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トリトン・アーツ・ネットワーク

第一生命ホールを拠点として、音楽活動を通じて地域社会に貢献するNPO法人です。
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レポート

アウトリーチ

4年生はじめてのクラシック
クァルテット・アベリア

①中央区立明正小学校   
②中央区立中央小学校

基本情報

日時 ①中央区立明正小学校
2023年10月12日(木)9:40~10:25/10:45~11:30/11:35~12:20
②中央区立中央小学校
2024年2月26日(月)9:40~10:25/10:45~11:30
出演 クァルテット・アベリア(弦楽四重奏)
[菊川穂乃佳/清水里彩子(ヴァイオリン) 田口夕莉(ヴィオラ) 田上史奈(チェロ)]
概要 対象者:4年生
人数:①60名 ②48名
 
助成:文化庁文化芸術振興費補助金 劇場・音楽堂等活性化・ネットワーク強化事業(地域の中核劇場・音楽堂等活性化)独立行政法人日本芸術文化振興会

レポート

★IMG_6241.JPG【①中央区立明正小学校プログラム】
♪シューマン:弦楽四重奏曲 第2番 ヘ長調 Op.41-2より 第1楽章
・楽器紹介~1曲目のシューマン冒頭を楽器ごとに演奏して、楽器それぞれの音色や役割など体感してもらう。
・シューマンの弦楽四重奏曲を使って、子供たちに聴きたい小節をその場で募り(小節番号で選んでもらう)演奏。
どんなイメージがうかんだか、どうしてその様に聴こえたのかをクラス全員で共有する(楽器を取り出して聴いてみる等の実験)。
♪チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番 ニ長調 Op. 11より 第1楽章

【①中央区立明正小学校レポート】

 演奏が始まると、子供たちは真剣な表情で集中して聴いており、音楽の世界に自然と引き込まれていく感じがした。 それぞれの楽器の特徴が伝わる選曲と圧巻の演奏で、楽器への興味・関心につながっていた。

○楽器紹介
・4年1組 楽器の形、大きさをよく見て、音の違いに耳を傾けていた。
・4年3組:チェロに興味を示す子が多かった。エンドピンで楽器を支えていることを知り、地面に伝わる振動を床に触れて体感していた。
・4年2組:初めて聞く楽器名とその音色に注目していた。チェロの大きさ、音色に感動していた。★IMG_6149.JPG

○曲の色々な部分を取り出して聴く
・子供たちが曲から想像したイメージ ある小節では「何かが襲ってくる感じ」、違う小節では「アイスの取り合いみたい」「けんかはやめようと言っているみたい」、また別の小節では「会話している」「音楽のドッヂボールみたい」など。
・演奏者の方が子供たちの声を上手に拾いながら解説してくださったので、子供たちも思ったことを発言しやすかったと思う。
・ドレスの説明があったり(この日に演奏したシューマンの曲をイメージした色のドレスを着てきたが、4人とも違う色)、子供たちが選んだ小節から弾いてみたりといった演出の工夫が、子供たちとの良いコミュニケーションにつながっていた。

○「同じ音楽から受け取るイメージは人それぞれだから、聴き方や感じ方は自由だ」ということを演奏者から教わる。
・授業では、鑑賞の際に学習上着目するポイントを絞って指導されるので、この言葉は子供たちにとって新たな発見につながったと思う。

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  3クラスあり三者三様だったが、演奏者の方がクラスの実態に合わせてアットホームな雰囲気でコミュニケーションをとってくださったことにより、クラシックを身近に感じられる良い体験になったと思う。 小学4年生にとってはあまり馴染みのない曲でも、演奏者の方の素晴らしい演奏と、クラシックの魅力を伝えたい、という思いがとてもよく伝わってきたことで、子供たちにとっては本物の音楽に触れられたという貴重な体験になったと感じる。 「動きがあると飽きずに聞ける」という音楽の先生のアドバイスがあったが、楽器紹介の際に旋律の動きを子供たち自身が手で表してみたり、楽器を弾くまねをしてみたりすると、一緒に音楽に参加できているという実感が湧き、より楽しくなるかな、と思った。

(トリトンアーツサポーター 白石彩夏 観察レポートより)


★IMG_8815.JPG②【中央区立中央小学校プログラム】 
♪チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番 ニ長調 Op. 11より 第1楽章 モデラート・エ・センプリチェ
・楽器紹介~1曲目のチャイコフスキーの第1楽章冒頭をチェロから順番に楽器を1つずつ重ねてゆきながら演奏。楽器それぞれの音色や弦楽四重奏のサウンドなど体感してもらう。
・引き続き第1楽章を使って、子供たちに聴きたい小節をその場で募り(小節番号で選んでもらう)演奏。
どんなイメージがうかんだか、どうしてその様に聴こえたのかをクラス全員で共有する(パートごとに聴いたり、テンポやリズムを変えて聴いてみる等の実験)。
♪チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番 ニ長調 Op. 11より 第2楽章 アンダンテ・カンタービレ


【子どもたちのアンケートより】
①中央区立明正小学校
●曲の中で色々なことがまざり、空の世界をイメージした。ケンカしているみたいなところや、フワフワしているところがあった。
●皆さんの演奏の中で一番印象に残ったのは、穂乃佳さんと里彩子さんがケンカしていて、夕莉さんと史奈さんがなぐさめているような音色のところです。面白いと思いました。
●楽器が4つしかないのに、あんなにきれいな曲が奏でられるのかとびっくりしました。
●4人がそれぞれの楽器を楽しそうに弾いているのを近くで見て、楽器や音で音楽を伝え合えるんだなと思いました。
●歌のようにきこえるほどすごくて、手をめっちゃ動かしていてリズムにのっていてすごくいいなと思いました。どうやったらこんなに歌みたいにひけるのかと思うくらいびっくりしました。

②中央区立中央小学校
●歌詞がない曲にも興味が湧きました。
●最後にきいた音楽は人生のようだなと思いました。私は演奏するのは苦手ですが、音楽の中から状況や気持ちを見つけることが好きだなと思いました。
●すごく音がきれいだったから私も演奏してみたいなと思いました。
●弾くところによって感情が変わることにびっくりしたし、色んな音色を奏でていて感動しました。
●色んな音が重なってひとつの音楽になっていたのがすごいと思った。
●音楽を生できいたとき、いつもすごいなとしか感じなかったけれど、この音楽をきいていつもより感情を持った。私もヴァイオリンを弾いてみたいと思った。家族にもきかせてあげたかった。

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プロフィール

クァルテット・アベリア Quartet Abelia(弦楽四重奏)  
(C)Ryu Matsuda
菊川穂乃佳(ヴァイオリン)  Kikukawa Honoka, violin
第16回クロスター・シェーンタール国際ヴァイオリンコンクールにおいて優勝、あわせてヴィルトゥオーゾ賞、第9回レオポルト・モーツァルト国際ヴァイオリンコンクールにおいて審査員特別賞を受賞他。これまでに浜松交響楽団、藝大フィルハーモニア管弦楽団他と共演。これまでに鈴木亜久里、窪田茂夫、ドン=スク・カン、徳永二男、玉井菜採、漆原朝子、堀正文、白井圭の各氏に師事。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、東京藝術大学を首席で卒業。現在同大学院音楽研究科修士課程2年在学中。
清水里彩子(ヴァイオリン)  Shimizu Risako, violin
東京藝術大学卒業。大学在学中に東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団に入団。第5回彩の国String Competition最優秀賞。第24回みえ音楽コンクール第1位、併せて三重県知事賞を受賞。第38回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール全国大会第1位。学内成績優秀者として、第46回藝大室内楽定期に出演。フィリアホール室内楽アカデミア第3期生。これまでにヴァイオリンを野上紘子、水野佐知香、野口千代光、徳永二男、篠崎史紀の各氏に師事。
田口夕莉(ヴィオラ)  Taguchi Yuuri, viola
4歳よりヴァイオリンを始め、18歳で先生の勧めでヴィオラに転向。第27回日本クラシック音楽コンクール第2位(1位なし)。第25回ブルクハルト国際音楽コンクール弦楽器部門第1位。ヴィオラスペース2019 vol.28に出演。藝大定期室内楽第46回に出演。これまでにヴァイオリンを小籠郁子、野口千代光、ヴィオラを市坪俊彦各氏に師事。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、東京藝術大学を卒業。現在同大学院音楽研究科修士課程2年在学中。
田上史奈(チェロ)  Tagami Fumina, cello
4歳より桐朋学園大学音楽学部附属「子供のための音楽教室」に入室。第71回全日本学生音楽コンクール東京大会第1位、全国大会第2位。ザルツブルク=モーツァルト国際室内楽コンクール2019、第1位。また、第39回草津夏期国際音楽アカデミーにて、音楽監督賞を受賞。これまでに、中田有、山崎伸子、中木健二の各氏に師事。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、東京藝術大学を卒業。現在、同大学院音楽研究科修士課程2年在学中。