笑顔で音楽室に入ってくる子どもたち、わくわく感に溢れた表情だ。
先生のお話が終わると、
遠くの方からシャンシャンシャンと聞こえてくるのは、鈴の音・・
だんだん近づいて来てマリンバの浜さんとピアノの新居さんが登場、アンダーソンの「そりすべり」を演奏する。
クリスマスの時季には良く聴かれるこの曲、耳に馴染みはあっても題名までは知らない子も多い。『この曲聴いた事あるけど題名何だっけって事、よくあるよね』と浜さん。
次の曲では、曲を聴いて題名を当ててもらう。『道化師のギャロップ』『熊蜂の飛行』のどちらだろう。二者択一であったが、子どもたちは曲を聴いてイメージを思い浮かべ、イマジネーションを働かせて一生懸命考えている。
手を挙げてもらうと2曲は拮抗。演奏したのは『道化師のギャロップ(カバレフスキー)』の方だったが、みな周囲に流される事なく自分の受けた感じを大事に判断していた。
気持ちが盛り上がったところで楽器のお話。ローズウッドという木で出来ていて分解して運ぶこと、バチをマレットということ、マレットの堅さや素材によって色々な音が出せることなどを知って、子どもたちはマリンバ博士になったよう。
その中で、鍵盤が振動してそれがパイプで共鳴して音になること、どんな楽器もその仕組みは同じであると、基本のお話は忘れない。子どもたちに順番にマリンバの鍵盤とピアノの弦に触ってもらい、音を出した時の振動を指先で感じてもらった。
続いての『熊蜂の飛行(リムスキー=コルサコフ)』では、「蜂になった気分で」とマリンバの周りを飛び回りながら演奏、浜さんのテクニックを余すところなく見せてくださった。
『星に願いを(ハーライン)』ではこれが打楽器かと思うような静かで柔らかな音であった。これもマレットの素材の故と、子どもたちは気がついたかな。
今度は、体を楽器にして『ティコ・ティコ(アヴレウ)』というリズミカルな曲に合わせてのボディパーカッション、どの子も楽しそうに参加。
最後の曲となった『チャルダッシュ(モンティ)』はジプシーの曲。前半の歌うような部分ではピアノの新居さんが鍵盤ハーモニカで、子どもたちの席の中に入って歩きながら哀愁を帯びたメロディーを演奏した。新居さんがジプシーの女性さながら蠱惑的に、子どもたちの目を見つめながら演奏すると中には照れる子も。
鍵盤ハーモニカが、こんなに表現力のある楽器である事に感心する。
チャルダッシュ後半は、浜さんと新居さんの息のあった演奏で幕となった。
音楽のイメージから題名を考える事、鍵盤や弦に触ってみる事、体を動かし参加する事など、聴くだけではなく能動的に参加出来るよう考えられているのが
素晴らしいと思った。
45分が短く感じられる楽しい時間だった。
(サポーター 小林美恵子)