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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

基本情報

日時 2015年9月7日(月)
出演 浜まゆみ(マリンバ) クリス・フロー(パーカッション)
概要 実施会場:江東区立豊洲北小学校 4階多目的室
対象者:小学4年生4クラス
人数:1組:38名、2組:39名、3組:38名、4組:39名、計154名
助成等:文化庁 平成27年度「劇場・音楽堂活性化事業」

レポート

今回の「4年生はじめてのクラシック」アウトリーチでは、マリンバの浜まゆみさん、パーカッションのクリス・フローさんによる、2クラス約80人の子どもたちを対象とした同じ内容の活動が、2回に分けて行われました。活動のねらいは、「マリンバやいろいろな打楽器の特徴を知り、興味を養うと共に、音楽の楽しさを感じてもらう」でした。

最初に、出演者が小太鼓をたたいて入場しました。

150907_ToyosuKita_report1.jpg大きな音でたたくと、子ども達の中にはびっくりした表情をする人もいました。小太鼓のリズムに続いて1曲目「アメリカン・パトロール」(F.W.ミーチャム)がマリンバで演奏され、マリンバをよく見ようと立ち見になる子ども、演奏のスピードが上がると笑顔になる子どもなど、魅了された様子が見られました。

1曲目の後には、特にジャンベというパーカッションについて、クリスさんから説明がありました。子ども達は、はじめジャンベを小太鼓やボンゴだと思っていたようでしたが、2曲目「アフリカン・ブルース」(W.ロッゲンカンプ)が始まると、ジャンベ独特の音色にすっかり引き込まれているようでした。

曲後、浜さんがマリンバについて説明を行いました。

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マリンバがローズウッドという木でできていること、ばちをマレットと呼ぶこと、音板が振動することなどを知り、子ども達は満足そうでした。実際に、音板に指を立てたままマリンバを鳴らし、音板が振動していることを体験した子ども達もいました。児童達は「わぁ」「いたっ」など振動の大きさに驚いていました。さらに、共鳴パイプの重要性を実感してもらうため、パイプの穴を塞いで音を出すという実験も行われ、穴を塞いでいない時と、塞いでいる時の音の違いに、子ども達は釘づけになっていました。異なる大きさのマレットで同じ音板をたたくと音色が違うという事実には、驚きの表情で応えていました。

マリンバについて一通り説明を終えた後は、「熊蜂の飛行」(リムスキー=コルサコフ)の演奏でした。浜さんとクリスさんが、蜂のようにマリンバの周りを回りながら演奏する姿を、子ども達は固唾を飲んで見つめていました。

この曲のあと、パーカッションについて一通りクリスさんから説明が行われ、豆が入ったブラジルの楽器カシシやジャンベより一回り小さいジュンベを演奏しながら、座っている子ども達の間を移動しました。

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目近で見るパーカッションに興味津々の子ども達は、楽器に触ったり、見つめたり、耳を塞いだり、様々な反応を示していました。5曲目に「ティコ・ティコ」(Z.アヴレウ)が演奏され、ここで子ども達は手や肩などボディパーカッションを使って演奏に参加しました。難しそうにしながらも皆、ノリノリで参加している様子が印象的でした。

最後に「剣の舞」(A.ハチャトゥリアン)が演奏されました。この曲は知っている子が多く、身を乗り出す子、リズムを取りつつ曲に聞き入る子など見受けられました。

これから子ども達が演奏会に行く際に、今回のアウトリーチが一層の発見や話のもとになればと思った2時間でした。(インターン 佃 優希)

プロフィール

浜まゆみ  Hama Mayumi(マリンバ)
桐朋学園大学音楽学部演奏学科打楽器科マリンバ専攻卒業。同大学研究科修了後、アメリカミシガン大学打楽器科大学院留学。1999年、第2回世界マリンバコンクール第2位。これまでに東京交響楽団との共演、NHK、NHK教育テレビ、Percussive Arts Society (国際打楽器芸術協会)コンベンション(フロリダ、テキサス)にて招聘演奏。The University of California Davis パーカッションフェスティバル(米国)、チアパス州立芸術科学大学(メキシコ)、The University of Yonsei にて行われたKeiko Abe International Marimba Academy (韓国)にて招聘演奏・マスタークラスを行う。第1回ラテンアメリカマリンバコンクール(メキシコ)にて審査委員を務める。また、The Universal Marimba Festival(ベルギー)、The Taipei International Percussion Convention(台湾)に Marimba Ensemble Japan のメンバーとして出演するなど 国内はもとよりアメリカ、アジア、欧州の各地でも演奏活動を行なっている。