「親子で音楽を楽しみたい!」「子どもにもぜひ本物を聴かせたい!」という願いにお応えする〈育児支援コンサート〉、ふつうの親子コンサートとはちょっと違って、お子さんも楽しめるし親御さんもゆっくり音楽を堪能できるように工夫されていますから、子育て真っ最中のご家族にも毎回大変ご好評をいただいています。今回も豪華メンバーが集合する中から、マリンバ奏者の浜まゆみさんにお話をうかがいました。
マリンバの様々な音色
マリンバって、木琴と見た目が似ていますね。
そうなんです。でも木琴より低音まで出せますし、鍵盤の下に共鳴用のパイプがついていますから、とても豊かに響くんです。私も子どもの頃に初めてプロのマリンバ演奏を聴いて、その低音の魅力に本当に感動しました。
マレット(ばち)をたくさん使いわけるので音色もいろいろですね。
会場の響きに合わせて使うマレットも変えますから、本番では15~20組くらい、リハーサルではその3倍は持っていきます(笑)。ばちの先の丸いところは、ゴム球などに毛糸や綿を巻いてあります。球の硬さもいろいろですし、細い毛糸でたくさん巻くと発音はいいけれど芯の音は出にくい...とか。ばちの柄もしなりやすい籐(ラタン)だったり曲がらない材質だったり、奏法によって使い分けるんですよ。
コンサートの前半では4~6歳のお子さんはスタジオで音楽体験をしていただいて...そのあいだに小学生~大人のみなさんは、ホールで浜さんのマリンバを。ぜひいろんなマレットの音色を楽しんでいただきたいですね。
初めて聴かれる方も多いでしょうから有名な「剣の舞」なども弾きますし、オリジナル曲もあれこれ。画家クレーの世界をイメージした助川敏弥さんの小品など、音を絵のようにとらえていただいたり、イメージを広げていただければ!
音楽を通して仲良くなれる...というテーマ
「音楽と絵本」コーナーも毎回大人気です。生演奏に合わせてスクリーンに投影された絵本を見ていただいて...。
いろんな想像がまざりあっていいですよね。家に帰って絵本を見た時にも、音をイメージしながら読んでいただけるようになったらいいですねぇ。
たしろちさと「5ひきのすてきなねずみ おんがくかいのよる(ほるぷ出版)」を選ばれましたね。
初めて音楽会を聴いて「音楽っていいなぁ!」と夢中になるねずみのお話なんですけど、子どもさんたちにも、かわいいねずみたちとおなじ感動を持ってほしいなぁと思って。ねずみとかえるが出てくるんですけど、あんまり仲の良さそうではない動物も(笑)音楽を通して仲良くなれる...というテーマもとても大切ですよね。
共演するのも豪華メンバー、しかしピアノ2人にヴァイオリン2人、チェロにソプラノ...変わった編成ですね(笑)。
この人たちと演りたい!という希望だけでこうなりました(笑)。ソプラノの大森智子さんに絵本の朗読もしていただきます。みなさんこういう演奏会にもとても長けていらっしゃる方ばかりですから、アイディアも出しあいながら、どんなアレンジでも大丈夫!(笑)
[取材/文 山野雄大]