「ごほうびクラシック」シリーズの12月は、「ピアノ・パッション」と題し、今年も個性豊かな4名のピアニストたちが名曲の数々をお届けする「ピアノ・オールスターズ」を開催します。
第4弾となる今回登場するのは、ロー磨秀さん、南 杏佳さん、尾城杏奈さん、梅田智也さんの4名。第一生命ホールを舞台に繰り広げられるピアノ・コンクール「ピティナ・ピアノコンペティション」歴代入賞者でもあります。
当公演で司会も務める飯田有抄さんによる インタビュー その1に続き、皆さんにとってのごほうび(リラックス方法など)と、第一生命ホールの思い出をうかがいました。
「ごほうびクラシック」という公演シリーズ名にちなんで、みなさんにとっての「ごほうび」をお聞かせください。
ロー:いろいろありますけれど、甘いものが好きですね。
あと、ホラー映画が大好きなんですよ! 映画はホラーしか観ないというくらい。この日まで練習を頑張ったら、観たかったあのホラー映画を夜に観よう、とか。
家でお酒を飲みながらホラー映画を観て、甘いものやしょっぱいものを食べながら・・・というのが、自分へのごほうびですね。
いま、アジアン・ホラーがめちゃくちゃアツいです。
尾城:最近のリフレッシュは旅行ですね! いまパリに住んでいるので、ヨーロッパ内の色々な場所へ気軽に行けるんです。少し前にスペインのマヨルカ島へ旅行し、ショパンが当時住んでいた家に行ってきました。「ここで『24の前奏曲』を書いたんだ!」と!
忙しい時期がひと段落すると、行きたい場所を決めて、スケジュールもかなり細かく立てて(笑)色んな国に行きます。様々な文化に触れて刺激を受けますね。
いつか大自然に行って、デジタル・デトックスの旅をしたいです!
梅田:ちょっと真面目な話になってしまいますが、一日中練習ができていた学生時代って最高だったなあ、と思うんです。朝もゆっくり起きて、自分の好きなタイミングで、いくらでも自由に練習ができて。演奏以外に大学などでの指導の仕事も持つようになり、自分の時間を確保するのがむずかしい今では「ピアノを弾ける時間」というのが、一番のごほうびですね。
南:私は新しい楽譜を読むのが好きなので、コンサート活動など忙しい時期が落ち着いた後、色々な楽譜を探すのが至福の時間です。
あと、お酒がすごく好きです! コンクール(2024年ピティナ特級グランプリ受賞)が終わってから先生方に「お祝いに何が欲しい?」ときかれ「飲みに連れて行ってください!」と即答したくらい大好きで、お世話になった全ての先生とお酒を飲みに行きました。
第一生命ホールはピティナ・ピアノコンペティション特級で上位入賞されている皆さまにとって馴染み深いホールだと思います。ホールの思い出や印象をお聞かせください。
ロー:ここ数年、何度か第一生命ホールで開催されるコンサートで演奏していますが、楽屋に入った時にちょっとピリッとすることはありますね、「特級の楽屋だ!」と。
緊張するのはだいたい楽屋にいる時なので、楽屋からステージに向かう動線で当時の記憶がフラッシュバックすることもあります。
でも特級に出場したのが大分前なので、今は緊張より懐かしさの方が勝るようになってきました。その後フランスに留学したので、留学前の自分を思い出します。
留学して自分の音楽性が、考え方から楽譜の読み方まで大きく変ったので。
尾城:今までで2回、特級を受けたのですが、1回目は高校生の時、2回目は8年越しの挑戦でした。1回目はプログラムの長さに対応できなかったのですが、2回目は自分が実現したい音楽に近づくことが出来、グランプリを受賞できました。
その為、第一生命ホールは私にとって自分の成長を感じられる場所です。
コンサートとしてこのホールで演奏するのは今回が初めてですが、また自分が成長した姿を皆さんにお見せできれば! と思っています。
南:大阪出身の私にとって、ピティナ全国大会が開催される憧れの場所である一方、ものすごく緊張を強いられる場所で、ホール入り口のエスカレーターを見るとお腹が痛くなっていました。舞台裏でも吐きそうになるくらい緊張して、早く大阪に帰りたくて仕方がありませんでした。でも、去年のセミファイナルで演奏した時に初めてホールの隅々まで自分の音がつかめるようになり、思い出の場所になりました。また、3月の入賞者記念コンサートで演奏した時、母に「このホールはあなたにすごく合っているね」と言ってもらい、大好きなホールになりました。なので、もうエスカレーターは怖くないです!
梅田:私も、コンペティションの特級に参加した時はとても緊張していて、正直、自分がどんな演奏をしたのかあまり覚えていません(笑)でも、オーケストラとの共演は初めてだったので、ファイナルでの演奏はとても楽しかったです。同時に、これでコンクールが終わるんだという安堵と淋しさもありました。当時はファイナルも第一生命ホールで開催されていたんですよね。10年という時を経て、今また同じステージに立った時に自分がどんな風に感じるのか、12月が楽しみです。
インタビュー その1は こちら