「ごほうびクラシック」シリーズの12月は、今年も才気あふれる4名のピアニストたちが彩る「ピアノ・オールスターズ」です。第3弾となる今回登場するのは、北村明日人、中川真耶加、古海行子、内匠慧の4名です。第一生命ホールを舞台に繰り広げられるピアノ・コンクール「ピティナ・ピアノコンペティション」歴代入賞者たちが、「ピアノの詩人ショパン 名曲の花束」をテーマにお届けします。
当公演で司会も務める飯田有抄さんによる インタビュー その1 に続き、第一生命ホールの印象と皆さんにとってのごほうび(リラックス方法など)をうかがいました。
第一生命ホールはピティナ・ピアノコンペティション特級で上位入賞されている皆さまにとって馴染み深いホールだと思います。ぜひ、ホールの印象をお聞かせください。
北村:ホールの形が丸いのが特徴だと思っていて。音に角が立たず自由に飛んで行ってくれるんだろうなと、ホールの響きを信頼しながら弾けるので、お客様にはどのように聴こえるのか不安がなく、自分の感覚の中に入り込んで演奏できる。
初めてピティナのコンクールで弾いたときはステージがすごく高いと思っていたんですよ。だから客席からは舞台が遠く感じるのかなと思っていました。でも、観客として聴きにいったら思っていたより低くて、膝くらいの高さやん!(笑)と。[編注:実際には大人の身長で腿の高さくらいです(笑)]
お客様からは舞台が近くに感じられるし、弾いている側は自分の演奏にとても集中できる。そのギャップが面白いホールですね。
中川:第一生命ホールというと、ピティナの特級でとても緊張した事が一番初めに思い出されます。すばらしい響きをもった素敵な会場で、ピアノとの相性が完ぺきで、その響きを実感しながら演奏した記憶があります。私の音楽人生を考えた時、ピティナの特級で演奏できたことはとても大きくて、思い入れのあるホールであることは間違いないです。
前回特級を受けて以来、久しぶりに第一生命ホールに帰ってくるので、いざ会場に足を踏み入れた時にどのような感覚がよみがえってくるのか楽しみです。
古海:私もピティナは出る度に毎回極限まで緊張していたので、「勝どき駅」の文字を見るだけでその時の感覚がよみがえってくるくらいです(笑) コンサートを聴きに来たことも何度かあって、広々としているのに舞台との距離が近くに感じられて素晴らしいホールだなと思いました。すぐ近くで弾いてもらっているような、他のホールにはない臨場感を感じられてとても楽しかったです。 色々な思い出のあるホールですが、演奏家として戻ってこられることが嬉しく、12月のコンサートがいまから楽しみです。
内匠:ピティナの特級で弾いたときはピアニストとしてのキャリアを歩き始めたタイミングで、私もとても緊張した印象が残っています。規模が小さいサロンホールの様に自分が聴いている音とお客様が聴いている音が同じ環境が個人的に好きなのですが、第一生命ホールは小さなリサイタルホールのような雰囲気をもちつつ実際のキャパシティは広いホールですね。今回10年ぶりくらいに第一生命ホールで演奏するので、自分の成長が見せられればと思っています。
「ごほうびクラシック」という公演シリーズ名にちなんで、みなさんにとっての「ごほうび」をお聞かせください。
北村:単純に睡眠時間をいただけると嬉しいですね。いつも8時間、9時間は寝ていたい人間なので。「ああ、何時に起きなきゃ」とか、明日の事を考えずに寝たいです!
中川:私は今イタリアに住んでいるのですけれど、イタリアにはアペリティーボと言う、夕食の前に軽くお酒を飲みながら美味しいものをつまむ習慣があり、それが私にとってのごほうびです。
基本的に予定が詰まっているときは飲まないのですが、コンサートとか色々ひと段落ついたときにテラスがあるバーに行って友達と談笑しながらアペリティーボを楽しんでいます。それによってリラックスできるし、次の日も頑張ろうと思うんです。
イタリアの方はそれを毎日のように行っているので羨ましい限りですが(笑)そうした時間を月に1、2回過ごせたら幸せです!
古海:やっぱりお酒はごほうびですよね。日本酒が好きなんですけれど、私も何かに集中している期間はあまり飲まないので、いろいろ落ち着いて月に1回くらい、美味しいごはんと一緒にお酒を飲むのがごほうびですね。あと、自然が大好きなので、余裕があるときは少し遠くにいって自然を体感したり、その土地の方と関わったりするのがごほうびです。
内匠:ごほうびと称して買い物をしてしまうことがあるじゃないですか。私の場合はぬいぐるみを買ってしまうんですね。1回買うとなかなかセーブできなくて、キャラクターの世界観が崩壊してしまうくらいレッスン室がぬいぐるみで溢れかえっています(笑)
インタビュー その1は こちら