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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

基本情報

日時 2015年12月17日(木)10:45~11:30/11:35~12:20
出演 BUZZ FIVE(金管五重奏団)
概要 実施会場:中央区立月島第三小学校
対象者:4年生
人数:67名(1組:34名、2組:33名)
助成等:中央区文化・国際交流振興協会
文化庁 平成27年度「劇場・音楽堂活性化事業」

レポート

今回のアウトリーチは晴海にある中央区月島第三小学校にて、授業の一環として金管五重奏団「バズ・ファイブ」の演奏を小学校4年生に聞かせて楽器の特徴も知ってもらうという企画でした。
4階に到着すると、音楽室から金管楽器の音が廊下にも聞こえていました。音楽室に入ると五人のメンバーがリハーサル中で、小学校の校歌を念入りに練習していました。

いよいよ、第一回目の演奏が10時45分から始まる直前に生徒達が整然と入場して、少し緊張している様にも見えました。プログラム最初は12月に相応しいクリスマス・メドレーの演奏で、皆とても行儀よく聞いていました。二曲目は私にはあまり馴染みのない曲(チータム「スケルツォ」)でしたが生徒達は少しずつ金管合奏に引き込まれていく様な反応を見せていました。

151217_Tsukisima3_report1.jpg次は四種類の金管楽器、第一と第二トランペットの二人は一緒に、ホルン、テューバ、トロンボーンの順で楽器を紹介した後、その楽器が主役になる曲を演奏しましたが、皆さん楽器の名前を正しく答えられるのは私にとって驚きでした。トランペット(アンダーソン「トランペット吹きの休日」)は目の前で聞くととても迫力があり耳を抑えたり体を振ってリズムを取ったり、ホルンは大人しい感じで曲はモーツァルトの「ホルン協奏曲」、テューバは皆の良く知っている曲「フニクリ・フニクラ」で楽しそうに体を振って聞いていました。

151217_Tsukisima3_report2.jpg
中でも一番人気があったのがトロンボーン(「ラッサストロンボーン」)で、演奏中にスライドを伸ばし生徒達に当たりそうにすると生徒達が少し驚いてはいるが、奏者のコミカルな動きに皆で大爆笑していました。

151217_Tsukisima3_report3.jpgのサムネール画像

そして、今度は月島第三小学校の校歌を金管五重奏の伴奏で生徒達が歌う番で、発声練習の準備をしてから皆で歌い始めました。さすがにいつも歌っている校歌だけあって元気で上手に出来ました。最後は金管五重奏のために作曲された曲(「モンテレジャンヒルズ組曲」より)で少し難しいかもしれませんが生徒達が集中して聞ける様に組曲の中から選曲して演奏、更にアンコールとして「ジングルベル・ロック」を演奏、生徒達の手拍子も加わって大いに盛り上がりました。

151217_Tsukisima3_report4.jpg
生徒達が退場しかけた時に、一人の生徒がどうしてもトロンボーンについて聞きたい事があるということで控室にいる奏者を呼び戻しました。その質問はトロンボーンの演奏中に右手で何かを操作していたのはどうしてかという質問でした。この楽器は左手によるスライドの伸縮で音程を取るのが基本ですが、ある音程から一度上げる場合スライドを最大に伸ばしたところから最小に縮める大きな動作になり大変なのでそれを助けるレバーがあり、それで演奏が容易になるという説明でした。私は全く気が付かず、その生徒の観察力の鋭さに驚愕させられました。

短い休憩をはさんで、別組の生徒のために二回目の演奏が始まりました。前の組と少し様子が違って、よそ見や隣の生徒とひそひそ話など活発な(お茶目な)生徒が目立ちましたが、演奏が始まると少しずつ集中してゆき、一番のピークは楽器紹介、その中でもトロンボーンの人気は絶大でした。私も二回目ながら何度見ても楽しいと思う程に皆を楽しませる才能であるとつくづく感じました。勿論他のメンバーも大いに才能あり、5人の揃ったアンサンブルで更に大きな力を発揮できる訳です。

このアウトリーチ活動が子供達の情緒教育に少しでも役に立つならば喜ばしいと感じました。
(サポーター 内藤)

プロフィール

Buzz Five  (金管五重奏団)
バズ・ファイブ
上田 じん  (トランペット)
小川  聡  (トランペット)
友田 雅美 (ホルン)
加藤 直明 (トロンボーン)
石丸 薫恵 (テューバ)

1997年東京藝術大学の同期生により結成。2000年学内オーディションにより藝大室内楽定期演奏会に出演したのを皮切りに、本格的に活動を開始。FIFAワールドカップ、日展オープニングセレモニーにて祝賀演奏など多くのイベントに招かれる。『ジャパン・ブラス・コンペティション2001』金管五重奏部門第1位、併せて、大賞、川崎市長賞、洗足学園賞を受賞。これまでに栗田雅勝、神谷敏の各氏に師事。演奏はもちろん、金管楽器の音色の様な明るいトークを交えながらの舞台進行には定評がある。
アウトリーチ活動の場でも大好評を博している。2004年、絵本「ボートが沈んだの誰のせい?」(パメラ・アラン作)に付随音楽の作曲を委嘱し初演。「絵本&生演奏」における礎を築く。2010年渡辺満里奈さんの音楽絵本DVD「ありがとうターブゥ」収録に参加。CDは、2002年「Disc Buzz」、2009年「バズーカ」、2013年「Buzz plays BACH」をリリース。2004年から(財)地域創造公共ホール音楽活性化事業登録アーティスト。2005年から(公財)埼玉県芸術文化振興財団「MEET THE MUSIC~アーティストが学校にやってくる」登録アーティストを務めるなど、全国各地にて演奏活動を行う。2016年、結成以来変わらないメンバーで20年目を迎える。
[facebook] https://ja-jp.facebook.com/brassquintet.buzzfive