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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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アーティスト・インタビュー

©Yuji Hori

森 麻季

音楽のある週末 第12回
森 麻季ソプラノ・リサイタル

第一生命ホールで週末にコンサートを楽しめるシリーズ「音楽のある週末」に、森麻季さんが登場します。生誕150周年のドビュッシーをはじめ、詩の朗読とともにおおくりするデュパルクの歌曲、その美しい声を活かした「天上の生活」など充実のプログラムを、声楽のリサイタルにも適した室内楽ホールで楽しんでいただければと思います。

歌曲を詩の朗読とともに

心を解き放って、そこにある音楽に耳をすまして

3年前にも第一生命ホールで歌っていただきましたが、森さんの美しい声がホールの響きに溶け合い、すばらしかったことを覚えています。

:第一生命ホールは、音楽が心地よく響いて、演奏者にとっても聴き手にとってもとてもよい環境にあると思います。クラシックだからといって、緊張などしないで、心を解き放って、そこにある音楽に耳をすまし、素直に身を任せてみていただければと思います。

今回のプログラムの意図をお聞かせください。

森:今年はドビュッシー生誕150周年ということで、ドビュッシーの歌曲に挑戦します。あわせて、デュパルクの歌曲を詩の朗読とともに演奏します。数年前から、特に歌曲は、詩の朗読とともに聴いていただいています。詩がとても素敵なので、みなさんにその言葉とともに音楽に触れていただきたいという思いからはじめたのですが、詩の内容がわかると音楽がしみじみと伝わってくると、どこでも好評です。

「天上の生活」を歌うと心が救われる思いがします

また、「天上の生活」は、マーラーの交響曲第4番の第4楽章で、ソプラノ独唱とオーケストラのために書かれた作品です。もちろんオーケストラとも共演をしていますが、ピアノの山岸茂人さんとも何度も演奏をしてきました。「私たちは天上の喜びを楽しむ。だから俗世間のことはもう知らない。俗世間の騒ぎは天上にはきこえない。すべては最高の柔和な安息の中で生活している」と穏やかに音楽がはじまり、にぎやかなリズムと物悲しい調べが重なり合って...「天使たちの歌声が気持ちをほがらかにさせ、すべてが喜びに目覚める」と安らぎに満ちた響きの中に終わるのですが、この歌を歌う時、不思議といつも、亡くなったかわいい猫たちのことが思い出されるのです。私は大の猫好きで、いつもそばにいて、わたしに喜びと安らぎを与えてくれた大好きな猫たちが、「天上の生活」を歌う時、音楽に誘われて、うれしそうに今もどこかで魂を輝かせている姿がみえてくるようで、心が救われる思いがします。こういうところも、音楽の素敵なところですね。

お客様へメッセージを。

:今回は、私の好きな作品ばかりをプログラムにさせていただきました。決して馴染みのある作品ばかりではありませんが、私自身、楽しみに歌わせていただきますので、みなさまにも、好きな音楽を見つけていただけたら、とてもうれしいです。

[聞き手/文 田中玲子]