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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

基本情報

日時 2018年12月20日(木)
14:00~14:40
出演 吉川健一(バリトン) 石野真穂(ピアノ)
概要 実施会場:中央区立介護老人保健施設リハポート明石 3階食堂
対象者・人数:123名(通所者・入居者)

レポート

【プログラム】
♪オープニング ≪クリスマスメドレー≫
「もろびとこぞりて」 ~ 「あら野のはてに」 ~ 「ホワイトクリスマス」
~ 「きよしこの夜」

♪美しい日本歌曲
「荒城の月」 作詞:土井晩翠 作曲:瀧廉太郎
「小さな空」 作詞・作曲:武満徹
「電話」 作詞:薩摩忠 作曲:湯山昭

♪みんなで歌いましょう
「雪の降る街を」  作詞:内村直也 作曲:中田喜直

♪外国の名曲
「アマポーラ」 作曲:ラカジェ

♪ビックリ体験コーナー
「ヴォラーレ」 作曲:モドゥーニョ

♪名作オペラアリア
オペラ≪トゥーランドット≫より「誰も寝てはならぬ」  作曲:プッチーニ 

【レポート】

約100名もの通所者・入居者の皆さんに、バリトンの吉川健一さんとピアニスト石野真穂さんによるアウトリーチコンサートをお届けしました。
クリスマスコンサートということもあり、会場中に綺麗な飾りつけや、サンタやトナカイの帽子をかぶった方々も。今日のコンサートを楽しみに待っていて下さっていた様子が伝わってきます。コンサートが始まる前に、施設職員の方の音頭でウォ―ミングアップの体操があり、観客の皆さんの準備は万端です。

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司会の方(施設職員の方)の呼びかけで、吉川さんと石野さんが登場。オープニングとして、クリスマスソングのメドレーが披露されました。吉川さんの「よろしければ皆さんも一緒に歌って下さい」の呼びかけに、会場中で合唱。会場の空気が明るく華やぎます。

続く<美しい日本歌曲>コーナーでは、日本人の心の歌「荒城の月」から、石野さんの素敵な編曲による武満徹の「小さな空」、オペラ歌手である吉川さんならではの歌唱と演技が光る「電話」まで、とても聴きごたえ・見ごたえのあるプログラムが演奏されました。
日本語の歌詞ということもあり、観客の方々が歌詞の内容をじっくりと噛みしめ、うんうんと頷きながら聴いていらっしゃる姿がとても印象的でした。吉川さんが、お客様の様子を感じながら、一人一人に音楽が届くように気持ちを込めて歌って下さったので、聴き手の皆さんが共感して下さったのだと思います。

曲と曲の間の吉川さんのお話も大好評でした。吉川さんが海外で体験したこと、感じたことを、ユーモラスに、そして曲の内容に絡めてお話されるので、観客の皆さんは声を上げて笑ったり、「なるほど!」「ああ、そうなのね」と頷きながら、次に演奏される曲への興味関心を高めていました。

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次の曲「雪の降る街を」は、事前に配布された歌詞カードを手に、会場中の皆さんで一緒に歌いました。ご年配の皆さんにとって馴染み深い懐かしい曲だったようで、沢山の大きな歌声が響いていました。
続く「アマポーラ」は外国の曲ですが、皆さんにとって聴きなじみのあるメロディーで、首を揺らしながら楽しそうに聴いていらっしゃる方が多く見られました。

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次に演奏された曲「ヴォラーレ」では、<ビックリ体験>と題した素敵なサプライズが用意されていました。吉川さんが風船をもって客席を練り歩き、お客様に風船を持ってもらい、その風船に向かって吉川さんが歌うと・・・風船を通して声の振動に触ることが出来るのです。ご年配の皆さま方は、はにかみながらも、びっくりしたり、笑ったりして、声の振動を楽しんでいらっしゃいました。

最後の曲はオペラ≪トゥーランドット≫より「誰も寝てはならぬ」。本来はテノールの為の曲ですが、この日は音域を変えたバリトン・バージョンで演奏されました。第一線で活躍する本物のオペラ歌手による演奏は迫力満点。最後の曲にふさわしい威風堂々、朗々とした演奏で、観客の皆さんの表情もほころびます。中には「(フィギュアスケートの)荒川静香さんの曲」とお隣の方と話しながら聴いていらっしゃる方もいました。

皆さんの拍手に応えたアンコール曲も終わり、吉川さんと石野さんは、観客の皆さんと握手をしながら笑顔で退場。
和やかで楽しい雰囲気の中、コンサートは終演しました。

(トリトンアーツスタッフ 観察レポートより)

プロフィール

吉川健一(バリトン)  Yoshikawa Kenichi, bariton
国立音楽大学卒業、同大学院修了。トルトーナ国際音楽コンクール(伊)、 ラッコニージ国際音楽コンクール(伊)、第20回奏楽堂日本歌曲コンクールで各入賞。二期会、新国立劇場、東京・春・音楽祭、ラ・フォル・ジュルネ東京等の演奏が好評を博している。地域創造公共ホール音楽活性化事業 登録アーティスト。二期会会員
石野真穂(ピアノ)  Ishino Maho, piano
桐朋学園大学音楽学部ピアノ専攻卒業。同大学アンサンブル・ディプロマ修了。その後、パリ市立シャトレ劇場にて研鑽を積み、帰国後は二期会、新国立劇場、びわ湖ホール、日生劇場などのオペラ公演に関わる。二期会オペラ研修所ピアニスト。新国立劇場オペラ研修所ピアニスト。
©篠原栄治