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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

基本情報

日時 中央区立泰明小学校
2024年1月30日(火) 11:30~12:15/13:35~14:20
出演 田村 緑(ピアノ)
概要 中央区立泰明小学校 
対象者:小学4年生 人数:44名

助成:文化庁文化芸術振興費補助金 劇場・音楽堂等活性化・ネットワーク強化事業(地域の中核劇場・音楽堂等活性化)独立行政法人日本芸術文化振興会

レポート

【プログラム】

♪ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」~ヴィクトル・ハルトマンの想い出~より
     プロムナード/卵の殻をつけたひなどりの踊り
     バーバ=ヤガーの小屋/キエフの大門
♪ピアノの ひ・み・つ
♪エルガー体操  使用曲/エルガー:威風堂々第1番   振付・構成:田村緑 
♪「音楽と絵本」のプレゼント   
  使用曲/ドビュッシー:「ベルガマスク組曲」よりプレリュード  構成:田村緑


【レポート】

 最初に、会場内の所々に展示した絵を歩いて見て回りながら、ムソルグスキーの展覧会の絵の「プロムナード」を聴いてもらいました。
  組曲「展覧会の絵」のプロムナードのメロディは子供達も知っていたようですが、作曲したムソルグスキーのことや、これらの絵を描いたムソルグスキーの友人・ハルトマンのこと、そしてこの組曲が作られた経緯などを知ってもらいました。 有名なプロムナードの後に演奏された「卵の殻をつけたひなどりの踊り」は短く可愛らしい曲で、子供達は隣の子と目を合わせて微笑んでいました。難しく感じずに、安心したり楽しく感じていたように思いました。
  田村さんは子どもたちに「どの絵が気になった?」「みんなだったら、この絵からどんな音楽を作る?」等の質問をして、その返事に合わせてお話や演奏をするなど、常にコミュニケーションをとりながら楽しくアウトリーチを進めていました。子どもたちも興味津々で積極的に発言していて、絵に関するクイズコーナーの場面では、田村さんがヒントで「マから始まる怖いもの」と言うと「ママ?」と言った子がいて笑ってしまいました。
※正解は魔女(バーバ=ヤガー)
★P1300104.JPG  田村さんは、子ども達がお琴で学習した日本の古い音楽と「展覧会の絵」の曲の意外な共通点にも着目、あっと驚く聴き比べが行われました。その際に、音楽担当の先生にお箏を演奏してもらう場面があり、身を乗り出して見ている子供がいました。元々、先生と子供達の距離感が近い印象を持ちました。短時間でも先生の演奏を向かい合って聴けたのは、子供達にとって貴重な思い出として記憶に残るのではないのかなと思いました。
  「キエフの大門」のキエフは現在戦争中のウクライナの地名だということは子供達にも伝わり、反応がありました。子供達はどのように感じたかわかりませんが、戦争で勉強や音楽どころではない子供達、日本でも学校が震災避難所になっていて勉強できない子供達もいる中で、演奏家による生演奏を聴くことができ、平和であることの幸せを感じました。
  古城、鶏の足の上の小屋(バーバ=ヤガー)、キエフの大門など、聴き応えのある楽曲が、参加型として子ども達を巻き込みながら演奏されました。同時に、オルガン等の学校に普段からある楽器も演奏途中で使用され、反応している生徒が何人もいて、違う楽器も使用されることで子供達の関心が高められていたように感じました。★P1300161(一部ぼかしあり).jpg  145周年の登り旗がある歴史ある建物の中で、iPadを操作して授業することもある子供達をみながら感じたのは、私が小学4年生だった頃と、今の4年生は全く違い、未来の4年生はまた違うのだろうということ。泰明小学校のように古いものと新しいものがうまく融合し、色々なアプローチでその学校ならではのアウトリーチを、これからもトリトンアーツの方々に期待したいと感じました。
  他に、田村さん恒例「ピアノのひ・み・つ」や、子ども達が元気に身体を動かす「エルガー体操」もあり、演奏家は田村さん一人でのアウトリーチでしたが、ピアノに加えてオルガンの演奏、先生によるお箏の演奏、「展覧会の絵」にまつわる絵の展示もあり、盛り沢山な内容で、45分間の間に様々な要素が凝縮された、とても印象的なアウトリーチでした。

(トリトンアーツサポーター 観察レポートより)


【子どもたちのアンケートより】(抜粋)

●音楽や絵を見て、自分がそうぞうしていた音じゃなくて、そこも音楽のいいところだと思いました。音が一つ変わることでふんいきがいっきに変わったのでびっくりしました。
●とてもすごくて心の中でもひびきました。
●とても有名な「プロムナード」は親友の絵をみながら少しずつ変えていることにおどろきました。
●私はコンサートに行ったことがなかったのでとても楽しみにしていました。私は、はじめ、ピアノはだれがひいても同じだと思っていたけれど、田村緑さんの演奏をきき、田村さんは演奏するときに心をこめて演奏することで、その気持ちが音に出て、とてもきれいな演奏になっていたので、すごいなと感心しました。

プロフィール

田村緑(たむら みどり)ピアノ  
その躍動感に満ち、情感溢れる演奏スタイルと、在英経験を活かした独創的プログラムが注目され、全国各地で演奏活動を展開中。特に普及の分野では先駆者的存在。聴き手が音楽を楽しめる体験とするために様々な手法を生み出すピアニストとして貴重な存在である。地域と共にある新しい企画開発、地域に貢献できる演奏家育成など、活動は多岐に渡る。桐朋女子高校音楽科卒業、英国ギルドホール音楽院ピアノ科首席卒業、シティ大学大学院修士課程修了。特別研究員として母校の音楽院に勤務。IC・ベートーヴェン・ピアノコンクール第1位受賞。ロンドンの名門・ウィグモアホールでのピアノリサイタル、BBCテレビ・ラジオ出演、ヨーロッパ内外で演奏。2016-2018いわきアリオス・アソシエイト・アーティスト。(一財)地域創造・協力アーティスト。
コロナ禍においても活発に活動を継続。2020年7月~9月、オリジナル企画の提供と監修で話題となった三重県文化会館「マイベストシート・コンサートシリーズ」の特集番組は、2020年9月NHK「まるっと三重」、10月NHK「おはよう日本」にて全国放送される。CD「魅惑のピアノ名曲集」「展覧会の絵」他。
https://www.tmzm.net
©Shigeto Imura