよ。石田さんの色に染め上げてしまうのに全く変じゃないし、何がしたいのかがはっきり分かる。初めて聴くヴァイオリンが石田さんだったら、それはとてもいいことだと思います。
石田:[自身で率いる硬派弦楽アンサンブル]《石田組》のリハーサルでは、細かくやらずに「感じて!」みたいにやる。僕は本番のスリルが大好きで、リハーサルと違うことをやると他のメンバーがどう対応してくれるのかが愉しみ(笑)
﨑谷:第一生命ホールは僕の一番好きなホールですし、響きも自然でどんな繊細な音も拾ってくれる。圧倒的に弾きやすいんです。
その場で生まれる素晴らしき丁々発止を、響き豊かなホールで存分に愉しむ。心地良い驚きをお楽しみに!