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トリトン・アーツ・ネットワーク

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アーティスト・インタビュー

カルミナ四重奏団

クァルテット・ウィークエンド 2011 - 2012
カルミナ四重奏団

今秋、約2年ぶりに来日するカルミナ四重奏団(以下、カルミナQ)のマティーアス・エンデルレ(ヴァイオリン)とウェンディ・チャンプニー(ヴィオラ)に、今回のプログラムについて語ってもらった。 

感情に率直な、喋るような音楽を作りたい

ⓒChristian Lanz
前回に続き今回もスイス人作品を披露されますね。どんな曲なのですか。

チャンプニー:チェリストのゲルナーがレントブルギヤーデという音楽祭をやっていて、そこで共同で音楽監督を務めるファビアン・ミュラーの作品です。民俗音楽とクラシック音楽を関連付ける目的の音楽祭で、同じ演奏家がクラシック作品とスイスの民俗音楽を演奏したりするんですよ。彼に委嘱した4楽章作品で、スイスの古い名称が題名です。
エンデルレ:スイスに関わる旋律や舞踏が入っています。でも観光地で流れるような伝統音楽には聞こえないでしょう(笑)。第2楽章はスイス・イタリア語地域のクリスマスソングが用いられていて、私も子供の頃に聖歌隊で歌いました。クリスマスの割には寂しい音楽だけど。
チャンプニー:私もあの楽章は大好き。ミュラーはとても達者な手仕事をしてくれました。作曲の流行を追うのではなく、ホントに彼の心から愛する音楽を綴っている。自分のスタイルに忠実な人です。彼の作品をイッサーリスが初演したりしてます。

メンデルスゾーンの作品13は、カルミナQが日本で最初に収録したCDに含まれ、世界的に高い評価を得た出世作ですね。

エンデルレ:ええ。でも随分長く弾いておらず、この夏からまた完全に楽譜を読み直します。今はあの頃ほどの議論はしないでしょうね。20年前よりもヴィブラートを減らすでしょうが。ベートーヴェンのエコーがあり、この18歳の楽譜にはメンデルスゾーンが弦楽四重奏で書いた最も深い音楽があります。
チャンプニー:メンデルスゾーンの特徴だけではなく、私にはエンデルレの特徴も最も顕著に顕してくれる曲に思えるのです。若いエネルギッシュな響きは彼に最適よ。

田部さんとは敢えてピアノ四重奏曲、それもあまり弾かれない作品を。

チャンプニー:16歳の頃に誰かがリハーサルをしているのを聴いてからこの曲が好きで、今回は絶対にやりたいと思いました。
エンデルレ:私たちは結成当時は弦楽トリオでしたから、若い頃は随分弾きましたっけ。田部さんとこの曲は初めてです。彼女はとてもオーガニックな人で、ある作品を持ち出し、あちこちを飾り立てる人ではない。彼女のテンポは私たちよりもちょっと遅い感じがあるけど、私たちはいつも速い過ぎるから丁度良い(笑)。

カルミナQが理想とする音楽は。

エンデルレ:ピアニストが常にルバートを用いているような状況を弦楽四重奏で実現することです。感情に率直な、喋るような音楽を作りたいですね。

[取材・文/渡辺和、6月27日チューリッヒにて]