日時 | 2019年7月3日(水)14:00~16:00 |
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出演 | マルシェ弦楽四重奏団[藤代優意/内藤歌子(ヴァイオリン) 福田道子(ヴィオラ) 伊藤七生(チェロ)] |
概要 |
実施会場:築地社会教育会館 講習室 対象者:中央区在住・在勤・在学者 人数:65名 主催:中央区 |
【内容】
[第1部]国や時代の異なる弦楽四重奏曲の魅力
♪ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー第1番」より第1楽章抜粋
♪ハイドン:弦楽四重奏曲Op.76-1より第1楽章
♪ラヴェル:弦楽四重奏曲より第2楽章
♪民謡「ソーラン節」
♪チャイコフスキー:弦楽四重奏曲 第1番 Op.11より第1~第3楽章抜粋
[第2部]
♪チャイコフスキー:弦楽四重奏曲 第1番 Op.11
【レポート】
2019年7月3日、中央区民カレッジ カレッジ・デビュー講座「弦楽四重奏で楽しむクラシック音楽の魅力」が開催され、トリトン・アーツ・ネットワーク(以下、トリトンアーツ)主催の『室内楽アウトリーチセミナー』出身のマルシェ弦楽四重奏団が、講師として曲の解説などを交えながら素晴らしい演奏を聴かせました。
カレッジ・デビュー講座は、主に中央区在住・在勤者を対象とした生涯教育の一環として、伝統芸能・考古学・文学など、幅広い分野の専門家を講師として迎えるオムニバス形式の講座だそうです。そのため、受講者は、文化に対する知的好奇心が旺盛、でもクラシック音楽はこれまであまり身近ではなかった、という方もおられたかもしれません。
筆者は、トリトンアーツのサポーターとして参加させていただくのは初めてでしたが、弦楽四重奏曲は、クラシック音楽の中でもちょっと敷居が高いかなと思っていたので、マルシェ弦楽四重奏団がどのように受講者を惹きつけるのか、ちょっと野次馬的気分で聴かせていただきました。
前半は、ベートーヴェンに始まり、ハイドン、ラヴェル、日本民謡(ソーラン節)などの演奏を通じて、各楽器の役割、ハーモニーの成り立ち、ピチカート奏法、ミュートを使った音色の変化など、分かりやすく解説されました。
中でも一番盛り上がったのが、チャイコフスキーの弦楽四重奏曲第1番第3楽章冒頭部分を、みんなで手拍子しましょう、というものでした。
この楽章は3拍子の曲なのですが、アクセントがワルツのように「強・弱・弱」で続くのではなく、小節ごとに変化するとのことでした。これを、「おか・ーさ・ーん」「おか・ーさ・ーん」「お・す・し」「お・す・し」「わ・さ・び」「わ・さ・び」(下線部分が強拍)と言いながら手拍子すると、皆さん見事に強拍と弱拍を打ち分けることができ、複雑なリズムを理解することができました。
休憩後の後半に、この曲全曲が演奏されましたが、各楽章の特徴を予め教えていただいていたため、より親近感を持って鑑賞することができたと思います。
受講者の皆さんからの質問コーナーでは、「何人以上の演奏だと指揮者が必要か。」「コンサートマスター(ミストレス)は他の人より偉いのか。」という質問が出され、演奏者がユーモアを交え回答されていました。
休憩時間中には、トリトンアーツの楽器(ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ)を展示し、近くで見たり触ってもらったりしましたが、沢山の方に来ていただき、たとえばチェロを持っていただいた方からは、「やっぱり重たい」、「うちのワンちゃんと同じくらいかな」、「意外と軽い」、と様々な感想をいただきました。また、「チェロを持って飛行機に乗るときはどうするの」、「プロは弓の毛をどの位の頻度で替えているの」、といったちょっとマニアックな質問をされる方もおられました。
このように、マルシェ弦楽四重奏団の皆さんの興味深いお話と演奏により、多くの受講者がクラシック音楽をより身近なものに感じられたのではないでしょうか。これを機に、一人でも多くの方がクラシック音楽ファン・弦楽四重奏曲ファンとなり、コンサートに足を運んでいただければ嬉しい限りです。
[サポーター 関谷匡]
藤代優意/内藤歌子(ヴァイオリン) 福田道子(ヴィオラ) 伊藤七生(チェロ) トリトン・アーツ・ネットワーク主催、2011年度室内楽アウトリーチセミナー修了生によって結成。(一財)地域創造平成24年度公共ホール音楽活性化アウトリーチフォーラム事業・鹿児島セッション派遣アーティスト。これまでに鹿児島県内のほか、トリトン・アーツ・ネットワークと中央区内にてアウトリーチを行う。2013年第一生命ホールオープンハウス、2014年三ツ星ベルトミュージックサロン出演。2019年2月、東京文化会館、トリトン・アーツ・ネットワーク/第一生命ホール、サントリーホール3館連携若手アーティスト支援「アフタヌーン・コンサート」出演。 |