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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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アーティスト・インタビュー

千住真理子 広瀬悦子 亀井良信

モーツァルト・ガラ・コンサート

第一生命がザルツブルグの住家修復を支援した縁で結ばれた、第一生命ホールとモーツァルト。今年も、モーツァルトにちなんだガラ・コンサートを開催します。日本を代表する人気ソリストたちとN響メンバーによる室内オーケストラとのモーツァルトの華やかな協奏曲をおおくりします。
3人のソリストたちに、それぞれモーツァルトについての想い出をうかがってみました。

モーツァルトについての想い出

千住:今回は私がもっとも信頼をおくN響メンバーとモーツァルトを弾けることが楽しみです。第3番や第5番の人気が高く、第4番は得てして弾く機会が少ないのですが、実は私は一番好き。思えば16歳の時、N響とスィトナー指揮で弾かせていただいたこの曲の空気を忘れ得ません。巨匠が可愛らしい笑みを浮かべ身体を小さく丸めて踊りながら指揮してくださる姿がまぶたに残っています。その時私のモーツァルトのイメージは愛らしい色合いに変わりました。
 時を経て今回弾かせていただく第4番、愛しいメロディーを共に味わっていただければと思います。  


広瀬:私にとってモーツァルトの協奏曲は、6歳で第26番「戴冠式」をオーケストラと共演して以来、たくさんの作品とめぐり合い、幾度となく演奏してきた身近な存在です。年齢と共に感じ方、捉え方も刻々変化し、音の数がそれほど多くない分、表現方法も千差万別、子どもから巨匠までそれぞれの年代に合った輝きが投影できるのが魅力ではないでしょうか。
 特に第9番「ジュノム」は親密で室内楽的な対話が多く、優美な生命力に溢れた両端楽章と、そのあいだにたたずむ、心の深淵をのぞきこむような憂いに満ちた緩徐楽章との対比が際立つ、モーツァルト初期の大傑作です。天上の音楽のような崇高な光をおびた、私も大好きなこの曲の魅力をみなさまと分かち合えれば幸いです。


亀井:僕がまだ話もできない小さな頃、モーツァルトのクラリネット五重奏曲の4楽章を口ずさんでいたという話を両親から聞いたことがあります。晩年の頃の作品で集大成とも言える作品を、クラリネットのために残してくれたモーツァルトに感謝! この曲を演奏する時、クラリネットをやっていて本当に良かった!と思います。
 演奏するたびに新しい発見がある曲。今回はどんな表情を見つけることができるか楽しみです。


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それぞれ大切な想い出とともに演奏するモーツァルトの珠玉の協奏曲たちを、767席の室内楽ホールという贅沢な空間、指揮者なしの親密なアンサンブルで、ぜひお楽しみください。

[聞き手/文 田中玲子]