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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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アーティスト・インタビュー

宮田大(チェロ) &山中惇史(ピアノ、編曲)

宮田大 Dai-versity 第2回 映画音楽と作曲家たち

 チェロ奏者の宮田大さんによるコンサート・シリーズ『Dai-versity』。2023年から第一生命ホールで開始され、2024年2月に第2回が開催されます。
 宮田さんは、優秀な若手奏者が輩出される現代の日本チェロ界において、トップクラスの実力と人気を誇ります。年1回のこのシリーズでは、さまざまなジャンルの共演者を招き、ふだんのコンサートとは一味異なる、新たな世界をひらこうと意気込んでいます。
[聞き手/文:山崎浩太郎(音楽ジャーナリスト)]

第2回に登場する宮田さんとピアニスト・作曲家の山中惇史さんのお二人にお話をうかがいます。宮田さん、テーマは「映画音楽と作曲家たち」なのですね。

宮田:第1回は、文楽の人形遣いの桐竹勘十郎さんと箏奏者のLEOさんをゲストに、和のテイストでお送りしました。今回は山中惇史さんをお招きして、ピアニストとして、また作曲・編曲家としての才能を存分に発揮していただき、映画音楽など、まだ演奏会で演奏したことのない作品の初披露を中心に行ないます。


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宮田さんが山中さんと初めて会われたのは2020年。山中さんのアドリブ演奏の素晴らしさに驚かれたのだとか。

20240217MiyataDai_A.jpg宮田:そうなんです。そこで、自分のピアソラ作品を集めた2021年のアルバム『Piazzolla』に参加していただき、『天使の組曲』ほかで演奏だけでなく、編曲もお願いしました。『天使の組曲』は25分くらいかかる大作で、なかなか実演で取りあげる機会がなかったんですが、2023年9月に長野の演奏会で初めて演奏できました。今回は、東京では初めての公開演奏になります。さらに、山中さんがこよなく愛するジョン・ウィリアムズとモリコーネの映画音楽の素晴らしいメドレーを、今回のためにオリジナルで書いていただきます。ピアノと作曲、山中惇史さんの多面的な才能にフォーカスした内容です。

山中:自分も『天使の組曲』がアルバムの録音だけで終わるのはもったいないとずっと思っていたので、こうして曲目に組み込んでいただいて、お客さんの前で演奏できる機会をいただけたのは、とても嬉しいです。チェロとピアノのための新たなレパートリーとして、広まるきっかけにもなってほしいと思っています。


さらに映画音楽の新しいメドレーも。

山中:宮田さんと相談している最中なんですが、モリコーネの音楽は旋律線がいかにも弦楽器的なので、無理なくできるかなと思っています。それに対してジョン・ウィリアムズは大規模なオーケストラ用に書いているものが多いので難しいんですが、マーチをチェロのソロで演奏するとか、打楽器や金管楽器のサウンドにも挑戦して、取り入れてみたいと思っています。ただ置きかえるのではなく、チェロにしか出せない響きや、特殊奏法などの技巧も活用して、この楽器の魅力が発揮されるように心がけたいと思います。

宮田:ジョン・ウィリアムズの激しい感じやファンファーレを叙情的に書くとか、元の曲のイメージがくつがえされるような、新たな山中惇史節を期待しています。

山中:そんなにハードルを高くするのはやめてください(笑)

宮田:いやいや(笑)。でも作曲や編曲の方と一緒に演奏できる醍醐味は、ここはこういう気持ちでこういうふうに書いたんだよ、でも技術的に無理ならこういうふうにしようか、などとディスカッションできることなんです。まるでショスタコーヴィチとロストロポーヴィチみたいな作曲家と演奏家の関係を、自分も少し体験できるというか。


なるほど。お二人の楽しいやりとりをうかがっているだけで期待がふくらみます。チェロとピアノでも、同じように楽しく対話されるのでしょうね。では、おしまいにお客さまへのメッセージをお願いします。まず山中さんから。

20240217AtsushiYamanaka_(C)Takafumi Ueno-003.jpg山中:宮田さんと一緒に演奏させてもらったり、一緒にご飯を食べたりすると、ほんとうに気配りと優しさの人なんだと感じます。言葉一つでも、どう表現するかで相手がどう感じるのだろうとか、細やかに考えられている。それは音楽、音を発するときにも同じように考えていらっしゃると思うんです。ですから宮田さんと共演できて、みなさんの前で演奏できるというのは、僕自身とても嬉しいことなんです。みなさんにも、この時間を純粋に楽しんでいただきたいと思います。

宮田:この『Dai-versity』というタイトルの元になっているダイバーシティという言葉は、多様性という意味なんです。チェロにはいろいろなことができる、新しい魅力や世界があるとみなさんに実感していただきたくて、『Dai-versity』と名づけました。今回は映画音楽を中心に山中惇史さんと共演して、一期一会の音楽が生まれてきます。初演となるメドレーのほかに、東京での公演は初めてという曲もあります。初めての、特別な瞬間を第一生命ホールでぜひ目の当たりにしていただきたいと思います。映画音楽では、音楽だけでみなさんをいろいろな時空、いろいろな世界にお連れできたらと思います。映画を見に行くように、お気軽にいらしていただければ嬉しく思います。