レポート
久松小学校でのTANBRASSのアウトリーチは今年で4年目を迎えました。
音楽室に到着すると、メンバーは自分たちの楽器のウォーミングアップ。学校にある楽器のコンディションもチェックしていました。リハーサルはまるで児童たちがすでにいるかのような明るい雰囲気の中、プログラムの流れや曲の出だし、音程など念入りに確認していました。
児童たちが緊張気味に音楽室へ入ってくると、コンサートは華やかな舞踏劇『ラ・ペリ』のファンファーレで幕をあげました。児童たちの表情も、金管の明るく華やかな音色により和やかになったように思えました。コンサートは軽快なトークと共に進み、とくに『水上の音楽』では、金管の厚くなめらかなハーモニーに児童たちも普段では馴染みがあまりないであろうクラシック音楽の世界に浸っていました。
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楽器紹介の時間になると雰囲気も一気に変わり、TANBRASSが質問するごとに勢いの良い返事をしていました。トランペットの紹介では金管楽器の音の鳴る原理を紹介していましたが、マウスピースだけの音にこんな小さい音で鳴っているのかととてもビックリした様子でした。また、ホルンの楽器紹介では『星に願いを』を演奏していましたが、聞き馴染みの音楽に嬉しそうでした。トロンボーンではスライドをみせ、テューバでは低音の音色を感じ取っているようでした。打楽器では、学校にあるドラムセットを使用。学校の楽器で演奏していることに少し驚いた表情をする子もいました。
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楽器体験では10人の児童が体験をし、それぞれ何を体験するかは背丈や腕の長さなど、その子に合わせて無理のないようにTANBRASSのメンバーが振り分けていました。まずはマウスピースから。音が鳴ったところで、一人一人音を鳴らし拍手をもらっていました。
コンサートも終盤になったところ、金管楽器を鳴らすための口の動き(バズィング)を使い、参加型で『Buzzing Waltz』という曲を披露していました。TANBRASSのメンバーが「鼻歌やるようにバズィングできるよ」と言ってやってみせると、「すごい」などの声があがりました。「練習しよう」などの声も聞こえてきました。最後にミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」、オペラ「アイーダ」の凱旋行進曲が演奏され、アンコールの大きな手拍子の後アンコールでコンサートは終了しました。
TANBRASSのメンバーはアウトリーチ終了後、聴いていた4年生の児童たちと一緒に給食交流を行いました。メンバーのみなさんも久しぶりの給食が嬉しそうでした。
インターン 渡邉真歩
プロフィール
TANBRASS (金管五重奏+打楽器)
2011年12月に結成。NPO法人トリトン・アーツ・ネットワークのコミュニティ活動に参加、クラシックの名曲からジャズまで幅広いレパートリーで、小学校などでの公演で好評を得ている。
亀山 真司 (トランペット)
千葉県出身。10歳よりトランペットを始める。武蔵野音楽大学卒業。 同大学主催の千葉県新人演奏会に出演。 久保義一、水口透の両氏に師事。 浜松国際管楽器アカデミーにてロバート・サリバン氏に師事。現在フリートランペット奏者として都内のオーケストラ、吹奏楽団にエキストラとして出演。 BRASSBEAT、TWCCに所属。
松木 亜希 (トランペット)
武蔵野音楽大学、アムステルダム音楽院卒業。Orquestra do Norte(ポルトガル)首席トランペット奏者を経て2013年1月よりフリーランス奏者として日本で活動を始める。
留学中、The World Orchestra(JMWO) メンバーとしてスペインツアーに参加。アムステルダム音楽院にてブラスアンサンブルメンバーに選抜され、シカゴ、ドイツツアーに参加。
トランペットを橋本洋、フリッツ・ダムロウに師事。金管合奏団「宴」、A-brassに所属。
髙橋 朋子 (ホルン)
神奈川県生まれ。神奈川県立座間高等学校卒業後、洗足学園音楽大学卒業。現在フリーランス。これまでに、ホルンを山岸博、西條貴人、イルジー・ハヴリークの各氏に師事。室内楽を秋山鴻市、立花千春、三輪純生、山岸博、吉田将、東京メトロポリタンブラスクインテットの各氏に師事。CD「7人のホルン奏者によるソロ曲集Vol.2」に出演。卒業後はフリー奏者としてエキストラや演奏要員として活動中。洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団首席ホルン奏者。神奈川県立座間高等学校吹奏楽部講師。
佐々木 匡史 (トロンボーン)
1983年生まれ、神奈川県野庭高等学校中退、武蔵野音楽大学卒業、卒業演奏会に出演。ブロードウェイミュージカル「Dreamgirls」「West Side Story」日本公演、Disney On Classic2012に参加。これまでにトロンボーンを、鍵和田道男、神谷敏、桑田晃、佐藤洋樹、春山和雄の各氏に、室内楽をR.ボボ氏に師事。オーケストラ、劇団四季、宝塚などのミュージカル、ビッグバンド、スタジオワークなど多方面で活動中。金管合奏団「宴」主宰。
仁藤 雄貴 (テューバ)
山形県出身。テューバを西田宏、八尾健介、舟越道郎、大塚哲也の各氏に師事。洗足学園音楽大学卒業。第3回日本ジュニア管打楽器コンクール第3位(銅賞)。日本ユーフォニアム・テューバ協会(JETA)第2回四重奏コンクール第2位。現在、フリーランスとしてオーケストラ、吹奏楽、室内楽を中心に活動中。洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団団員。洗足学園音楽大学および高等学校音楽科演奏補助要員。桐朋学園大学嘱託演奏員。ヤマハ株式会社講師。
五田 詩朗 (打楽器)
洗足学園音楽大学卒業。在学中より、オーケストラを中心に音楽活動を開始。
2005年には、NHK交響楽団ヨーロッパ公演にエキストラ奏者として同行する。また、打楽器アンサンブルによる保育施設等への訪問演奏を始めとした、幼児向けの演奏家活動も積極的に行う。2008年より横浜市青葉台フィリアホールでの「よちよちワークショップ」に企画・出演する。