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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

協力企画

中央区民カレッジ
『歌の翼に』を歌う体験つきで楽しむ、クラシック音楽講座 ドイツ歌曲(リート)の奥深い世界へ

基本情報

日時 2017年9月9日(土)14:00~16:00
2017年9月24日(日)10:00~12:00
2017年10月14日(土)14:00~16:00
出演 講師:有田栄(音楽学) アリスター・シェルトン=スミス(バリトン) 岡純子(ピアノ)
概要 実施会場:晴海トリトンスクエアX棟会議室/第一生命ホール
受講人数:41名
主催:中央区区民部文化・生涯学習課

レポート

 東京都中央区区民部文化・生涯学習課が実施している区民カレッジの一環として、「『歌の翼に』を歌う体験つきで楽しむ、クラシック音楽講座 ドイツ歌曲(リート)の奥深い世界へ」と題した講座を実施した。
ドイツ・リートを知り、歌ってみて、その後に行われる実際の演奏会を鑑賞する際の手引きとなるような流れで、3回の連続講座を行った。講師には、区民カレッジでは3度目の登壇となる有田栄先生をお招きし、さらに、いずれの回も講座だけでなく、実際のリートを聴いて頂こうと、バリトン歌手のアリスター・シェルトン=スミスさん、そしてピアニストの岡純子さんにもご協力頂いた。

 第1回は「ドイツ・リートの世界への招待」をテーマに、まずは歴史的背景を踏まえ「歌」の重要性を教えて頂き、どのような変遷をたどってきたかを紐解いた。後半は、アリスターさんがそれぞれの曲の背景などを説明しながらリートを披露。アリスターさんの説明は詩的で、歌を聴く前から曲のイメージが膨らみ、受講生それぞれが描く情景を思い浮かべながらの鑑賞となった。

 170924第2回_P9240030トリミング (ウェブ用).JPG第2回では、さらにリートを深く知ろうと、リートに心を託した3人の作曲家、シューベルト、シューマン、ヴォルフに焦点をあて、講義が行われた。リートを楽しむポイントについて、イメージしやすい言葉で説明がなされた後、そのポイントを押えて、対訳を見ながら聴くことで、受講生のみなさんも、具体的な楽しみ方が良く分かった様子だった。後半では、ホールの裏側を見学するバックステージツアーにもご参加頂いた。

 「さらに、リートの世界の奥座敷へ」をテーマとした第3回では、同じ詩にもとづく異なる作曲家の歌曲を比較したり、ドイツ語以外の原語で書かれた詩をドイツ語訳した詩によるリートを鑑賞したり、さらに発展したリートの奥深い世界に親しんだ。
171014第3回_PA140023(ウェブ用).JPG後半では、メンデルスゾーン作曲の「歌の翼に」をアリスターさん指導のもと、受講生のみなさんと一緒に歌った。まずは詩の世界を想像することから始め、体の使い方、歌う時の姿勢など、技術だけでなく精神的な部分にも触れ、今までとは異なった心構えでドイツ語歌詞と日本語歌詞で歌う事ができた。
翌週の白井光子&ハルトムート・ヘルの公演を、ほとんどの受講生に鑑賞して頂き、今までとは違ったリートの楽しみ方でそれぞれにお楽しみ頂いた。

プロフィール

有田栄(音楽学)  Arita Sakaë
東京藝術大学音楽学部楽理科、同大学院修士課程を経て、同博士後期課程修了。博士(音楽学)。専門は西洋音楽史および現代の音楽・音楽美学。西洋芸術音楽における声の伝統をテーマに研究。他方で執筆や、ラジオ・TV音楽番組への出演、公開講座や講演を通じ、古楽から現代音楽まで様々なジャンルの音楽の紹介につとめている。現在、昭和音楽大学教授。NHK-FM「オペラ・ファンタスティカ」番組パーソナリティ。近著『わからない音楽なんてない!子どものためのコンサートを考える』(共著)
アリスター・シェルトン=スミス(バリトン)  Alistair Shelton-Smith
イギリス出身。ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージックでK.ウーラムに学んだ後、ドイツのカールスルーエ音楽大学で白井光子、H.ヘルに、またオランダ国立オペラ・アカデミーでM.ホーニヒに師事。以後主にオペラの世界で活躍し、古典から現代まで幅広いレパートリーを持つ。オランダのベアトリクス女王70歳の誕生日記念コンサートでは、モーツァルトの《フィガロの結婚》でアルマヴィーヴァ伯爵役を演じたほか、リリック(抒情的)な声質を生かし、マーラーの《亡き子をしのぶ歌》、シューベルトの《冬の旅》等リートの歌唱にも定評がある。
ホームページ http://www.alistairshelton-smith.com/
岡純子(ピアノ)  Oka Junko
ピアニスト。大阪音楽大学卒業後、ジューネーヴ音楽院で伴奏科のディプロム取得。ホルンのB.シュナイダー、オーボエのM.ブルグ各氏の元で伴奏助手を勤め帰国。軽井沢国際オーボエコンクール、草津夏期音楽アカデミー、浜松国際管楽器アカデミーなどの公式伴奏者。